漢方・生薬について >> 漢方薬・生薬英語表記 >> 用語解説 第1集 III. 漢方製剤・生薬製剤・生薬関連用語 その2

漢方製剤・生薬製剤・生薬用語の英語表記
Recommended Terminology for Kampo Products,
Conventional Crude Drug Products and Crude Drugs

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構成(化学)成分/ingredient, constituent
化学医薬品製剤の中の有効(活性)成分を表す場合 active constituent、active ingredient、 active pharmaceutical ingredient (API) (= medicinal substance:原薬) という用語が汎用される(ingredient や constituentは、 全体を構成するものの一つを表す言葉で、そのものがないと、全体が完全なものにならないというニュアンスがある)。 このような化学医薬品における言葉の使われ方から、漢方製剤生薬の構成(化学)成分を示す場合にも、 component を用いるより ingredient、constituent を用いる方が、誤解が少ない。 より明確に表現する場合には、 chemical ingredient、chemical constituentとし、 "L-Ephedrine is an active ingredient of a kakkonto product." のように用いる。
構成要素としての生薬を示す場合は、 「構成生薬」の項を参照。

日本薬局方/Japanese Pharmacopoeia
日本薬局方は、薬事法第41条により、医薬品の性状及び品質の適正を図るため、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めた医薬品の規格基準書です。日本薬局方の構成は通則、生薬総則、製剤総則、一般試験法及び医薬品各条からなり、収載医薬品については我が国で繁用されている医薬品が中心となっています。
日本薬局方は100年有余の歴史があり、初版は明治19年6月に公布され、今日に至るまで医薬品の開発、試験技術の向上に伴って改定が重ねられ、2013年現在では、第十六改正日本薬局方及び第十六改正日本薬局方第一追補が公示され、生薬が215品目、漢方処方エキス製剤は27品目収載されています。
(厚労省ホームページより http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/yakkyoku/

日本薬局方外生薬規格(局外生規)/non-JP crude drug standards
"The Japanese standards for herbal medicines" には局外生規のことを The Japanese herbal medicine codex (JHMC) として紹介しているが、 通常、外国人に局外生規を説明するには non-JP crude drug standards の方が理解させ易い。局外生規には herbal medicine 以外の動物生薬も含まれており、 こちらの方が正確である。さらに厚生省薬務局監視指導課監修の文献10) では、局外生規のことを Standards for non-pharmacopoeial crude drugs (non-JP crude drug standards) と英訳している。なお、文字数に余裕があるときは The Japanese herbal medicine codex (non-JP crude drug standards) とすることも推奨する。

標準湯剤/standard decoction
標準的な生薬を用い、古典に従って調製した湯剤のこと (昭和57〜59年度厚生科学研究事業報告医療用漢方エキス製剤の品質確保に関する研究)。

漢方GMP/GMP for Kampo products
漢方GMPには、1987年の「医療用漢方エキス製剤GMP」 (医療用漢方GMPと略される) と1992年の一般用漢方製剤生薬製剤GMP (一般用漢方GMPと略される) が 存在した。日本漢方生薬製剤協会では2005年に改正薬事法に基づき改正し、「漢方製剤生薬製剤の製造管理及び 品質管理に関する自主基準について」 (漢方GMPと略される。 Self-imposed standards for manufacturing control and quality control of Kampo products and conventional crude drug products) に一本化した。この英名は長いため GMP for Kampo products とすることを推奨する。

生薬管理責任者/crude drug control manager
漢方GMPの中に規定されている。

自主基準/self-imposed standards, self-imposed limit

社内基準/in-house standards
各企業が自主的に定めた基準。

漢方/Kampo
本来は日本の伝統医学である漢方医学あるいは漢方医学で用いる処方の意味。 蘭方と対比で用いる場合もある。どの意味で用いるのかを考え、Kampo という言葉は単独で用いず、Kampo medicineKampo formulation など語尾に適切な言葉をつけて誤解されないようにすること。 なお、漢方医学の意味で用いる場合には、初出の際に「漢方医学」の項で示すような注釈を付けることが望ましい。

蘭方/Rampo
江戸時代に伝わった西洋医学で、漢方と対をなす言葉。漢方の歴史を表現する場合にのみ Kampo と対にして用い、それ以外は用いない。 言葉の注釈としては Western medicine を用いる。

原典/original text, original document
その処方名が最初に記載された書物。

出典/reference text
その処方生薬の配合量が記載されている書物。

伝統医学/traditional medicine
各民族、各地方で経験的に確立した医学。鍼灸や祈祷など薬物治療以外のものも含む。 WHO/WPRO用語集では "the sum total of knowledge, skills and practice of holistic care for maintenance of health and treatment of disease based on indigenous theories, beliefs and experiences handed down from generation to generation" と定義/解説されている。 traditional medicine という言葉は伝統薬という意味にもなり、用いる際には注意が必要。

東洋医学/Oriental medicine
中国や日本、韓国など東アジアの伝統医学の総称。 WHO/WPRO用語集では "a general term for traditional medicine practiced in East Asian countries, e.g. Japan and Korea" と定義/解説されている。

漢方医学/Kampo medicine
日本の伝統医学の一つ。 WHO/WPRO用語集では "the medicine traditionally practiced in Japan, based on ancient Chinese medicine" と定義/解説されており、必要に応じてこの注釈をつける。 the traditional Japanese medicine という注釈もありうるが、 本表現は厳密には鍼灸なども含むので、薬物療法のみを指す場合には注意が必要。

中医学, 中国医学/traditional Chinese medicine
中国の伝統医学WHO/WPRO用語集では "the traditional medicine that originated in China, and is characterized by holism and treatment based on pattern identification/syndrome differentiation" と定義/解説されている。 TCM と略す場合がある。

韓医学/traditional Korean medicine
朝鮮半島で発展した伝統医学 WHO/WPRO用語集では "the medicine traditionally practiced in Korea, based on ancient Chinese medicine, which focuses principally on constitutional approaches" と定義/解説されている。

現代医学/modern medicine
現在の医学。伝統医学と対をなす言葉であるが、漢方医学と対をなすものではない。 漢方製剤は現代医学に含まれる。

西洋医学/Western medicine
ギリシア医学を起源とする医学で、東洋医学と対をなして用いる言葉。

代替医療, 補完・代替医療/alternative medicine, complementary medicine, complementary and alternative medicine (CAM)
その国の法体系では、正規の医学とは認識されていない医学(通常医療の代わりに用いられる医療)。 漢方は欧米では代替医療となるが、日本では代替医療ではない。 米国ではCAMという言葉がよく用いられる。

健康食品/health food
「健康食品」とは、広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般を指し、 保健機能食品 (foods with health claims: FHC) も含むものであり、「いわゆる健康食品」とは、 「健康食品」から保健機能食品を除いたものである(「健康食品」に係る制度のあり方に関する検討会、H16年6月9日)。 なお、保健機能食品は特定保健用食品 (foods for specified health use: FOSHU) と栄養機能食品 (foods with nutrient function claims: FNFC) から成る。