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日漢協 ニューズレター 54号

(第18巻 第3号) 2002年1月

日漢協専門委員会 活動状況報告


総務委員会
委員長 石橋 紀夫(株式会社ツムラ)

平成14年度の会費改定については、事務局の協力も得て調査・検討を重ねた結果、11月16日の理事会で会費改定(案)の承認を得て、次回の総会で正式に決定する運びとなった。

今回の会費改定は当協会の財政基盤をより強固にするとともに、「漢方の新しい展開21」に謳われた各テーマを、ここ2〜3年で確実に実行するための必要資金の調達でもあった。現在のような厳しい経済状況のもと、会費の値上げをお願いすることは誠に心苦しいところであるが、当協会の現状のご理解をいただくとともに、ご協力をお願いする次第であります。

平成15年の当協会創立20周年式典は通常総会の延長上で行うことにしているが、具体的な日時としては平成15年5月22日が総会開催予定日となっており、同日に式典を行いたいと考えている。20周年記念誌については広報委員会とも協力して、今後一年半をかけて作成したいと考えている。

国際委員会
委員長 藤原 哲夫(株式会社ツムラ)

平成13年12月5日、日漢協の会議室において日本アーユルベーダ学会理事長の幡井勉先生を招いて、「アーユルベーダの世界―基礎と臨床―」と題して講演会を実施した。

幡井先生は1918年に大阪でお生まれになり、大阪帝国大学医学部をご卒業後、東邦大学教授を経て、同大学名誉教授となられている。ご専門は解剖学で、臨床の傍ら漢方医学やインド医学(アーユルベーダ)に注目され、日本におけるアーユルベーダ治療の先駆者となられた。現在も漢方治療とアーユルベーダ療法を日常診療に取り入れたユニークなクリニックを開業されている。

質疑を含めて1時間半の講演時間の中で、アーユルベーダのホリスティックな医学観・医学体系をわかりやすくご講演いただいた。参加者は20名で非常に好評であった。

今回よく理解できたことは、アーユルベーダは予防医学、健康医学の側面が強く、食を中心に健康法、養生法に力点が置かれ、宗教・民族・階級を越えてインドの人の8割に行き渡っている療法ということである。また、疾病に際しては、漢方の「気・血・水」によく似た「風・火・水」理論から生薬投与・食餌療法が施されることがわかった。

東洋医学と同様、代替医療、相補医療テーラードメディスンの概念を持つアーユルベーダ医学を通じて、改めて漢方・生薬を見つめ直すことができたと考える。

企画委員会
委員長 徳岡 康男(小太郎漢方製薬株式会社)

1. 講演会の開催

(1) 平成13年7月16日、日漢協会議室において「私と漢方・生薬製剤―行政官として感じたこと、思ったこと―」と題し、日本大学薬学部白神誠教授に講演していただいた。白神先生は行政官として日漢協と関わってきた「医療用漢方製剤の取り扱い」「医療用漢方製剤の再評価」「生薬の食薬区分」の経緯、背景等について説明された。そのうえで今後の漢方の課題として、漢方薬だからという安易な特殊性を考えないこと、品質基準の作成、一定品質のものを用いての臨床試験の実施等を述べられ、今後の漢方業界のあり方を考えるうえで示唆に富む内容であった。

(2) 平成13年9月20日、日漢協会議室において「最近の医薬品行政を取り巻く諸問題について」と題し、厚生労働省医薬局総務課成田稔課長補佐に講演していただいた。

平成13年1月に発足した医薬局の重点施策や取り組み(承認審査体制の充実、医薬品の市販後対策等)について詳細に示された。

成田先生は審査課長補佐、審査センターの管理官を歴任されており、今後の漢方・生薬製剤の課題(医療と保険における位置づけ、研究開発の促進、EBM、原料生薬の安定確保、情報提供等)を示された。

技術委員会
委員長 佐々木 博(株式会社ツムラ)

生薬等委員会では、局外生規生薬を中心に新規局方収載すべく、イレイセンなど15品目が検討されている。最近、カンキョウとインヨウカクの2生薬が追加検討されることになり、計17品目となりそうである。

試験法検討班では、ゴボウシ、バイモ及びリョウキョウの3生薬について、引き続き検討中である。

「生薬及び漢方・生薬製剤のアリストロキア酸に関する自主基準」に基き実施した試験結果(LC/MS分析結果を含む)について、論文(欧文)としてまとめ、学術雑誌に投稿した。

