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日漢協 ニューズレター 57号

(第19巻 第3号)2003年1月

日漢協専門委員会 活動状況報告


総務委員会
委員長 石橋 紀夫(株式会社ツムラ)

総務委員会としては今年5月にせまった、創立20周年記念行事の準備に本格的に入ろうとしているところで、各種行事について検討を重ねているところである。総務委員会としても不慣れな典も多く、会員皆様からのご指導頂きたいと思っている。

薬剤経済学の視点からの漢方製剤の評価については、外部機関に研究委託を考えているが、委託先として一件候補があり、この期間について、今後研究を委託するか否かについても当委員会を中心に検討に入っているところである。

「漢方の新しい展開21」で歌われた環境問題について、総務委員会では会員各社に環境保全に関するアンケートを行ったが、回答会社が35社であり総務委員会ではあくまで参考数字、参考回答としてとどめておきたいと考えている。

当協会の上期の収支であるが、収入は年間予算に対し57%であった。支出については管理費が年間予算の46%、事業費が37%であり順当に推移しているものと思われる。

国際委員会
委員長 藤原 哲夫(株式会社ツムラ)

平成14年度上期活動内容の概括と下期方針の大要を討議確認のため10月3日、国際委員会を開催した。決議事項としては、米国・中国・台湾・韓国各国の規約及び市場動向等に関する現状調査を行うこと、その結果に基づいて来年度以降に必要とされる調査団派遣を検討し、2003年2月までに最終方針を決定することとした。

また、韓医学の現状に関する韓医師による講演会を企画し、方針に沿って人選した結果、2月14日に韓国慶煕大学第2内科学?湖教授の講演が決定した(公園場所・時間・演題等の詳細は別途案内)。

ドイツ医薬品医療器具連邦研究所(BfArM:日本の厚労省審査センターに相当する行政機関)理事兼教授のケラー博士が会員会社ツムラの茨木工場を見学された。

ケラー博士には昨年5月、京都において国際委員会主催の講演会講師をして頂いた経緯があり(既報:現在のヨーロッパにおける植物製剤の現状説明と、EUのレギュレーションの解説が中心)、その縁から昨年11月の第14回WSMI東京大会の演者として来日するに際し、事前に慶応大学東洋医学講座・渡辺助教授を通して漢方生薬工場を見学したい旨を打診され、11月13日の工場見学が実現した。

ケラー博士の主たる関心は中国の植物製剤と比較した日本の漢方製剤の品質と安全性、安定性、規格管理の手法等にあり、建学終了後、日本の水準はEU基準にも合致しうるとの感想があった。

企画委員会
委員長 徳岡 康雄(小太郎漢方製薬株式会社)

■講演会の開催

(1) 平成14年7月18日、日漢協会議室において「薬事法改正に係る諸問題」と題し、厚労省医薬局審査管理課池谷壮一課長に講演して頂いた。
池谷課長は国会へ提出中の「改正薬事法(7月31日に公布)」は、医療機器に係る安全対策の抜本的な見直し、生物由来製品等の安全確保対策の充実、市販後安全対策の充実と承認許可制度の見直し等にあると説明された。「より安全」で「より有効」な製品を「より早く」承認できる審査態勢の見直し、「新独立行政法人の設立」をも示された。
また、一般用医薬品の振興として審査合理化検討会の状況、漢方製剤における科学的根拠に基づいたデータの必要性についても述べられ、今後のかんぽう・生薬業界のあり方を考える上で示唆に富む内容であった。

(2) 平成14年9月19日、日漢協会議室において「医療安全対策−医療現場からの提言−」と題し、日本薬剤師会井上章治常務理事に講演していただいた。
井上先生は厚労省の医療安全対策検討会議の委員で、会議は医療事故を未然に防止するにはどのような対策を講じるべきかという観点から検討を行ったもので、医療事故の7割は薬に関連するものであると言われており、医療事故をゼロにするという基本姿勢のもとに、医療システム全体の安全対策が必要と強調された。
医薬品等に係る安全性向上としては、製品開発段階で実際に使用に供されたときの取り違えや誤使用のリスク(販売名、規格単位等による)を想定し、それらを極力軽減させる設計や製品開発、取り違え、誤使用等のリスクを回避するために、医療機関や患者に対して情報を積極的に提供されたいと述べられた。

技術委員会
委員長 佐々木 博(株式会社ツムラ)

14局第2追補収載生薬の第2グループとして、約20品目の検討が開始された。日漢協は、ガイヨウ、ヘンズ、リュウガンニク、および加工ブシ(仮称)中のジエステル型アルカロイド定量法を担当している。また、15局に向けて、日局生薬の重金属およびヒ素の設定、漢方・生薬製剤の収載等が検討されている。

