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漢方薬の安全性について

残留農薬自主基準の継続調査に関する論文を『生薬学雑誌』に掲載

日本漢方生薬製剤協会(日漢協)では、1996年に残留農薬に関する業界自主基準を定め、さらに2005〜2006年に検査対象製剤や農薬種を追加して新たな自主基準を定め、会員会社で運用しております。 2008年と2012年には日漢協会員会社の残留農薬に関する実態調査に関する論文が日本生薬学学会の学会誌『生薬学雑誌』に掲載されております。 今回、実態調査を継続した論文が新たに掲載されましたので、その概要をホームページで公開いたします。
漢方製剤、生薬製剤及び生薬の残留農薬について(第4報)
日漢協の残留農薬自主基準に関する実態調査
【著  者】
野澤佳明、安藤英広、三枝弘和、田中啓介、六川将宏、堀越高宏、池戸真吾、伊藤紫野、岡本巧誠、久保範洋、白鳥 誠、多田恵弥、平田智枝、山田修嗣、山本博章、杉本智潮、遠藤雄一、富塚弘之
【雑誌名】
生薬学雑誌 70 (2), 72〜78 (2016)
【内容要旨】
日漢協では調査対象期間を2012年4月1日から2013年3月31日の1年間とした残留農薬の自主基準に関する調査を実施した。その結果、自主基準の対象製剤を持っている集計対象会社のうち自主基準を実施していると回答した会社は89.3%であり、前回の調査に比べ実施率が向上していた。測定検体数は1年間に少なくとものべ21,358ロットであり、前回の調査に比べ格段に増えていたが、自主基準を超えた検出事例は無かった。また、自主基準の対象とならない農薬や生薬における検出事例が報告されたが、特に問題となる事例はなく、日漢協会員各社において適切に管理されていることを確認した。
平成29年3月30日掲載

薬用植物栽培における使用農薬の実態調査に関する論文が『生薬学雑誌』に掲載
―(第2報)中国産タイソウの使用農薬―

日本漢方生薬製剤協会(日漢協)では、漢方製剤、生薬製剤及び生薬の安全性を確保するため、まず1996年にニンジンなどが配合される製剤に関する残留農薬の業界自主基準を定め、また2005年と2006年にはさらに検査対象製剤や農薬種を追加して、会員会社における管理を強化してきました。これら自主基準に基づく会員会社における管理状況については、日漢協・技術委員会で調査した結果が2008年と2012年に論文としてまとめられています。

一方、生薬を原料とする製剤と生薬の安全性を確保するためには、その生薬のもと(基原)となる薬用植物の栽培でどのような農薬が使用されているかを把握することも重要です。先に日漢協では、2006年当時比較的農薬の検出頻度が高かったチンピ(ミカンの皮)について中国の産地で実地調査を行いました。さらに、この調査の結果、使用が確認された農薬についてそれらの残留性を確認するため、日本国内で流通している中国産チンピ(市場品)を用いて農薬分析を行いました。この結果をまとめ、「薬用植物栽培における使用農薬の実態調査(第1報)中国産チンピの使用農薬」と題して論文投稿しました。この論文は 『生薬学雑誌』第65巻(2011年)に掲載され、翌2012年の日本生薬学会第59年会で論文賞をいただきました。

今回、チンピに次いでタイソウ(ナツメの果実)について、同様に実地調査と農薬分析を行いました。その結果をまとめて論文投稿したところ、『生薬学雑誌』第68巻(2014年)に掲載されました。