すでに生薬の微生物限度試験法が日局14に収載されているが、不純物試験法検討班では数種の生薬を選び、殺菌・滅菌法に関する実験を行っている。

平成13年8月に『生薬管理責任者のためのハンドブック第1部』(22生薬)を配布したが、現在、第2部(20生薬を予定)を検討している。

平成13年10月19日〜22日に、中国国家医薬管理局主催で、「中薬および植物薬国際シンポジウム」が中国・杭州市で開催された。中国国内からが大半であったが、約500名の参加者があり、米国FDAはじめ、欧州やアジア10数カ国の行政関係者らも参加した。

各国の伝統薬に関するレギュレーション、GAPやGMP、アリストロキア酸による副作用問題などについて、活発な議論が行われた。日本からは日漢協代表で佐々木1人だけが参加した。

薬制委員会
委員長 山下 明(カネボウ薬品株式会社)

1. ウシ等由来医薬品
  • 日本で狂牛病に感染したウシが確認されたことにより、医薬品等の品質および安全性確保の強化に関わる
      通知が発出された。
  • リスク不明国に中国やロシアが該当したことにより麝香、鹿茸及びレイヨウカクの使用が困難になりそうになっ
      た。他の大衆薬関係団体と連名で日漢協として医薬局長宛要望書を作成し、提出した。
  • 日薬連ウシ等医薬品検討会では、加盟各社から質問を集め、当局のQ&Aに反映させるとともに、日漢協から
      も二つのQ&A及びゼラチンに関する説明書を提出した。

    2. 薬事法関連
  • 日薬連が公表した医薬品許認可制度改正に関する提言「医薬品の承認と許可のあり方」をもとにした薬事法
      改正案が検討されている。

    3. 薬事制度検討委員会関連
  • 治験時及び市販後の安全性情報の取り扱い、ファストトラック制度の創設、日本薬局方のあり方などについ
      て日薬連会長より「薬事制度に関する提言(第2報)」として提出した。
  • 承認事項の見直しも実施している。

    4. 規制緩和関連
  • 日薬連規制緩和検討委員会は平成14年度の規制緩和の要望を取りまとめた。
  • 39通知の見直しを行うこととし、適量・微量記載可能な成分の追加および包装材質の拡大の要望とその根拠
      を作成中である。

    5. 医薬品の添加物全成分表示の件
  • 日薬連薬制委員会で全成分表示をする自主規制案を作成し、9月の日薬連理事会で承認を得たQ&Aの案に
      ついて検討中である。簡略名記載の案について意見を集めた。
  • 実施開始は平成14年4月からとなる。

    6. ヒト・動物由来医薬品関連
  • ヒト・動物由来医薬品のQ&Aについて検討中である。
  • 課長通知により、野生動物由来の動物生薬について従来通り取り扱いができることとなった。

    7. 一般用医薬品
  • 鼻炎用薬の承認基準に、プソイドエフェドリンを追加できないか、ワーキンググループを作り検討している。

    8. 消費者対応部会
  • 狂牛病関係の各社の対応状況について意見交換を行った。
  • 日薬連消費者対応部会の報告を行った。

  • 再評価委員会
    委員長 市尾 義昌(株式会社ツムラ)

    厚生労働省ならびに審査センターとの情報交換は継続して実施しているが、その後も漢方再評価に関する大きな動きは見られない。

    小青竜湯「気管支炎」は、『臨床試薬』17巻8号(2001年8月発行)に論文掲載され、審査センターへの資料提出も終了した。

    小柴胡湯「感冒」については、『臨床と研究』に論文投稿し、掲載を待っている。

    黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」及び白虎加人参湯「薬剤性口渇」では、引き続きキーオープンに向けた準備作業とデータ整理作業を実施中である。

    また「小柴胡湯」の分担金については、監査担当会社による使用実績等の監査と日薬連から参加各社への費用請求を平成13年度末までに行う予定である。

    「漢方の新しい展開21」の当委員会の作業としては、再評価試験データの取りまとめから行政への資料提出に至る作業を鋭意実施し、完結させることとして実行計画を策定した。

    医療用製剤委員会
    委員長 酒井 博(株式会社ツムラ)

    当委員会としては、提言「漢方の新しい展開21」の当委員会関連テーマの具体的実行計画を検討中である。以下に各小委員会の活動状況を報告する。

    薬価基準研究小委員会では、医療保険制度の動向について情報提供した。厚生労働省より「医療制度改革試案」が9月25日に発表された。本試案をベースに、政府・与党社会保障改革協議会を中心に審議され、詳細な具体案がまとめられようとしている。

    また、10月10日に中医協薬価専門部会で、「次期薬価制度改革の基本方針(案)」が提出され、薬価制度見直し(先発品・後発品に関する問題等)等が議論されており、年末の平成14年度予算編成までにまとめられる予定である。

