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日漢協 ニューズレター 55号

(第19巻 第1号)2002年6月

日漢協専門委員会 活動状況報告


総務委員会
委員長 石橋 紀夫(株式会社ツムラ)

総務委員会では平成14年度の事業計画案を策定した。また同時に、平成14年度の収支予算案を策定し、両案を3月14日の理事会に提出した。

事業計画の大きなポイントは、「漢方の新しい展開21」に盛り込まれている内容から、最重点6テーマ及び重点7テーマを選び出したことである。日漢協としては今年度以後各委員会でこれらのテーマにいかに強力に取り組み、どのような実りのある成果を生み出せるかが重要と考えている。また、委員長会議も従来の方式を多少変え、より具体的な議論が尽くせるような会議様式に変えつつある。

平成14年度予算については会費の改定を行うことにより、より健全な協会運営が図られる方向に向かいつつあると思われる。また、わずかであるが委員会費に手厚く予算付けを行ったつもりであり、より活発な委員会活動を期待している。

平成15年5月の当協会創立20周年記念式典は、会場もほぼ決定になり、あとはどのような内容で行うのか会員の皆様方からのご意見も伺いたいと考えている。

国際委員会
委員長 藤原 哲夫(株式会社ツムラ)

平成13年12月12日、中国・「医薬品立法、規範化管理、製薬市場」交流視察団が協会事務所を来訪。

先方は国家中医薬管理局の人政司副司長を筆頭とする中央主管部門および全国各地の主管部門の中堅幹部から成る総勢21名の訪日団で、当日は通訳を介して日漢協の組織と活動目的を紹介した後、日本の漢方・生薬製剤の生産動態の推移を説明し、約2時間、質疑を交え活発な意見交換を行った。訪日団は特に中国医学と日本漢方の差違、日本漢方の近年の急激な隆盛の理由等に強い関心を示した。

今年は5月26日から5日間、日本で18年ぶりに国際内科学会議(京都市)が開催される。この国際会議ではこれまでにも増して東洋医学セッションの充実が目立ち、アジアはもとより欧米各国の伝統医学、生薬治療との学術交流が期待されている。国際委員会としても、今年は特に欧米の伝統医学(代替医学)の現状を知るための機会を可能な限り企画していきたいと考えているが、この機をとらえ、来日する欧米のherbal medicineの研究者からそれぞれの生薬療法の現状を聴けるような場を設けることを計画している。

これまでFDAの植物薬ガイダンス勉強会を2回実施しているが、FDAからFinal Guidanceが公表され次第、「第3回植物薬ガイダンス勉強会」を実施したい。

企画委員会
委員長 徳岡 康男(小太郎漢方製薬株式会社)

■講演会の開催
(1) 11月15日、大阪薬業クラブにおいて「中央アジアとベトナムの薬用資源」と題し、京都大学大学院本多義昭教授に講演していただいた。中央アジア地域におけるカンゾウ、マオウ、ベトナムでのケイヒなどの資源、品質について詳細に説明があり、漢方・生薬製剤に使用する薬用資源の安定的確保のために有益な講演であった。
(2) 12月17日、大阪薬業クラブにおいて、大阪府健康福祉部薬務課の協力を得て、大阪生薬協会との共催で「ウシ等由来物を原料として製造される医薬品等の品質及び安全性確保の強化について」と題し、薬事講習会を開催した。担当官より、ゼラチン、ゴオウ、ジャコウなどを原料として製造される医薬品に関する通知等の開設と申請手続について詳細に説明をいただいた。
(3) 1月17日、KKR HOTEL TOKYOにおいて「医薬品の研究開発振興行政をめぐる諸問題について」と題し、厚生労働省医政局遠藤明研究開発振興課長より、研究開発振興施策・課題(ミレニアムプロジェクト、14年度新規施策、治験の推進、薬用植物への取組など)につき、詳細に講演していただいた。

