日漢協について >> 日漢協のご案内 >> JKMA GUIDE 2017

JKMA GUIDE 2017

2017年8月制作  ※「JKMA GUIDE」の内容の一部は、「日漢協について」でも紹介しています。

平成29年度 事業計画

■事業計画の策定にあたって

平成29年度は、『中長期事業計画2017(5カ年計画)』のスタートの年であり、『中長期事業計画2012(5カ年計画)』の活動で明確になった課題を含めて、対応します。最重要課題を、「原料生薬の安定確保」と「原料生薬から最終製品までの品質確保」とし、関係諸団体との連携をもとに協会一丸となって国内外の諸課題の解決を図ります。

「原料生薬の安定確保」については、原料生薬の約80%を中国からの輸入に依存しており、これまで中国政府機関への訪問等を通じて情報把握と関係構築を図ってきました。平成26年度からは、中国医保商会と日漢協が、隔年ごとに両国を交互に訪問し、最新情報の共有や喫緊の課題についての意見交換を通じて相互理解を深める交流会も開催しています。平成29年度は、引き続き中国医保商会の訪日団を迎えて国際交流を図ることにより、品質の高い生薬の安定確保を目指します。一方、原料生薬の国内栽培の推進は、平成28年度に農林水産省補助事業が「薬用作物産地支援体制整備事業」として組み直され、日漢協は一般社団法人全国農業改良普及支援協会とともに薬用作物産地支援協議会を設置し、事前相談窓口の設置と地域相談会を担当しています。実需者とのマッチングにより試作栽培に進むケースはあったものの、生産供給段階に進むための課題も明確となりました。課題の中で、栽培方法や種苗確保は、国や関係機関への適切な支援を担いつつ、平成29年度は、経済性について、日本で栽培される生薬の目標使用量および生産者・研究者が支援事業等で取り組む生産コストに対する研究、実証の目標となるべく希望取引価格帯の明確化に取り組みます。

「原料生薬から最終製品までの品質確保」については、平成29年度も日局原案審議委員会および局外生規検討委員会に委員を継続して派遣し、新規収載並びに既収載品の見直しに協力していきます。日局十七には、漢方処方エキス5処方が新規収載され、平成29年9月施行予定の第一追補には1処方が新規収載される予定です。日局十八では、18処方が新規収載されるよう取り組みます。一方、医薬品品質システム(PQS)の実施率が非常に低かったことから、漢方・生薬に対する品質の信頼性をより向上させるためにも、全会員会社がPQSを導入することを目指します。また、医薬品の品質に対する保証と製造販売後の安全管理の充実に向けて、医薬品製造販売業三役が機能を果たす仕組みを構築できるよう周知徹底を図ります。

さらに、重要課題を「漢方製剤等の国際対応」、「漢方製剤等の開発と育成」、「各種ステークホルダーに対する啓発活動と情報共有の推進」、「協会活動の充実」とし、日漢協の英知を結集して取り組みます。

さて、本年2月には「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」のフォーラムが開催され、これまでの3回の研究会の議論を踏まえた提言の骨子がまとまり、3月に提言書が発表されました。産官学・国民の連携のもと、諸課題の解決に向けて邁進します。日漢協は平成29年度も、会員相互の密接な連携のもと、品質の高い漢方製剤等を安定供給し、さらなる普及と定着を図ることにより、国民の健康と医薬品産業の発展に貢献します。