その概要を以下に紹介いたします。

なお日漢協では、チンピ、タイソウに続き、他の生薬についても栽培時に使用されている農薬の実態調査を継続しています。
薬用植物栽培における使用農薬の実態調査(第2報) 中国産タイソウの使用農薬
【著  者】山本豊,吉村宏昭,尾形徹,神谷洋,樋口剛央,豊岡寛美,高梨真樹,許秀海,陳国強,劉大川,李方東,浅間宏志,佐々木博
【雑誌名】生薬学雑誌 68(2), 78〜87 (2014)
【内容要旨】
中国産タイソウを調査対象品目とし、その基原植物ナツメの栽培地における使用農薬の実態調査を行った。タイソウを選んだ理由は、2006年に実施した予備調査で、当時日漢協会員会社が有していたデータでは農薬検出頻度がチンピに次いで高かったこと、また医薬品原料としての使用量が常に上位5〜6位を占める生薬であること(日漢協調査)から選定した。
2011年5月〜2012年1月に、中国の主要なナツメの栽培地である河南省、山東省、 河北省、山西省及び陝西省の5省8地区を対象に使用農薬の実態を調査した。その結果、19種類の農薬の使用が確認された。主な使用目的は、殺虫、殺菌、除草であった(表1)。なお今回の調査でも、チンピの調査のときと同様、BHC やaldrinなど日本および中国で使用が禁止されている農薬の使用は認められなかった。これは、日本薬局方に純度試験として総BHC 0.2 ppm以下などの基準があるが、輸出先国の法律や基準などが反映された結果と考えられる。




次いで、実態調査で使用が確認された農薬について、その残留性を確認する目的で、日本国内で流通している中国産タイソウを用いて農薬の分析を行った。その結果、延べ6種の農薬の残留が認められたが、最も多く検出された農薬は、河南省産タイソウ(南-1)のbeta-cypermethrin で0.33 ppmであった(表2)。




また、中国での聞き取り調査で、「伝統的産地であるが、ナツメの木の老化が進み、また管理する人も減少している」と報告された河南省産タイソウ(南-1)について、400種類の農薬の一斉分析を行った。その結果、実態調査で使用が確認された2種の農薬の他に、tebuconazole、cyhalothrin など実態調査で未確認の10種の農薬の残留が認められた(表2)。これらの農薬について個々に遡及調査は実施していないが、10種の農薬のうち最も検出値が高かったtebuconazole(0.19 ppm)は、調査地に隣接する畑で栽培されている小麦やトウモロコシに使用されているとのことであり、隣接する畑からの飛散、いわゆる“ドリフト”によるものと考えられた。 農薬分析で検出された農薬は、最も多く残留していたbeta-cypermethrin(0.33 ppm)でも、日本の食品衛生法のポジティブリストでナツメが規定されている「その他果実」の残留基準(0.5 ppm)の2/3程度であった。 なお、ポジティブリストは生鮮食品の基準であり、今回調査した生薬のタイソウは乾燥物であることから、生鮮品に換算すれば残留基準に対する比率はさらに小さくなると考えられた。そこでbeta-cypermethrin(0.33 ppm)について、生鮮品(ナツメ)と生薬タイソウの乾燥減量(表3)による換算を試みたところ0.11〜0.14 ppmとなり、残留基準の1/3以下となった。 以上の結果から、中国産タイソウに残留していた農薬は、食品衛生法のポジティブリスト「その他果実」の残留基準の範囲内であり、残留性は低いものであった。