『防菌防黴』誌に「生薬の微生物限度試験」と題して、連載講座が本年4月号から掲載される(全8回)。

GMP部会と生薬部会の共同作業で、『生薬管理責任者のためのハンドブック』(第2部、24生薬を掲載)を刊行した。そのもととなった 「生薬座談会」については、東京生薬協会の伊東、小根山両氏の協力を得て、さらに継続中である。また、GMP部会では、第3回GMP研修会として、朝日印刷とエスエス製薬(富山)の工場見学会を1月末に実施予定である。

昨年11月、チリ・サンチャゴで開催されたワシントン条約第12回締約国会議で、タツノオトシゴ等が付属書に掲載された。

本委員会傘下にあった生薬部会が分離独立し、この1月に「生薬委員会」として正式に立ち上げられた。あわせてワシントン条約関係部会も生薬委員会の傘下に組み入れられた。会員各位の積極的参加をお願いするとともに、これまでのご支援にこの場を借りて感謝する。

薬制委員会
委員長 巽 義男(カネボウ薬品株式会社)

改正薬事法は、7月31日付にて官報告示され、生物由来製品並びに医師自らが行う治験関係については平成15年7月施行の予定である。その他の改正事項については、平成17年4月施行に向けて順次検討されている。

生物由来製品は薬事・食品衛生審議会臨時特別部会で各製品の指定について検討中である。平成15年1月初めには指定案が公表される見込みである。その他の改正事項については、行政東京において政省令案を検討中であり、平成15年1月にはパブリックコメント募集のため公表される予定と成っている。その後、寄せられた意見・要望につき見当の上、3月末ごろには告示されることとなる。

今回の薬事法改正に関して、日漢協として会長名で医薬局長に11月22日付にて要望書を提出した。要望事項は、製造販売業に関して3件、製造業に関して1件、その他1件の合計5件である。

「漢方の新しい展開21」の取り組みとしてワーキンググループを3チーム編成し、「現行医療用漢方の改良、「一般用漢方製剤の開発」、「生薬・生薬製剤の開発」をテーマとして活動している。

一般用漢方製剤の開発に関しては、アンケート調査結果内容を検討のうえ、薬制委員会における今後の方向付けを探っていく予定。一般用生薬製剤については、「いパン用医薬品承認審査合理化等検討会での中間報告書の「生薬製剤の評価」に示された内容に沿って他団体とも協力のうえ具体的な活動を進める予定である。

医療用漢方製剤の改良については医療用製剤委員会・技術委員会と共同で検討課題につき、ていげんとして 取りまとめるため検討班会議を開催している。

また、一般用製剤委員会と合同で消費者対応部会がくすり相談事例集の改訂版について見当している。

再評価委員会
委員長 市尾 義昌(株式会社ツムラ)

白虎加人参湯「薬剤性口渇」の総括報告書がまとまり、平成14年12月3日に審査センターへの資料提出が完了した。

これで当局への資料提出を残すのは黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」のみとなったが、現在追加解析とともに論文投稿に向けた準備が進められている。なお資料提出は平成15年4月ごろの見込みである。

白虎加人参湯「薬剤性口渇」について、カネボウ株式会社および帝國漢方製薬株式会社の監査委員会2社による分担金使用実績の監査が平成15年2月に予定されている。

また当局の医薬品再評価の担当交代に伴い、審査センター担当官より過去に提出したすべての資料の提出依頼があり、白虎加人参湯「薬剤性口渇」の資料を提出した。同じく平成14年12月3日に再度資料の提出を行った。その際、医薬品機構によるGPMSP信頼性調査が平成15年2月から3月にかけ、実施される予定である旨報告を受けた。

従って当局の審議が再開される可能性が十分にあり、再評価委員会ではこれに対応する準備をすべくワーキンググループを発足させることとし、平成14年12月19日に第一回会議を開催した。

「漢方の新しい展開21」実行計画においても、再評価試験データの取りまとめから資料提出にいたる作業を鋭意実施することとしており、今後はさらに当局との密な情報交換が必要になるものと考えられる。

医療用製剤委員会
委員長 酒井 博(株式会社ツムラ)

「漢方の新しい展開21」の重点テーマを中心に、各部会において以下の活動を行っている。また、「医療用漢方製剤改良検討班」を発足し、現行レギュレーション上対応困難な医療用漢方製剤の製剤改良や現行レギュレーション上の問題点等に対しアンケート調査の実施、解決に向けての検討を行っている。今年度中に何らかの方向付けを示す予定。

  • 保険薬価研究部会
      厚生労働省より発表された「医薬品産業ビジョン」、「平成14年度薬価制度改革の基本方針」と今後の薬価調
      査動向、坂口大臣が9月25日に発表された医療制度改革私案(保険者の再編・統合、新しい高齢者医療制
      度、診療報酬制度の見直し)、中医協の審議状況等の情勢報告を行った。

