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日漢協 ニューズレター 56号

(第19巻 第2号)2002年9月

日漢協専門委員会 活動状況報告


総務委員会
委員長 石橋 紀夫(株式会社ツムラ)

平成15年の当協会創立20周年記念行事迄余すところ10ヶ月となった。日時、会場、予算等は概ね決定したが、記念事業については、20年史の発刊以外は具体的な内容はこれからつめる事にしている。20年の節目の年でもあり、無いよう豊かな記念事業を実現すべく会員の皆様からのご意見も頂戴し実施したいと思っている。

総務委員会としては、薬剤経済学に関する研究を外部機関に委嘱し、実行していただくべく検討に入っている。但し、本件急は非常に難しい面があり、どのような機関に委嘱するか、またその内容はどのようなものにするか等、今後つめなければならない問題が山積みしており、他の委員会の協力も得てぜひとも実現したいと考えている。

また、「漢方の新しい展開21」に謳われた環境問題に関しては会員会社に対してのアンケートを実施し、それらをベースに検討を行う予定である。

国際委員会
委員長 藤原 哲夫(株式会社ツムラ)

平成14年7月15日、中国四川省訪日代表団が協会事務所を来訪。先方は四川省人民政府副省長を筆頭とする政府関係者、視線大学薬学院長、製薬会社副総裁を中心とする総勢9名の方々で、当日は事務局・国際委員会・技術委員会が対応し、通訳を介して漢方薬発展の政策に関する活発な意見交換を行った。訪日段の今回の目的は日本の産・官・学から得た情報を省の発展に生かすことと、11月に四川省で開催する「漢方薬現代化国際フォーラム」の内容紹介が主であった。続いて7月30日には台湾からの訪日団を迎え、事務局とともに同様に対応した。

台湾訪日団は特に日漢協の組織運営や厚生労働省との折衝の仕方に強い関心を持っていたが、主な目的は日本から見た漢方生薬製剤の輸入に関する手続き等についての情報収集であり、それについての資料の提示と適切な説明を行った。期待されたものは提供し得たと考えている。

最後に、5月27日に京都で開催した国際委員会講演会「EUにおける植物薬療法の現状:(講師:ドイツBfArM生薬部長Dr.ケラー)は非常に盛況で参加者は内外合わせて25名であった。内容が充実していたので、質疑部分も含めて翻訳し冊子として会員各社および国際委員会全委員に配布した。

企画委員会
委員長 徳岡 康男(小太郎漢方製薬株式会社)

■講演会の開催
(1) 3月14日、当協会議室において、「医療制度改革とその影響」と題し、日本薬剤師会常務理事 漆畑 稔 先生に、平成14年度社会保険診療報酬等の改定について講演していただいた。厳しい状況下、診療報酬改定は1.3%、調剤報酬改定は3.9%引き下げであった旨説明された。今後の課題として、定額制の拡大、病院と診療所の機能分担、特定医療費の拡大、薬剤給付率の見直し等が示された。漢方業界の今後のあり方を考える上で示唆に富むお話であった。
(2) 5月23日、KKRホテル東京において、「医療保険制度の改革と動向」と題し、厚生労働省医薬局 池谷 壮一 審査管理課長に講演していただいた。平成14年度の薬価改定は、薬価調査に基づく市場実勢価格で実施された。長期的収載品は5%引き下げなど大変厳しい改定であった。古い薬は厳しく、新しく良い薬は高い薬価にする方向にあり、新しい医薬品の開発や販売価格対策、情報提供、医薬品の安定供給等に医薬品業界は努力して欲しい。また、厚生労働省自らが医薬品産業を今どのように認識し、今後(中・長期的)どのようにしていきたいかを示した「医薬品産業ビジョン(案)」について詳細に説明をしていただいた。そのほか、環境問題、動物保護問題の観点からワシントン条約で規制されている動物・植物については、条約の一層の遵守を要望された。

技術委員会
委員長 佐々木 博(株式会社ツムラ)

14局第2追補収載生薬として、カンキョウ、インヨウカクおよび減毒加工ブシが検討されているが、局外生規や210処方配合生薬の中から、さらにガイヨウなど14生薬が候補にあげられた。減毒加工ブシについては、国立衛研関田先生を中心にワーキンググループが設置され、名称を含めて種々検討が開始された。また、15局に向けて漢方・生薬製剤の収載も議論されている。

サイシン各条にアリストロキア酸の試験法が収載される。現在、標準品などについて最後の詰めがされている。

生薬の微生物限度試験法について、『防菌防黴』誌に連載すべく、分担して原稿を執筆中である(8回連載。第1回は8月掲載予定)。

GMP検討班と生薬検討班共同で、『生薬管理責任者のためのハンドブック』(第2部)を作成中である。オンジを加えて24生薬とする。

7月11日に日薬連ワシントン条約関係委員会が開催された。本年11月、チリで開催されるワ条約第12回締約会議の予定議題、日薬連代表、配布パンフ等について議論された。