平成26年11月5日掲載

残留農薬自主基準に関する論文を『生薬学雑誌』に掲載

日本漢方生薬製剤協会(日漢協)では、1996年に残留農薬に関する業界自主基準を定め、さらに2005〜2006年に検査対象製剤や農薬種を追加して新たな自主基準を定め、会員会社で運用しております。 日漢協会員会社の残留農薬に関する実態調査に関する論文が、日本生薬学学会の学会誌『生薬学雑誌』に掲載されましたので、 その概要をホームページで公開いたします。
漢方製剤、生薬製剤及び生薬の残留農薬について(第3報)
日漢協の残留農薬自主基準に関する実態調査
【著  者】 杉本智潮、遠藤雄一、田村 真、安藤英広、岡本巧誠、表 貴之、白鳥 誠、新澤伸一、服部佳之、
        平澤 智、松浦 晃、丸田純平、宮坂大樹、六川将宏、村田勝優、山田修嗣、山本博章、吉川眞一、
        小此木 明、富塚弘之
【雑誌名】 生薬学雑誌 66(2), 81〜90 (2012)
【内容要旨】
日漢協では調査対象期間を2008年4月1日から2009年3月31日の1年間とした残留農薬の自主基準に関する調査を実施した。その結果、自主基準の対象製剤を持っている集計対象会社57社のうち自主基準を実施していると回答した会社は82.5%であり、前回の調査に比べ実施率が向上していた。残留農薬の測定については集計対象会社57社全社にて100%実施されていた。測定検体数は1年間に少なくとものべ13,844ロットと前回の調査に比べ格段に増えており、自主基準を超えた事例報告は全く無かった。

平成23年3月22日掲載

薬用植物(生薬)の栽培で使用される農薬の実態調査に関する論文を『生薬学雑誌』に掲載

日本漢方生薬製剤協会(日漢協)では、漢方製剤、生薬製剤及び生薬の安全性を確保するため、まず1996年にニンジンなどが配合される製剤に関する残留農薬の業界自主基準を定め、また2005年と2006年にはさらに検査対象製剤や農薬種を自主基準に追加して、会員会社における農薬試験を強化してきました。

一方で、生薬を原料とする製剤と生薬の安全性を確保するためには、薬用植物(生薬)の栽培でどのような農薬が使用されているかを把握することも重要です。しかし、今までそのような調査研究は報告されていませんでした。そこで日漢協では、生薬の栽培地における農薬の使用実態調査を計画しました。

当時、会員会社で分析した生薬の残留農薬データを提供してもらい、比較的農薬の検出頻度が高かったチンピ(みかんの皮)を選び、実地調査することにしました。調査では、実際に中国のみかん栽培地を訪れ、そこで使用されている農薬や化学薬品を調査しました。また実地調査で使用が確認された農薬の残留性を確認する目的で、日本で流通する中国産チンピを用いて農薬分析を行ったところ、残留性は低く安全性に問題はないと考えられました。その結果をまとめた論文が『生薬学雑誌』(日本生薬学会編、2011年2月発刊)に掲載されましたので、その概要を以下に紹介いたします。

なお日漢協では、チンピに続いて他の生薬についても使用農薬の実態調査を継続しています。
薬用植物栽培における使用農薬の実態調査(第1報) 中国産チンピの使用農薬
【著  者】山口茂治,安部正太郎,土田貴志,小山忠一,石黒千秋,村口昌三,許秀海,胡志強,馮焔,李金剛,
浅間宏志,佐々木博
【雑誌名】生薬学雑誌 65(1), 10〜17 (2011)
【内容要旨】
2006年に日漢協会員会社が有する幾つかの生薬の農薬試験データを予備調査し、検出頻度が比較的高かったチンピを調査対象品目とし、 みかんの栽培時における使用農薬の実態調査を行った。2008年8月〜2009年3月に、中国の主要なみかん栽培地である広東省、広西壮族自治区、 四川省、浙江省及び湖南省の4省1自治区を対象に使用農薬の実態を調査した結果、29種類(延べ43種類)の農薬(化学薬品及び燻蒸剤を含む) の使用が確認された(表1及び表2)。






今回の調査で使用が確認された農薬について、その残留性を確認する目的で、日本国内で入手した中国産チンピを用いて農薬分析を行った。
その結果、延べ13農薬の残留が認められた。また日本で流通量の多い浙江省産チンピについては、356農薬の一斉分析を行ったところ、 現地調査で使用が確認された6農薬に加え、現地調査では未確認であった8農薬の残留が認められた(表3)。



しかし検出された農薬は、比較的多く残留していた農薬(carbosulfan 0.24 ppm)でも食品衛生法のポジティブリストその他スパイスの残留基準の1/4程度であり、残留性は低かった。