■生産動態資料の作成
平成12年「薬事工業生産動態統計年報」より、漢方製剤等の生産金額、漢方製剤等の年次別生産金額の推移・グラフ等の資料及び繁用生薬の生産・輸入金額の資料を作成し会員各社に配布した。

技術委員会
委員長 佐々木 博(株式会社ツムラ)

新規局方収載生薬として、局方調査会・生薬等委員会でカンキョウ、インヨウカクおよび減毒ブシが追加検討されることになった。

試験法検討班では、カンキョウおよび減毒ブシについて調査を行い、また意見・要望等をとりまとめ生薬等委員会に報告した。

「生薬および漢方・生薬製剤のアリストロキア酸に関する自主基準」(平成12年7月)がせいていされてから、1年8ヶ月が経過した。厚生労働省安全対策課への第1回報告(同年12月)以降の各社での試験結果をとりまとめ、4月2日に第2回目の報告を行った。生薬の微生物限度試験法が局方収載されたことを受け、不純物試験法検討班では、数種生薬を選び、殺滅菌法と品質変化について検討中である。

GMP検討班および生薬検討班では、『生薬管理責任者のためのハンドブック』(第2部、23生薬を掲載予定)を作成中である。

2月に日薬連ワシントン条約関係委員会が開催され、本年秋チリで開催されるワシントン条約締約国会議への対応などが議論された。

「ミャンマー代替薬用植物プロジェクト」からの依頼で、研究者の参画、現地派遣、薬用植物種苗の提供などを行った。また、2月末にこのプロジェクトに関するシンポジウムが東京で開催された。

本年3月、北京において「日中韓局方調和会議」および“FHH(Forum for Harmonization of Herbal Medicines)”が開催された。日漢協からも代表者が参加した。

薬制委員会
委員長 山下 明(カネボウ薬品株式会社)

日薬連薬制委員会の活動に参加し、漢方製剤・生薬製剤に関連する意見反映に努めると共に、「漢方の新しい展開21」への取組を開始した。

1. 薬事法改正
  • 12月28日、日薬連会長より「薬事制度の見直しについて(要望書)」を当局へ提出。
  • 1月7日、日薬連薬事法改正プロジェクトより「薬事制度見直しに関するお願い」を当局へ提出。
  • 1月30日、自民党医療基本問題調査会薬事行政のあり方検討小委員会に当局より説明。
  • 2月13日、自民党が業界3団体の意見聴取。日薬連が意見を述べた。
  • 法案提出後の3月19日、22日、日薬連主催で当局より説明がなされた。
  • 厚生労働省は4月5日に薬事法の改正法案を国会へ提出した。

    2. 医薬品の添加物全成分表示
  • 添加物全成分表示のQ&A、記載指定成分、記載名称の記載の指針、添加物の記載名称について日薬連
      薬制委員会で検討した。3月13日の日薬連評議員会にて了承された。
  • 3月19日と22日に大阪と東京において日薬連主催で説明会を開催した。
  • 実施開始は、平成14年4月からとなる。

    3. 規制緩和関連
  • 日薬連規制緩和検討委員会は平成14年度の規制緩和の要望と平成13年規制緩和要望について
      意見交換を行った。
  • 8項目を取りまとめ、当局に2月5日付けで提出した。

    4. プソイドエフェドリン
  • 鼻炎用薬の承認基準にプソイドエフェドリンを追加する件が、1月28日の専門者協議で検討された。
  • 原薬のプソイドエフェドリンを局外規に収載する案が2月12日医薬審第0212001号で示された。

    5. ヒト・動物由来医薬品関連
  • ヒト・動物由来医薬品のQ&Aについて、日薬連のPJとして検討した。2月5日日薬連発第85号として
      取りまとめた。
  • 2月26日付で医薬審発第0226001号が出され、3月末までに一変をするよう求めている。

    6. 漢方の新しい展開21
  • 3つのワーキンググループを設置することとして2月25日に第一回会合を持った。
  • テーマは、「現行医療用漢方製剤の改良」「一般用漢方製剤の開発」「生薬・生薬製剤の開発」であり、
      薬制委員会として「しくみ」の面からの検討を行なう予定である。