FHH(Forum for Harmonization of HerbalMedicines)の2つの小委員会が、5月と7月、東京とソウルでおのおの開催された。いずれの小委員会にも日漢協代表が参加している。 7月の日漢協理事会で、原料生薬の安定確保を主目的に「原料生薬委員会(仮称)」の設置が提案され、準備が開催された。会員各位の積極的参加をお願いしたい。

薬制委員会
委員長 巽 義男(カネボウ薬品株式会社)

薬事法改正法案は、参議院において一部修正の上、6月5日可決成立し、衆議院校正労働委員会での2回の審議の後、7月25日衆議院本会議で可決成立した。改正法は7月31日付にて官報告示された。生物由来製品並びに医師自らが行う治験関係については平成15年4月施行となった。

生物由来製品に関連して、日薬連に「生物由来医薬品等健康被害救済制度検討委員会(略称:新旧際制度委員会)」が開始された。日漢協からの委員推薦として薬制委員会から1名参加している。現行の副作用被害救済制度とは別に制度化される予定。薬事法改正に伴う関係政省令については行政・業界が一体となって内容検討中である。

今後の予定としては、政令・省令改正案の提示を経て、平成16年度初めには公布され、平成17年度には完全施行となる。

日漢協薬制委員会としては、業界受け皿の日薬連薬事法改正プロジェクトの改正作業に協力すると共に、日漢協からの意見反映や情報提供に努める予定である。

「漢方の新しい展開21」の取り組みとしてワーキンググループを3チーム編成し、「現行医療用漢方の改良」、「一般用漢方製剤の開発」、「生薬・生薬製剤の開発」をテーマとして活動している。当面はアンケート調査等により現状把握に努めるとともに関係委員会との協力のうえ、具体的施策を提言して行く予定としている。

また、一般用製剤委員会と合同でくすり相談事例集の改定検討を開始した。事例数を充実させると共に記載内容の見直しについて見当する予定である。

再評価委員会
委員長 市尾 義昌(株式会社ツムラ)

厚生労働省および審査センターとの情報交換は継続して実施中であるが、その後も漢方再評価に関する大きな動きは見られていない。黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」は、平成14年7月12日に無事キーオープンが終了した。これでまだ再評価結果通知の出ていない小柴胡湯「慢性胃炎に伴う上腹部不定愁訴」「感冒」、小青竜湯「気管支炎」、白虎加人参湯「薬剤性口渇」「アトピー性皮膚炎の熱感・口渇」、六君子湯「上部消化管機能異常」、桂枝加芍薬湯「過敏性腸症候群」、芍薬甘草湯「肝硬変のこむら返り」「月経痛」とともに指定8品目すべての追加臨床試験が終了したことになる。

行政当局への資料提出を残すのは、この黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」と白虎加人参湯「薬剤性口渇」においても資料提出の準備は順調に進められている。

平成14年9月20日には第11回再評価委員会を開催する予定であり、この2試験の成績概要および今後のとりまとめと資料提出時期などについて、また行政との情報交換の現状や分担金使用実績と監査・清算の予定時期について参加各社への報告が行われる。

再評価委員会では「簡保言うの新しい展開21」の具体的実行計画として、追加臨床試験データの取りまとめから行政への資料提出にいたる作業を鋭意実施することとしており、これからも引き続き行政当局と十分な情報交換を行っていく予定である。

医療用製剤委員会
委員長 酒井 博(株式会社ツムラ)

当委員会は、「漢方の新しい展開21」の重点テーマを中心に、各部会において精力的に活動を行っている。以下に各部会の主な活動状況を報告する。

『保険薬価研究部会』では、医療制度改革論議の国会での審議状況、動向(健康保険法等一部改正が7月26日成立。新たな高齢者医療制度の創設等医療保険制度の抜本改革を送球に進めるという付帯事項付)、および厚生労働省より公表された医薬品産業ビジョン(案)等について情勢報告を行った。

『安全性部会』では、「芍薬甘草湯」の「使用上の注意」の改定が「医療品・医療用具等安全性情報No.177」に掲載。内容は医薬案指示「重大な副作用(うっ血性心不全、心室細動、心室頻拍)」・「用法及び要領に関連する使用上の注意」、および自主改定「慎重投与」である。その他の甘草配合漢方製剤について症例調査(「心臓への影響」等)を行っている。

柴胡桂枝湯(重大な副作用「間質性肺炎」)、牛車腎気丸(重大な副作用「肝機能障害、黄疸」)、小柴胡湯加桔梗石膏(重大な副作用「肝機能障害、黄疸」):事務連絡。柴胡桂枝乾姜湯(その他の副作用「甘草」):自主改定。異常について「使用上の注意」の改定を行った。

『有用性研究部会』では、公募型研究助成事業「日本漢方生薬製剤協会研究助成」の実施要綱等の検討を行った。本件については7月18日の理事会で承認され、平成15年度実施に向けて具体的な作業に入った。