平成23年4月26日掲載

残留農薬自主基準に関する論文2報を『医薬品研究』に掲載

日本漢方生薬製剤協会(日漢協)では、1996年に漢方製剤、生薬製剤及び生薬の安全性確保のため、残留農薬に関する業界自主基準を定め、 会員会社で運用してまいりました。さらに2005〜2006年に、検査対象製剤や農薬種を追加して新たな自主基準を定め、現在に至っております。 日漢協のこれらの取り組みについての論文2報が、2008年2月発行の『医薬品研究』誌((財)日本公定書協会発行)に掲載されましたので、 その概要をホームページで公開いたします。
漢方製剤、生薬製剤及び生薬の残留農薬について(第1報)
漢方製剤及び生薬製剤の残留農薬に関する日漢協自主基準並びに漢方製剤に関する実態調査
【著者】田村 真、遠藤 雄一、磯崎 隆史、杉本 智潮、丸田 純平、大橋 眞一、吉川 眞一、小此木 明、
清水 袈裟光、佐々木 博
【雑誌名】医薬品研究 39(2), 63〜75 (2008)
【内容要旨】
日本漢方生薬製剤協会(日漢協)では、 1996年にニンジン、センナを配合する漢方製剤及び生薬製剤の残留
農薬に関する有機塩素系農薬の自主基準を設定した。その後2003年に主に中国から輸入された生薬に残留
農薬が検出され一般に公表されたことを受け、2005年6月、日漢協では残留農薬に関する自主基準を見直し、
検査対象の製剤と農薬種を追加した(表1-1及び1-2)。



追加内容は以下の通りである。
(1)有機塩素系農薬に関し、11種の生薬並びにそれらを配合する漢方製剤及び生薬製剤に適用範囲を拡大
(2)漢方製剤に有機リン系及びピレスロイド系農薬の残留基準を設定

本論文では、設定した農薬試験方法の妥当性、会員会社における農薬試験実施状況、並びに試験結果につい
て報告する。追加自主基準を運用開始後9ヶ月時点で会員会社(75社:調査時点現在)における農薬試験実施
状況を調査したところ、57%の会社で試験が行われていた。また報告された総数2,832検体以上の試験結果で
は、漢方製剤で自主基準対象農薬の残留基準を越えた例は全く認められなかった(表1-3)。


なお、生薬製剤の有機リン系とピレスロイド系農薬については、生薬製剤が漢方製剤のように水抽出されて製
造される製剤ばかりでなく、一部有機溶剤を使用して製造されるものもあり製法が一様でないことから、農薬試
験方法の検討に時間を要した。生薬製剤については第2報で述べる。

漢方製剤、生薬製剤及び生薬の残留農薬について(第2報)
生薬製剤に関する実態調査
【著者】杉本 智潮、遠藤 雄一、磯崎 隆史、田村 真、丸田 純平、大橋 眞一、吉川 眞一、小此木 明、
清水 袈裟光、佐々木 博
【雑誌名】医薬品研究 39(2), 76〜82 (2008)
【内容要旨】
生薬製剤に関し2005年11月に、会員各社が自主的に実施していた有機リン系及びピレスロイド系農薬試験についての調査を行った。 また2006年2月に、2005年の追加自主基準で設定した有機塩素系農薬の試験実施状況について調査した。本論文ではこれらの調査結果に ついて報告する。

生薬製剤の有機塩素系農薬については、自主基準に設定した総DDTが176検体中1検体で検出されたが残留基準以下であった。その他に、 自主基準対象以外の農薬2種が、最大で0.30 ppmと0.43 ppm検出された例があった(表2-1)。しかし、これらの農薬の食品における基準や ADI(一日摂取許容量)を考察したところ、問題ない量と思われた。