    7. 消費者対応部会
  • 1月23日の日薬連・消費者対応部会の連絡と今後の活動として、一般用製剤委員会のPMS小委員会と
      合同で漢方相談事例集第2版を作成することを提案し、了承された。

  • 再評価委員会
    委員長 市尾 義昌(株式会社ツムラ)

    厚生労働省ならびに審査センターとの情報交換は継続して実施中であるが、その後も漢方再評価に関する大きな動きは見られていない。

    小柴胡湯「感冒」では、監査委員会社による試験経費使用実績等の監査が終了し、日薬連から参加各社への分担金請求も昨年度末までに完了した。また、「臨床と研究」78巻12号(平成13年12月発行)へ論文が掲載され、審査センターへの資料提出も終了した。

    白虎加人参湯「薬剤性口渇」においても現在、資料提出に向けたデータ整理作業を実施中であり、黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」では、キーオープンに向けた準備作業が進められている。現行8品目の再評価試験テーマのうち行政当局への資料提出作業を残しているのは、この白虎加人参湯「薬剤性口渇」と黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」の2テーマのみとなった。

    再評価委員会では「漢方の新しい展開21」の具体的実行計画として、再評価試験データの取りまとめから行政への資料提出に至る作業を鋭意実施中である。

    医療用製剤委員会
    委員長 酒井 博(株式会社ツムラ)

    当委員会としては、提言「漢方の新しい展開21」の当委員会関連テーマの具体的実行計画を検討中である。以下に各小委員会の活動状況を報告する。

    薬価基準研究小委員会では、医療制度改革論議の動向について情報提供した。医療制度改革については、サラリーマンの医療費自己負担率3割への引き上げには来年4月実施で決着を見た。また、平成14年度の薬価改定が3月11日、診療報酬改定が3月8日に告示された。

    診療報酬改定については史上初の引き下げとなり、205円ルールの見直し、薬剤投与期間の制限の原則廃止、後発品の使用促進策等、業界への影響が大きく懸念される改定となった。

    薬価改定については、漢方製剤は、先発品・後発品分類が出来ないとして特別追加引き下げの対象外となり、5.2%の引き下げとなった。

    安全性対策小委員会では、芍薬甘草湯の「使用上の注意」の改訂の医薬安指示が3月27日付で発出された。内容は「用法及び容量に関連する使用上の注意」、「重大な副作用(うっ血性心不全、心室細動、心室頻拍)」及び「慎重投与」(自主改訂)である。また、日漢協のホームページに掲載する「漢方薬の安全性に関するQ&A」について作成、検討を行っている。

    有用性評価研究小委員会では、「公募型研究の推進」につき、平成15年度実施に向けて、実施要領等の検討を行っている。また、漢方のEBM確立に向け、漢方薬の有用性評価法等について検討している。その一環として、日本東洋医学会に設置されたEBM委員会に対し、既存臨床文献情報の整理を行い、情報提供する等、当小委員会としても可能な限り協力していくと共に、今後とも連携をとりつつ対応していく。

    一般用製剤委員会
    委員長 巽 義男(カネボウ薬品株式会社)

    1. PMS小委員会
    (1)使用上の注意改訂
    医療用芍薬甘草湯の心臓関係の副作用報告による使用上の注意改訂に伴い、一般用芍薬甘草湯製剤についても3月27日付安全対策課事務連絡により改訂することとされた。 改定内容は、「してはいけないこと」欄に「次の人は服用しないこと 次の診断を受けた人 心臓病」を追記し、「短期間の服用にとどめ、連用しないこと」を「症状のあるときのみの服用にとどめ、連用しないこと」に変更し、 「相談すること」欄の「次の診断を受けた人 心臓病」を削除し、重篤な症状の表中に「うっ血性心不全、心室頻拍:全身のだるさ、動悸、息切れ、胸部の不快感、胸が痛む、めまい、失神等があらわれる」を追記することとされた。
    (2)一般用漢方生薬製剤相談事例集Q&A改訂版の検討
    昨年発刊した「一般用漢方生薬製剤相談事例Q&A」の改訂版の検討を開始することとした。前回と同様に、薬制委員会消費者対応部会と共同で検討する予定。