また、簡保いうのEBM確立に向け、漢方薬の有用性評価法等について見当している。その一環として、日本東洋医学会EBM委員会に対し、既存臨床文献情報の情報提供等を行った。6月17日に秋葉先生を講師に、中間報告としてまとめられた「2002年 漢方治療におけるEBM」を遠大に講演会を開催した。

一般用製剤委員会
委員長 巽 義男(カネボウ薬品株式会社)

1. PMS部会
(1) 使用上の注意の改定について
  • 医療用漢方製剤3処方の使用上の注意改定に伴い、一般用漢方製剤についても7月10日付安全対策課
      事務連絡により改定することとされた。
      [1] 柴胡桂枝湯:「相談すること」の重大な副作用に「間質性肺炎:せきを伴い、息切れ、呼吸困難、発熱等が
      あらわれる」を追記する。
      [2] 小柴胡湯加桔梗石膏・牛車腎気丸「相談すること」の重大な副作用に「肝機能障害:全身のだるさ、黄疸
      (昼や白目が黄色くなる)等があらわれる」を追記する。
      「一般用漢方生薬製剤相談事例集Q&A」改訂版の検討(薬制委員会消費者対応部会と合同)
  • 新規相談事例について5事例程度を順次検討中。

    2. 処方部会(一般用漢方210処方の整備)
    厚生労働省に設置された「一般用医薬品承認審査合理化等検討会」の中で、一般用漢方210処方の見直しが行われることになった。(「一般用医薬品のあり方についての論点」メモ:+生薬を含む伝統薬を一般用医薬品としてきちんと位置づけていくべきではないか。一般用漢方製剤は今のままでよいか。)そのワーキンググループの叩き台になる資料の提供を審査管理課担当官より要請され、処方部会を開催し、下記の項目についてまとめを作成した。

      [1] 効能・効果を証(しばり)と本症(適応症)に分け、追加・変更内容を整理
      [2] 用法・用量の追加・変更内容を整理
      [3] 追加候補処方
         一般薬日本医薬品集2002-03(JAPIC編、(株)じほう発行)の漢方製剤・その他の漢方製剤に収載の漢方
         処方で出展の明らかな処方を追加候補処方としてリストアップ・・・代表例を提示
      [4] 削除候補処方
         210処方内で承認・販売されていない処方の調査を薬制委員会と連名でアンケート調査を行い、その結果
         を削除候補処方としてリストアップ・・・今後再調査の予定

    「一般用医薬品承認審査合理化等検討会」で検討された内容は、10月ごろに最終報告としてまとめられ、本年11月開催の世界大衆薬協会総会において行政担当官より提案される予定。

  • 医療用製剤流通適正化委員会
    委員長 三浦 治(カネボウ薬品株式会社)

    ■ 活動状況  平成14年4月26日

  • 医療用漢方・生薬製剤流通ビジョンの概要報告
  • 製薬協プロモーションコードのアンケート調査


    ■ 結果報告  平成14年7月26日

  • 医療用漢方・生薬製剤流通ビジョンの見直し
  • 製薬協2002年医療用医薬品流通ビジョンの解説
  • 医療用医薬品の流通適正化の一層の推進について

  • 医療用製剤教育研修委員会
    委員長 亀ヶ森 純則(株式会社ツムラ)

    PMSに関するMR教育の充実を図るため、「日漢協MRPMSハンドブック(仮称)」の企画編集を推進している。委員会メンバーで分担執筆を行い、それらを持ちより現行内容の詳細について、検討を8月1日に行った。修正した現行を安全性委員会など関連委員会でも審議していただくよう依頼する予定である。9月26日に次回委員会を開催し、原稿案を仕上げ、15年1月を目標にハンドブックを発行したく考えている。

    ■分担執筆 テーマと委員
    1. PMSの基礎知識:カネボウ
    2. 漢方製剤の添付文書:大杉製薬、剤盛堂薬品
    3. 漢方製剤、生薬の副作用:ツムラ、伸和製薬

    広報委員会
    委員長 太宰 俊造(株式会社ツムラ)

    中国から個人輸入され、各地で健康被害を発生させた健康食品を、漢方と混同させるような一部報道が見られたため、それらに対して厳重なる抗議を行うと共に漢方の新しい解釈の記事掲載を全国紙に働きかけた。その結果毎日新聞、産経新聞、日経産業新聞、日本経済新聞において、漢方の正しい理解を進める記事が掲載された。

    4月に開催した市民公開漢方セミナーの内容を、小冊子にまとめると共に、ホームページに動画として掲載した。ホームページへの掲載に際しては、公演内容をいくつかのテーマに区切り、それぞれを3分から4分程度にまとめ、見る人が退屈しないように工夫を凝らした。

    ホームページに、技術委員会と協力して新たに「生薬の解説」なるページを設けた。その他の新規ページとして、安全性部会の協力を得て、漢方の安全性についての内容を掲載すべく調整中である。

    日漢協20年史の具体的な企画・編集作業に着手し、一部内容については原稿の執筆要請を行った。また、「漢方の新しい展開21」の具体的な取り組みを紹介するとともに研究助成のページを作成し、ホームページからも申し込みができるようにした。