有機リン系及びピレスロイド系農薬については、表2-2に示すように160検体中1〜2検体で検出例があったが、2005年に設定した漢方製剤の 残留基準(第1報参照)以下であった。この調査や試験方法の検討結果から、2006年6月、生薬製剤についても漢方製剤と同様、有機リン系 及びピレスロイド系農薬に関する試験法と残留基準を設定した。



平成20年3月13日掲載

漢方・生薬製剤の残留農薬に関する自主基準(適用範囲の追加について)

日本漢方生薬製剤協会では、平成17年6月1日より残留農薬に関する漢方・生薬製剤の自主基準の運用を開始しておりますが、 その適用範囲を追加した新自主基準を策定しましたので、18年6月1日より運用を開始いたします。
漢方・生薬製剤の残留農薬に関する自主基準
アンダーライン部分を追加いたしました。なお、有機塩素系農薬については変更はありません。

(1)有機リン系農薬
  1) 適用範囲  オンジ、サンシュユ、ソヨウおよびチンピを配合する漢方・生薬製剤
  2) 農薬種と残留農薬基準
    パラチオン : 0.5 ppm パラチオンメチル : 0.2 ppm メチダチオン : 0.2 ppm マラチオン : 1.0 ppm

(2)ピレスロイド系農薬
  1) 適用範囲  オンジ、タイソウ、ソヨウ、チンピおよびビワヨウを配合する漢方・生薬製剤
  2) 農薬種と残留農薬基準
    フェンバレレート : 1.5 ppm シペルメトリン : 1.0 ppm

※追加部分の実施日  平成18年6月1日

平成18年5月30日掲載

茜草根配合製剤に関する自主基準について

日本漢方生薬製剤協会では、アカネ色素(基原:セイヨウアカネ Rubia tinctorm)に遺伝毒性ならびに腎発がん性物質が含まれるとの報告を受け、 これに近縁の植物を基原とする茜草根(センソウコン)に関する自主基準を策定し、平成18年2月1日より加盟各社で実施することとしました。

生薬として用いられる茜草根はアカミノアカネ(Rubia cordifolia)の根及び根茎で、アカネ色素の主成分で遺伝毒性ならびに 腎発がん性が危惧されるlucidin及びlucidin‐3‐O‐primeverosideを含む可能性があります。

日本漢方生薬製剤協会では、茜草根(茜根、茜草などと呼ばれるものを含む)を配合する流エキス剤や生薬製剤(主として輸入製剤)の安全性を 保証するため、lucidin及びlucidin‐3‐O‐primeverosideに関する試験法と限度値(検出しないこと)を自主基準として定め、 製品ロット毎に検査することとしています。

平成18年1月26日掲載

残留農薬検査自主基準

日本漢方生薬製剤協会では、昨年度から鋭意進めて参りました漢方・生薬製剤と生薬における残留農薬の自主基準の策定作業を終了し、 今後はこの自主基準に沿って検査を実施して参ります。
1.漢方・生薬製剤の残留農薬に関する自主基準

(1)有機塩素系農薬
  1) 適用範囲  オウギ、オンジ、カンゾウ、ケイヒ、サイシン、サンシュユ、ソヨウ、
            タイソウ、チンピ、ビワヨウ、ボタンピ
            以上の11生薬を配合する漢方・生薬製剤とします。なお、ニンジンおよびセンナを配合する
            製剤については、従来どおりの適用とします。
  2) 農薬種と残留農薬基準
    総BHC : 0.2 ppm 総DDT : 0.2 ppm

(2)有機リン系農薬
  1) 適用範囲  オンジ、サンシュユ、ソヨウおよびチンピを配合する漢方製剤
  2) 農薬種と残留農薬基準
    パラチオン : 0.5 ppm パラチオンメチル : 0.2 ppm メチダチオン : 0.2 ppm マラチオン : 1.0 ppm