    薬価制度改革の議論は、医療制度改革の話と財源的に密接しており、改革案であまり財源がでないと、薬価改定の議論が厳しい方向へ誘導される恐れがある。

    安全性対策小委員会では、医療用漢方製剤19処方が「その他の副作用」から「重大な副作用」の項に、「肝機能障害、黄疸」を記載することを自主改訂として行った。10月19日までに各社は情報伝達活動を終了し、当委員会は当局に11月2日報告書を提出した。

    有用性評価研究小委員会では、漢方のEBM確立に向け、引き続き関係団体への働きかけや漢方薬の有用性評価法等について検討している。

    また、日本東洋医学会にEBM委員会が発足されたのを受け、当委員会としても漢方のEBM確立を目指し、文献情報整理等、可能な限り協力していくとともに、今後とも連携をとりつつ対応していく。

    一般用製剤委員会
    委員長 巽 義男(カネボウ薬品株式会社)

    1. PMS小委員会
    一般用漢方製剤の使用上の注意改訂が事務連絡として以下のとおり示されている。
  • 平成13年9月19日付事務連絡
      肝機能障害16処方。間質性肺炎・肝機能障害1処方。肝臓病・肝機能障害1処方
  • 平成13年11月28日付事務連絡
      間質性肺炎2処方

    2. 一般用漢方製剤使用上の注意改訂
    ワーキンググループ(WG)
    一般用漢方製剤の添付文書等に記載する使用上の注意自主申し合わせは平成13年7月12日付日薬連第540号にて運用されているが、本使用上の注意の記載方法につき、一般用医薬品の使用上の注意との整合性をとるため、平成13年10月3日付日薬連第733号にて、「一般用漢方製剤の添付文書等に記載する使用上の注意自主申し合わせ改訂の件(連絡)」として示された。主な変更点は麝麝
  • その他の注意に記載していた、「短期間の服用にとどめ、連用は避けること」を「してはいけないこと」に
      「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」を記載することとした。
  • 「腹痛」の記載場所を「相談すること」の症状の継続または増強欄から表中記載に変更した。
  • 「下痢」の記載場所を「相談すること」の表中記載から症状の継続または増強欄に変更した。

  • 医療用製剤流通適正化委員会
    委員長 三浦 治(カネボウ薬品株式会社)

  • 流通適正化委員会を平成13年10月9日に開催した。その内容は以下の通りである。
      「贈収賄と企業倫理」に関するプレゼンテーション講演会
      「コンプライアンス・プログラムの普及・定着について」
      講師:医療用医薬品製造業公正取引協議会黒田武専務理事

  • 次回開催について
      期日:平成14年1月25日 講演会を予定

  • 医療用漢方生薬製剤流通ビジョンの策定
      特に漢方の情報提供のあり方を踏まえて、平成13年中に取りまとめ、4月に小冊子として発行する予定。
      内容は以下の通り
      (1)医療用漢方生薬製剤の適正使用 (2)漢方に関わる情報提供のあり方 (3)アジアにおける伝統薬の現状
      (4)医療用漢方生薬製剤の流通の現状と課題 (5)漢方生薬製剤の流通ビジョン

  • 医療用製剤教育研修委員会
    委員長 亀ヶ森 純則(株式会社ツムラ)

    11月5日に委員会を開催し、「MR漢方教育研修ガイド」の原稿案を最終検討し、補正した。11月15日の理事会に上程、承認された。今後は1月下旬までに本ガイドを小冊子として印刷し、会員会社に希望部数を配布して、MR漢方教本とセットで活用いただくよう周知していただく予定である。これにより日漢協会員会社のMRにとって共通に必要なミニマムの漢方知識レベルと、それを習得するためのカリキュラムを具体的に示すことができた。

    当委員会の今後の活動テーマとして、教材の充実、安全性情報のMR教育などについて取り上げていきたい。

    広報委員会
    委員長 太宰 俊造(株式会社ツムラ)

    広報委員会における今年度の最大の課題であった「日漢協のホームページ」を9月20日に開設した。日漢協からの一方的な情報発信だけでなく、問い合わせも受け付けられる双方向性としている。その意図に沿い開設以来、漢方に関する難易取り合わせた質問が来ている。今後、生薬の紹介の頁も追加していきたいと考えている。

    日漢協ガイドの英語版については、今までの適宜出版の形態を取っていたが、国際委員会をはじめとして海外との交流も多くなり、ガイド英語版の使用頻度も増えてきている状況を鑑みて、今後は毎年発行することとした。総会後の会員名簿の見直しも終了し、1月中に出版の予定。

    4月に「漢方市民公開講座」を東京で開催すべく、準備作業に入った。今までは漢方一般に対する講演を専門の先生に行っていただいたが、次回はテーマを絞った形で実施する方向で検討を進めている。