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日漢協 ニューズレター 55号

(第19巻 第1号)2002年6月

新年度を迎えて  漢方の新しい展開21 −平成14年度最重点テーマ決定−

日本漢方生薬製剤協会 会長
風間 八左衛門
新年度を迎えまして、ひとことご挨拶を申し上げます。医療用医薬品は4月から新薬価体系に移行し、2年に一度の薬価改定が実施されました。当業界は平均で5.2%の引き下げであり、 医薬品業界全体の6.3%よりは小幅でありましたものの、新漢方の開発に高い壁がある現状を考えますと、かなり厳しい改定であったと言えます。また一般用医薬品につきましては、 セルフメディケーションの意識が高まっているといわれながらも、市場は伸び悩み状態が続いている状況であります。

健康保険制度が財政危機に直面している中で、当協会は、医療用漢方製剤および一般用漢方製剤の使用による有効適切な治療を提案することにより、より良い医療が行われるように 活動を続けていかなければならないと考えています。

さて、当協会では昨年5月に「漢方の新しい展開21」をとりまとめ、発表いたしました。その骨子は、3つのE(Evidence、Education、Expansion)を確実に実行することにより、漢方生薬製剤を21世紀の医療に定着させ、 国民の健康に貢献していこうというものです。その具体的な実行計画に関しましては、この3月に平成14年度の最重点テーマ6項目ならびに重点テーマ7項目を決定しました。 最重点テーマは、第一に「エビデンスの集積による漢方EBMの確立」であります。日本東洋医学会が論文を抽出し、その分類および評価を日本東洋医学会に行っていただくものです。 第二は「原料生薬の安定確保」であります。原料生薬は、中国や東南アジアから輸入されるものが約八割を占め、これらの地域においては砂漠化対策などの環境保護を迫られている所もあります。 品質の安定を保たせながら、薬用植物の現地での栽培化を研究していこうというものです。第三は「薬剤経済学の観点からの漢方製剤の評価」であります。 医療経済学を扱う第三者機関とタイアップして実施することを考えております。第四は「一般用漢方製剤210処方の見直し」であります。 210処方の問題点の抽出とその整理をさらに踏み込んで行っていきます。第五は「一般用漢方製剤の市販後調査体制の構築」であります。くすり相談事例集の充実を図り、改訂版の作成などを 企画しています。第六は「PMSに関するMR教育の充実」であります。PMS知識の再確認と、改定された制度の理解と、その運用の徹底を考えております。

これらのテーマを確実に実施することにより、漢方生薬製剤のより一層の定着を実現し、生命関連企業および団体として社会的責任を果たせるよう、努力を続けてまいりましょう。

漢方生薬製剤の市場は、平成4年をピークに低下の一途を辿ってまいりましたが、ようやく底を打ち、前年対比を見ますと伸びが見え始めています。これは皆様と一緒に進めてきた、医療関係者はもちろん、一般のかたがたへの漢方生薬製剤に関する正しい知識の普及活動が功を奏してきたものと思っています。

引き続き会員の皆様のご協力をお願いいたしまして、私の挨拶とさせていただきます。


(株式会社ツムラ 社長)