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中国産原料生薬の価格指数調査について

2014年8月8日
日本漢方生薬製剤協会(会長:加藤照和)では、会員各社を対象に第2回中国産原料生薬の価格指数調査を行い、その結果をまとめました。

【目的と背景】

日本漢方生薬製剤協会(日漢協)が実施した原料生薬使用量等調査(2008〜2010年)の結果、日漢協会員会社が医薬品原料として使用した生薬のうち、約80%が中国産でした。
それとは別に、2011年初頭に実施した第1回中国産原料生薬の価格指数調査では、2006年の購入価格を100としたとき、2008年および2010年の価格指数は、それぞれ126、164(加重平均)となり、4年間で約1.6倍に価格が上昇したことが確認できました。
しかし、調査期間が年初であったため2010年秋収穫品の価格が反映されていない可能性があったこと、またその後も生薬価格の上昇が止まらないとの声があったことから、今回、第2回調査として2011〜2013年購入分について改めて調査を実施しました。

【調査方法】

日漢協会員会社72社に対し、2006年の購入価格を100としたときの2011年、2012年および2013年の価格指数を調査しました。
調査対象生薬は、中国から直接輸入している使用量上位30生薬で、第1回調査と整合性をとるため同じ生薬としました。調査項目も前回と同じく、価格指数と購入数量のほか、価格高騰の原因について調査しました。その他に、各社で価格上昇が顕著であると考えている生薬についても調査しました(図1)。
図1. 第2回中国産原料生薬の価格指数調査の調査方法

【調査結果】

各社の生薬購入数量に違いがあるため、購入数量を5段階に分けてウェイトを掛け、前回と同様に加重平均して、まずそれぞれの生薬の価格指数を算出しました。次に30生薬全体の価格指数を、同様に加重平均して算出しました。その結果を、図2に示します(図中、赤字が今回の結果)。
中国から直接輸入している使用量上位30生薬の価格指数は、2006年を100としたとき、2011年が169、2012年が191、2013年が213と推移し、2006年以降の7年間で約2倍に価格が上昇していました。なお、参考のため為替レートを記しましたが、2013年は2006年より約19円の円高になっています。
図2. 使用量上位30品目の中国産原料生薬の価格指数の推移


次に、データは示しませんが生薬毎に見てみると、使用量上位30生薬すべてで価格が上昇しているという結果でした。この3年間で価格指数の変動が最も大きかった生薬はニンジンで、その価格指数は2011年が180、2012年が244、2013年が393と急激に上昇しており、2013年には約4倍(対2006年)となっています。
また、最も使用量が多いカンゾウの価格指数は、2011〜2013年の3年間で146→163→186と推移しており、これも2倍に近づきつつあります(表1)。

表1. 各生薬の価格指数(2013年)


価格上昇の原因として会員会社から挙げられた要因(複数回答可)は、多い順に「人件費、栽培・加工費の上昇」「中国国内の需要増(食品含む)」「資源減少」で、この3つの要因で回答全体の約60%を占め、次いで「投機」(10%)、「栽培面積減」(6%)と続いていました。
一方、使用量上位30品目以外の生薬で、価格上昇が著しいと会員会社から挙げられた生薬も20品目ありました。ただし、これらの生薬については回答社数が少なかったことから、追加調査を実施する予定です。

→第2回中国産生薬の価格指数調査:追加データを掲載いたしました(PDF形式・59KB)

【まとめ】

今回の調査結果(2011〜2013年)によれば、中国から輸入された原料生薬の価格指数は、前回調査(2006年、2008年および2010年)以降の3年間でも一貫して上昇し続けており、2006年からの7年間で遂に2倍を超えました。

この結果から、日漢協が「中長期事業計画2012(5ヵ年計画)」の最初に掲げる課題「原料生薬の品質確保と安定確保の推進」が、いっそう喫緊の課題となっていることが改めて認識されました。原料生薬の安定確保のために現在進めている、国内栽培の推進、調達ルートの複数化によるリスクヘッジ、野生品の栽培化、栽培技術の向上、生薬薬価の見直しなどの施策を、いっそう強力に推進してまいります。

また日漢協は、原料生薬の安定確保は、栽培や経済的側面での課題解決とともに、残留農薬や重金属など品質に関する課題も克服して初めて実現できると考えています。品質面についても、個々の会員企業における努力はもちろんのこと、業界全体として取組みをさらに強化いたします。

「原料生薬の品質確保と安定確保の推進」に関しては、長期にわたる取組みになると思いますが、行政はじめ関係各位におかれましては引き続きご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。

●本件に関する問合せ先
  日本漢方生薬製剤協会 広報委員会 中島実(株式会社ツムラ) TEL:03-6361-7103