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日漢協 ニューズレター 57号

(第19巻 第3号)2003年1月

新年のご挨拶  国民の生命と健康を担当する者として医療行政の推進に一層努力

厚生労働省医薬局長
小島 比登志
新年明けましておめでとうございます。

昨年は薬事法及び採血及び供血あっせん業取締法の改正や独立行政法人医薬品医療機器総合機構法の成立、クロイツフェルト・ヤコブ病訴訟における和解の成立など、医薬今日にとりましても例年にも増して重要な一年でありました。

本年も、国民の生命と健康に直接かかわる医薬行政を担当する者として、その使命と責任の重さを改めて実感するとともに、国民の皆様のご期待に沿えるように、医療行政の推進に一層努力していきたいと決意を新たにしております。

近年、国民の健康に対する意識の高まりを背景に、医薬品・医療機器等の安全性や有効性に対する国民の関心はますます大きなものとなっております。同時に、急速な少子高齢化、科学技術の進歩、国際化の進展など医療行政を取り巻く環境も大きく変化しております。医薬局といたしましては、こうした変化に迅速かつ適切に対応しつつ、各種施策に全力で取り組んでいるところであります。
薬事法、採血及び供血あっせん業取締法について
具体的には、まず、薬事法及び採血及び供血あっせん業取締法の一部を改正する法律が先の通常国会において可決・成立し、昨年7月31日に交付されました。

これにより、薬事法については、医療機器に係る安全対策の抜本的な見直し、「バイオやゲノムの世紀」に対応した安全確保対策の充実、市販後安全対策の充実と製造承認制度の見直し等の措置が講じられたところでございます。

また、採決及び供血あっせん業取締法については、目的、基本理念及び関係者の責務の明確化、献血推進と血液製剤の安定的供給等の措置が講じられたところでございます。
医療品医療機器総合機構について
さらに、改正薬事法の実施体制を整備し、より優れた製品をより早く、より安全に国民に提供するという課題に十分に応えていくために、新たに独立行政法人医療品医療機器総合機構を設立する法律が先の臨時国会において可決・成立し、昨年12月20日に公布されたところでございます。

行政薬事法において、生物由来製品の指定あるいはその安全対策というものが確立されたことを踏まえ、従来より検討してまいりました生物由来製品に係る感染等被害救済制度が新たに創設され、従来の副作用被害救済業務とともに新法人において行うこととしております。また、審査、安全対策、研究開発振興の業務についても、着実に実施されるよう平成16年4月の設立に向け努力してまいりました。
一般用医薬品について
一般用医薬品のあり方等に関しましては、平成14年11月8日に、一般用医薬品承認審査合理化等検討会において中間報告書をとりまとめていただいたところでありますが、それを踏まえ、セルフメディケーションの一環としての一般用医薬品の適正使用及び市販後安全対策等の一層の推進に取り組んでいきたいと考えております。
薬物乱用防止策について
薬物乱用防止策につきましては、近年、幻覚症状が現れるキノコ(いわゆるマジックマッシュルーム)が、若者の間で売買され、乱用されるケースが増え、社会問題化しておりました。この幻覚性キノコの摂取による保健衛生上の危害を防止する目的から、麻薬成分であるサイロシビンやサイロシン並びにこれらの塩類を含むキノコ類を麻薬原料植物として指定することとし、その栽培、所持、使用等を禁止する等の措置を講じたところでございます。
医薬分業、薬剤師要請について
医薬分業については順調に進展してきており、今後は、地域の事情に応じた計画的推進を図るとともに、国民がメリットを実感できるような質の高い分業を進めていくため、理想的な薬局増や薬局機能を評価する仕組みの導入に向けた検討を行うこととしております。

また、薬剤師養成に係る諸問題に関しましては、平成8年より、「薬剤師養成問題懇談会」において、関係者間で検討が行われてきたところですが、薬剤師国家試験の受験資格要件につきましては、平成14年6月より「薬剤師問題検討会」において検討しているところでございます。今後とも、修業年限の見直しを含め、薬剤師養成のあり方に関して関係者の間で早期に合意が得られるように引き続き努力してまいります。
価格物質の審査、規制制度について
さらに、価格物質の審査、規制制度に関しましては、国際的に政策協調や協力が進められているところであり、そのような動向を踏まえ、わが国におきましても人の健康に対する長期毒性のある化学物質を審査及び規制の対象とするとともに、現行の制度についても更に効果的かつ効率的な制度とするべく、関係者とも協力して、法改正も見据えた所要の措置を検討してまいりたいと考えております。

このように、医薬局は多くの課題を抱えておりますが、本年もこれらの課題一つ一つに全力で取り組む決意でございます。

尾張に、医薬行政に対する皆様の一層のご支援、ご協力をお願いいたしますとともに、皆様方のますますのご発展とご多幸をお祈りいたしまして、新年の挨拶とさせていただきます。