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日漢協 ニューズレター 54号

(第18巻 第3号) 2002年1月

新年のご挨拶

厚生労働省医薬局長
宮島 彰
新年あけましておめでとうございます。

昨年は新世紀の始まりや省庁再編による厚生労働省の誕生など節目の一年でありましたが、国内における狂牛病感染牛の発見や米国での同時多発テロといったできごともあり、大変な一年でもありました。

本年も国民の生命と健康に直接関わる医薬行政を担当する者として、その使命と責任の重さを改めてかみしめ、新たな気持ちで国民の皆様の期待に沿えるよう一層努力してまいりたいと考えております。

近年、国民の健康に対する意識の高まりを背景に、医薬品・医療用具等の安全性や有効性に対する国民の関心はますます大きなものとなっております。同時に、急速な少子高齢化、科学技術の進歩、国際化の進展など医薬行政を取り巻く環境も大きく変化しております。医薬局といたしましては、こうした変化に迅速かつ適切に対応しつつ、各種施策に全力で取り組んでいるところであります。

具体的には、まず、医薬品・医療用具等の承認審査体制について、審査官等の増員や中央薬事審議会(現薬事・食品衛生審議会)の改編等により、その抜本的な改善・強化を図り、昨年4月以降に申請された新薬の承認審査期間を米国並みの1年に短縮したところであります。一方、医薬品の市販後の安全性を向上させるために、新薬の市販直後に発生する重篤な副作用を迅速に把握するための市販直後調査を昨年10月から行っているところであり、今後も重篤な副作用の監視と情報の収集・提供耐性の整備に努めてまいります。

さらに、最近、医療事故が相次いでおりますが、医療事故を誘発する要因の一つとして、医薬品・医療用具等の容器、名称、仕様の類似性等、物を要因とする問題が考えられます。今後とも、「医療安全対策検討会議」及びその下の「医薬品・医療用具等対策部会」での議論を踏まえ、物的要因による医療事故を防止するため、逐次、製品の改善等の取り組みを進めて行きたいと考えています。

医薬分業については引き続きその推進を図ってまいります。また、薬剤師職能については、医薬品の適正使用等を推進する上で重要であり、修業年限の見直し等も含め、薬剤師養成の在り方に関して関係者の間で早期に合意が得られるよう引き続き努力してまいります。

薬物乱用防止対策については、最近、覚せい剤を中心に検挙者数が大幅に増加していますが、特に中高生等の青少年の乱用の急増が大きな社会問題となっており、引き続き「薬物乱用防止5ヵ年戦略」に基づき、啓発活動、取り締まり等の徹底を図ってまいります。

ところで、医薬品・医療用具等の分野において、科学技術・産業技術を駆使した多種多様な製品が提供されるようになるなど、薬事制度を取り巻く環境は大きく変化しております。これらの現状を踏まえ、現在、医療用具に係る安全対策の抜本的な見直し、「バイオやゲノムの世紀」に対応した安全確保対策の充実、市販後安全対策の充実と製造承認制度医薬品・医療用具の総合的な安全対策の確立を目指し、薬事制度の全般的な見直しを検討しているところです。また、血液事業につきましても、平成12年末の中央薬事審議会企画・制度改正特別部会においてとりまとめられた報告書を踏まえ、関係者間における合意形成に努めているところであり、今後、法改正も見据えた所要の措置を検討してまいりたいと考えております。

このほかに、医薬局は審査体制強化のための再編に関する問題、ヒト細胞組織等に由来する医薬品等による健康被害の救済に関する問題、クロイツフェルト・ヤコブ病問題等、多くの課題を抱えておりますが、本年も、これらの課題の一つ一つに全力で取り組む決意でございます。
終わりに、医薬行政に対する皆様の一層のご支援、ご協力をお願い致いたしますとともに、皆様方のますますのご発展とご多幸をお祈りいたしまして、新年のあいさつとさせていただきます。