(3)ピレスロイド系農薬
  1) 適用範囲  オンジ、タイソウ、ソヨウ、チンピおよびビワヨウを配合する漢方製剤
  2) 農薬種と残留農薬基準
    フェンバレレート : 1.5 ppm シペルメトリン : 1.0 ppm
2.生薬の残留農薬に関する自主基準
(1) 適用範囲  オウギ、オンジ、カンゾウ、ケイヒ、サイシン、サンシュユ、ソヨウ、
           タイソウ、チンピ、ビワヨウ、ボタンピ
(2) 農薬種と残留農薬基準
   総BHC : 0.2 ppm 総DDT : 0.2 ppm

なお、生薬の自主基準については、今後さらに有機塩素系農薬の適用範囲を他の生薬にも拡大していくとともに、 有機リン系およびピレスロイド系農薬種についても設定していく方針です。
3.実施日
平成17年6月1日

平成17年5月23日掲載

残留農薬への取り組みについて(改めてご連絡)

当協会では、8月20日に残留農薬への取り組みをお知らせしていますが、週刊誌において残留農薬問題が取り上げられましたので、 改めて取組内容についてお知らせします。

当協会では、薬である漢方製剤の重要性を鑑み、漢方製剤に対する有機塩素系農薬(DDT,BHC)についての検査方法、基準値を自主基準として定め、 その基準に則って製造・販売を行なっています。また、有機リン系農薬(パラチオン、パラチオンメチル、メチダチオン、マラチオン)、 ピレスロイド系農薬(フェンパレレート、シペルメトリン)についても自主基準の策定作業を行なっており、今年度中にまとめる予定です。

更に、漢方製剤の原料として使用される生薬についても改めて残留農薬検査の実態調査を行なっており、現在その結果をとりまとめております。 これらにつきましては、まとまり次第ホームページを通じて公表します。

平成16年9月14日掲載

残留農薬への取り組みについて

日本漢方生薬製剤協会では、残留農薬に関する取り組みとして、既に漢方製剤における有機塩素系農薬についての自主基準を策定し、 運用しております。更に今年度中を目標に、同じく漢方製剤における有機リン系、ピレスロイド系農薬についての残留農薬自主基準を鋭意策定中です。

また、改めて、昨年からの状況を確認すべく、生薬における残留農薬検査の実態を調査しています。 調査の結果は9月中旬に取りまとめ、 当ホームページに掲載する予定です。

なお、この調査結果は厚生労働省の研究班が進めておられる「生薬中の農薬分析に関する研究」事業にもお知らせし、 今後の基準策定作業に活かしていただく考えです。

平成16年8月20日掲載

公的機関での残留農薬試験結果

(財)日本食品分析センターで農薬試験を行っていただきました。
6月に生薬を対象として行った自主検査の結果、サンシュユ、タイソウ、ソヨウ、チンピで各1社づつ農薬が食品衛生法などの基準値よりも低い値で 検知され、漢方製剤の原料として使われていたことが分かりました。
生薬を使った漢方薬では、刻み生薬と漢方製剤がありますが、漢方製剤の方が圧倒的に多く使われていますので、上記4種類の生薬を含む 漢方製剤の内、生産金額のほとんどを占める17処方について、公的機関である(財)日本食品分析センターに農薬試験をしていただきました。
検査結果は下記のとおりでした。
(1) 試験を行っていただいた漢方製剤
  • 葛根湯 (カッコントウ)
  • 八味地黄丸料 (ハチミジオウガンリョウ)
  • 大柴胡湯 (ダイサイコトウ)
  • 小柴胡湯 (ショウサイコトウ)
  • 柴胡桂枝湯 (サイコケイシトウ)
  • 柴胡加竜骨牡蛎湯 (サイコカリュウコツボレイトウ)
  • 半夏瀉心湯 (ハンゲシャシントウ)
  • 半夏厚朴湯 (ハンゲコウボクトウ)
  • 防已黄耆湯 (ボウイオウギトウ)
  • 麦門冬湯 (バクモンドウトウ)
  • 補中益気湯 (ホチュウエッキトウ)
  • 六君子湯 (リックンシトウ)
  • 釣藤散 (チョウトウサン)
  • 柴朴湯 (サイボクトウ)
  • 牛車腎気丸 (ゴシャジンキガン)
  • 人参養栄湯 (ニンジンヨウエイトウ)
  • 柴苓湯 (サイレイトウ)