平成29年度 日漢協事業方針


1. 原料生薬の安定確保
(1)生薬の国内生産の推進・拡大に向けた施策等を検討する
(2)輸入生薬の安定確保に対して適切に対応する
(3)生薬の使用量調査等、原料生薬に関する流通実態を把握し(原料生薬使用量等調査、中国産生薬価格指
   数調査等)、的確に対応する
(4)絶滅のおそれのある野生動植物種についてワシントン条約の遵守・推奨を図り、必要な生薬の確保について
   対応する
2. 原料生薬から最終製品までの品質確保
(1)日漢協版GACPの啓発活動を推進する
(2)中国の生薬栽培で使用されている農薬について実態調査し、的確に対応する
(3)漢方製剤等の残留農薬、重金属、微生物など安全性に係る品質確保を一層強化する
(4)日局および局外生規未収載生薬の収載、並びに既収載生薬の見直しをさらに推進する
(5)漢方処方エキスの日局収載について引き続き積極的に対応し、18処方について日局十八への新規収載に
   対応する
(6)原薬エキスの規格および試験方法の設定に関し適切に対応する
(7)生薬を管理する責任者(生薬管理責任者)の育成強化を図り、漢方GMPをさらに推進する
(8)PQSの啓発と会員会社の導入を推進する
(9)GDPに係る情報を収集し、啓発促進する
3. 漢方製剤等の国際対応
(1)国際交流を図り、相互理解と関係向上
   1)会員会社の活動並びに国民の健康に関連する国際情報を的確に入手するため、良好な国際交流に
     努める
   2)国際的な人的ネットワークの確保に努める
   3)生薬の供給、品質、価格などの安定調達に向け、関係国(特に中国)への働きかけを行う
(2)国際情報の収集、把握、対応
   1)漢方製剤等に関わる国際情報の入手、把握に努め、適時発信する
   2)ISO/TC249の情勢を把握、解析し、適切な対応を行う
   3)生薬の品質確保に向け、GACPに関わる産出国情報入手に努める
   4) 生物多様性条約のABSに関わる国内措置への対応を推進する
   5) ICHやFHHなど、国際調和の動向に適確に対応する
   6)PIC/Sなど、医薬品GMPに関する内外の動きに適確に対応する
   7)漢方GMPも含めGMPに関する日中二国間の相互理解をさらに深める
4. 漢方製剤等の開発と育成
(1)漢方製剤等の開発
   1)一般用漢方製剤承認基準等への対応を推進する
   2)「生薬のエキス製剤の製造販売承認申請に係るガイダンス」、単味生薬および配合型生薬製剤の許認可
     に関する対応を推進する
   3)多成分系医薬品である漢方製剤等に関する「リポジショニングや新剤型開発のための品質保証および承
     認申請に資するガイドライン」の整備を推進する
(2)漢方製剤等の育成
   1)研究支援体制の構築に向け、関係機関への働きかけを行う(がん領域、高齢者医療、医療経済学的研究
     の推進)
   2)エビデンスデータを集積し、診療ガイドラインへの掲載を目指す
   3)一般用医薬品の販売制度に関連した調査研究を推進し、関係諸団体と協力して対応する
(3)漢方製剤等の安全性確保と適正使用の推進
   1)会員会社の医薬情報担当者(MR)に対して安全性に関する教育の徹底を図る
   2)医療用医薬品添付文書の新記載要領および届出制への対応を推進する
   3)医薬品英文添付文書の作成を推進する
   4)『医療用漢方製剤148処方「使用上の注意」の業界統一と自主改訂』冊子改訂作業を推進する
   5)一般消費者向け安全性情報提供資料を検討する
   6)一般用漢方製剤・生薬製剤については、生活者におけるセルフメディケーションと適正使用の進展に貢献
     するべく、活用範囲の拡張と情報提供のあり方について検討する
   7)「製品情報概要等に関する作成要領」の改定情報に迅速に対応し、会員会社への周知徹底と適正使用の
     推進を図る
(4)医療用漢方製剤等の安定供給
   1)医療保険制度における位置づけを明確にする
   2)薬価制度上の諸課題に対応する
5. 各種ステークホルダーに対する啓発活動と情報共有の推進
(1)医療関係者および患者・消費者などに対する啓発活動
   1)日漢協ホームページのコンテンツの充実によるユーザー満足度の向上を図る
   2)ターゲットを明確にした市民公開漢方セミナーを通じて、正しい理解を得るための啓発活動を推進する
   3)漢方製剤等に係る現況と協会の課題などについて、適時かつ的確な情報提供を推進する
   4)各種媒体を通じて信頼度の高い情報発信を実現するため、PRツールの充実と問い合わせに関する的確
     な応対を実施する
(2)協会内の情報共有の推進
   会員専用ページ等による適切な情報共有により、会員会社相互の緊密な意思疎通を図り、円滑な業界活動
   に繋げる
6. 協会活動の充実
(1)「コンプライアンスプログラム」「コード・オブ・プラクティス」「透明性ガイドライン」などを遵守し、高い倫理観を
   もって行動する
(2)会員会社の環境意識を高め、環境活動を推進する
(3)漢方製剤等を代表する団体として、活動を強化するとともに日薬連など関係諸団体との連携強化を図る
(4)委員会活動の充実を図るため、事務局機能を強化する
(5)会員向け講演会・研修会を通して、適時かつ的確な情報提供を推進する