    2. 処方小委員会(一般用210処方の整備)
    平成14年度事業計画の最重点テーマの一つである「一般漢方製剤210処方の見直し」について検討を開始するため委員を新規に募集し、活動を再開することとした。
    検討事項は「一般用漢方210処方 処方小委員会検討レポート(改訂版)」の内容分類、問題点の抽出、整備内容の検討等である。特に、効能・効果における「証」の見直し、適応症の追加・訂正などにつき分類のうえ、 210処方の整備の方向性を検討の予定。

    3. 一般用漢方製剤使用上の注意改訂ワーキンググループ(WG)
    WG融資による(株)じほう依頼の「一般用漢方製剤使用上の注意−解説−」改訂版原稿依頼は終了し、平成14年4月15日付にて改訂版が発行された。

    医療用製剤流通適正化委員会
    委員長 三浦 治(カネボウ薬品株式会社)

  • 流通適正化委員会を平成14年2月18日に開催した。内容は下記のとおり。
      医療用漢方・生薬製剤の流通ビジョンについての概要報告
      講演会「より一層の医療貢献を目指した医薬品情報提供のあり方
      −くすりの情報発信基地としての製薬企業の役割−」
      講師:協和発酵工業株式会社医薬情報管理本部理事 傳 浩一先生

  • 次回開催について
      日程:平成14年4月25日

  • 議題:医療用漢方・生薬製剤の流通ビジョン概要報告及び意見交換
      製薬協プロモーションコードのアンケート調査結果についての報告
      上記流通ビジョンについては、5月の理事会に報告、承認を得た上、冊子として取りまとめ、会員各社に
      配布後、勉強会を行う予定。

  • 医療用製剤教育研修委員会
    委員長 亀ヶ森 純則(株式会社ツムラ)

    ■MR漢方教育研修ガイドの発行
    MR漢方教育研修ガイドを小冊子として発行し、3月下旬に会員各社へ送付した。日漢協会員会社MRに共通して必要と思われる漢方生薬の基礎知識レベルをカリキュラムとして示したもので、MRの資質向上に活用されることを期待する。
    また、本件につき、日漢協の活動として、対外的に広報委員会を通じて、一般紙ならびに業界専門誌にPRし、記事として取りあげられた。

    ■PMS(安全性情報)に関するMR教育の充実
    標記の件につき、今後の当委員会の活動のメインテーマとして、会員会社のMR活動に役立つ参考資料を企画すべく3月6日に委員会を開催し、PMS(安全性情報)の内容について検討した。今後は関係する委員会と連携しながら、具体的に進めていきたい。

    広報委員会
    委員長 太宰 俊造(株式会社ツムラ)

    薬事日報社より「漢方の新しい展開21」に関して菊谷豊彦先生と委員長との対談特集記事の申し入れがあり、総務委員長、医療用製剤委員長、一般用製剤委員長と広報委員長で対応した。「漢方の新しい展開21」の実行計画、主要テーマの進め方などについての討論を行い、4月19日号に大きく掲載された。

    4月23日に東京・四谷区民ホールで「身近な漢方−女の更年期、男の更年期−」と題して第5回市民公開漢方セミナーを開催した。講演は日本大学医学部付属板橋病院東洋医学科の木下優子先生に行っていただいた。薬420名の一般市民の方が集まり、木下先生の講演を熱心に聞いていた。

    医療用製剤教育研修委員会が作成し、会員会社へ配布した「MR漢方教育研修ガイド」について、その趣旨、内容などを一般紙・業界紙に発表し、数紙で掲載された。

    来年の日漢協設立20年を記念する「20年史」の発行を総務委員会より委託され、装丁、目録などの検討を行った。