    (2) 試験対象農薬
  • 有機リン系(4種):パラチオン、パラチオンメチル、マラチオン、メチダチオン
  • ピレスロイド系(2種):フェンバレレート、シペルメトリン

    (3) 試験方法
    ガスクロマトグラフ法

    (4) 試験結果
    上記17種の漢方製剤から、試験対象の農薬は検出されませんでした。
  • 今後の対応
    引き続き会員各社を通じて、生薬の生産者などに安全性が保証できるものを提供するよう、積極的に働きかけていきます。 また、「漢方・生薬製剤に関する残留農薬自主基準」の策定に向け鋭意取り組んでいます。

    平成15年12月25日掲載

    残留農薬自主検査結果

    加盟各社に対し、下記内容の自主検査を行いました。
  • 今回問題とされた生薬サンシュユ、タイソウ、ソヨウ、チンピならびにキジツに対する農薬検査の実施状況
  • 農薬を検出したことの有無ならびに検出時の対応
  • 結果は下記の状況でした。
    (1) 生薬を刻み生薬として販売もしくは漢方薬の原料として扱っている会社は52社
    (2) 刻み生薬を販売している会社は8社
    (3) 生薬サンシュユ、タイソウ、ソヨウ、チンピ、ならびにキジツを扱っている会社は 45〜52社
    (4) 上記生薬に対して農薬試験を行っている会社は
  • 有機リン系農薬(パラチオン、パラチオンメチル、メチダチオン、マラチオン)に対しては7〜17%の会社が実施
  • ピレスロイド゙系農薬(フェンバレレート、シペルメトリン)に対しては4〜7%の会社が実施
  • 有機塩素系農薬(DDT、BHC)に対しては18〜31%の会社が実施
    (5) 農薬を検出したことの有無ならびに検出時の対応
       サンシュユ 1社が検出・・・食品衛生法の基準よりも低い値であったため、漢方薬の原料として使用。
       タイソウ   1社が検出・・・食品衛生法の基準よりも低い値であったため、漢方薬の原料として使用。
       ソヨウ     2社が検出・・・それぞれで基準値を超えたため、2社とも廃棄。
       チンピ    4社が検出・・・3社で検出された農薬はそれぞれで基準値を超えたため、3社とも廃棄。
               1社で検出された農薬は基準値よりも低い値であったため、漢方薬の原料として使用。
       キジツ    検出せず
  • 上記結果を受けて、日漢協では次の対応をとることにしました。
    1.生薬を使った薬としては、刻み生薬と漢方薬がありますが、漢方薬の方が圧倒的に多く使われています。
      そこで今回農薬が検出された生薬(サンシュユ、タイソウ、ソヨウ、チンピ) を原料として使っている漢方薬を
      公的機関で農薬検査していただきます。
    2.会員各社は生薬の購入に際して、生産者などに安全性が保証できるものを
      提供するよう積極的に働きかけていきます。
    3.生薬、漢方薬の農薬検査方法の確立に向けて行政、他団体などとも協力しあいながら
      積極的に取り組んで参ります。

    平成15年8月4日掲載

    生薬の残留農薬について

    日本漢方生薬製剤協会では、6月18日に厚生労働省記者会において行われました「漢方生薬にパラチオン等農薬残留が確認された」旨の 農民運動全国連合会の発表内容ならびに同発表を受けての厚生労働省からの自主点検の徹底についての事務連絡を重く受け止め、 緊急に加盟全社において農薬試験に関する自主点検状況の確認を行っています。

    平成15年6月20日掲載