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日漢協 ニューズレター 54号

(第18巻 第3号) 2002年1月

生薬学教室を訪ねて[28]  天然資源から副作用のない薬を創る

武庫川女子大学薬学部生薬学研究室  石黒 京子 助教授
心やさしい薬剤師の育成
真・善・美の調和を目指す武庫川女子大学の歴史は、昭和14年(1939年)公江喜市郎氏により武庫川湖畔に創設された武庫川学院に遡ります。第二次世界大戦を経て、同24年武庫川学院女子大学が開学され、同33年に現在の武庫川女子大学に改称されました。
現在、文学部、生活環境学部、音楽学部、薬学部の4つの学部と短期大学、大学院・専攻科を合わせて1万人の学生を擁し、わが国で最も大きな女子総合大学として確たる地位を築いています。
文学部、生活環境学部、音楽学部、短期大学が集まるキャンパスに対し、薬学部のあるキャンパスは浜甲子園キャンパスと呼ばれ、付近には高校野球のメッカ、そして、プロ野球阪神タイガースのホームグランド・甲子園球場があります。
薬学部の発足は昭和37年(1962年)、本年は40周年にあたります。薬学科、生物薬学科から成り心やさしい薬剤師の育成を目標に掲げています。

アレルギー疾患に悩む人々への貢献を願って
薬学部創設と共に発足した生薬学研究室は幾多の変遷を経ています。まず昭和42年(1967年)、当時の担当教授が新設の植物化学に移籍後、生薬系は二つの研究室として存在し、有機化学、天然物化学の全盛期を迎えています。その後、基礎系の研究室の統廃合により、平成8年(1996年)に植物化学が、同12年に薬用資源学が生薬学に統一され、今日に至っています。
現在、同研究室は植物化学から移籍された石黒京子助教授を中心に、八木照世助手、奥尚枝助手、上田淑未助手、大学院生1名、4年生8名の13名で構成されています。
研究テーマは3系統にわかれています。一つ目が生理活性成分を天然資源より取り出し、副作用の少ない薬を創ることを目的とした研究で、これまで瀉下や抗菌活性物質を明らかにしています。近年はアレルギーとその痒みを抑制する物質の探索を目的としたアッセイ法を独自に開発、その方法を用いて天然資源より活性物質をスクリーニングしています。
さらに、活性のメカニズムについても研究しており、この中からスクリーニングしたホウセンカの白色花弁の抗アレルギー成分は、アレルギーを抑制するだけでなく、脱顆粒剤で惹起した痒みやアトピー性様皮膚炎モデルマウスの痒みも抑えています。
現在はツリフネソウのアレルギー予防効果の研究に取り組んでいます。
二つ目が天然薬物の開発につながる基礎研究として、植物の細胞や器官(根など)をフラスコ中で培養する技術(植物組織培養)を応用した研究を行っています。
三つ目がアセチル化フラボノイドの瀉下活性発現レセプター機能の解明です。
アレルギー疾患に悩む人々に貢献したいとの願いをこめ、以上の研究に日々勤しんでいます。