  • 安全性部会
      「カンゾウ含有医療法漢方製剤による低カリウム血症の防止と治療法」の下敷きを作成し、11月11日から会
      員各社一斉にカンゾウ含有処方納入医療機関に情報提供を開始した。
      薬事法改正等、安全性確保に関する重要性の高まりに対し、安全性対策をより一層充実させ、係る事項に迅
      速かつ効率的に対応していくことを目的とした「安全性委員会」設立準備委員会活動を行った。11月21日の理
      事会にて設置が承認された。

  • 有用性研究部会
      「公募型研究助成事業」につき、日本東洋医学雑誌、生薬学雑誌、ファルマシア等に公募案内の掲載を行っ
      たところ、多数の応募があった。
      また、漢方のEBMに関する事項として、日本東洋医学雑誌別冊に「漢方治療におけるEBM2002年中間報告」
      が掲載された。今後も既作成の「論文評価シート」の分析や追加論文への対応等引き続き日東医EBM委員
      会に協力していく。

  • 一般用製剤委員会
    委員長 巽 義男(カネボウ薬品株式会社)

    1. PMS部会
    (1) 使用上の注意改定について
    平成14年8月29日付医薬安第0829001号・医薬審第0829001号「かぜ薬等の添付文書等に記載する使用上の注意について」により、1歳未満の乳児の使用長の注意が改定された。厚労省医薬局安全対策課担当官と連絡をとり、一般用漢方製剤についてもかぜ薬等と整合性をとるため、9月20日付けで日薬連より自主申し合わせの改訂が連絡された。
    (2) 「一般用漢方生薬製剤相談事例集Q&A」改訂版の検討(薬制委員会消費者対応部会と合同)
  • 新規相談事例について順次検討中
    (3) 今後の安全性関連事項について
  • ”安全性委員会”新設に関し、医療用製剤委員会と合同で親切準備委員会を開催し準備作業を行った。
  • 「一般用漢方生薬製剤相談事例集Q&A」改定作業については、今後も一般用製剤委員会で行う予定・・・
       部会の名称変更等予定

    2. 処方部会(一般用漢方210処方の整備)
  • 今後の活動について
      追加候補処方(承認・販売されている処方で、出展の明らかな処方)について文献調査開始;各社1処方分担
       (8処方について検討レポート作成中)
  • 厚生労働省「一般用医薬品承認審査合理化等検討会」動向
      11月8日:最終検討会、「セルフメディケーションにおける一般用医薬品のあり方について」中間報告書
      了承・・・[提言内容]に”一般用漢方処方の見直し”が盛り込まれた。
      11月14日:世界大衆薬協会総会で公表

  • 医療用製剤流通適正化委員会
    委員長 三浦 治(カネボウ薬品株式会社)

    平成14年7月26日に流通適正化委員会を開催し、下記の事項を行った。

    (1) 日本製薬団体連合会販売対策懇談会、医療用医薬品製造業公正取引協議会流通適正化研究委員会、日本製薬工業協会流通適正化委員会、日本医薬品卸売業連合会流通近代化検討委員会の4団体で検討された「医療用医薬品の流通適正化の一層の推進」についての報告書を会員に解説した。
    (2) 日本製薬工業協会流通適正化委員会、D部会が平成14年5月28日にまとめた「2002年医療用医薬品流通ビジョン」について会員に解説した。
    (3) 「医療用漢方・生薬流通ビジョン:について検討案を会員に提示した。エンドポイントを「患者中心の良質な医療の貢献」とした。
    コンセプトは(1)患者志向の徹底(2)更なる情報提供活動の推進(3)流通の効率化適正化とした。今後、会員と意見交流を進めまとめあげる予定。

    医療用製剤教育研修委員会
    委員長 亀ヶ森 純則(株式会社ツムラ)

    具体的な規格として、本年度から進めているMR研修テキスト「日漢協PMSハンドブック」の現行が概ね纏まったので官報の新しい展開21の最重点テーマの一つである「PMSに関するMR教育の充実」として12月に各委員会から意見をいただき、1月の理事会に上程し、審議いただく予定である。同時に、間質性肺炎、肝機能障害、低カリウム血症などについては、それぞれ専門医より学術指導をいただいた。本教材は、研修時のテキストとしてだけでなく、MRが日々の活動で常時携帯し、医療関係者に対する安全性情報の説明に活用できるよう企画した。

    1月の理事会で承認されれば、会員に1冊350円程度(A5判 約110ページ)でご案内し、印刷部数を決め、2月に発行したい。

    広報委員会
    委員長 太宰 俊造(株式会社ツムラ)

    20年史の5月発行に向けての編纂作業を鋭意実施中である。特別企画の若手座談会、薬価収載前の時代背景についての取材、日漢協設立度当時についての取材は追加取材も含めて全て終了し、テープ起こしを経て現行の編集作業を実施中である。各委員会からは10年史後の委員会の歩みについての原稿提出を受け、広報委員会での後世はほぼ終了した。広報委員会では昨年に引き続き近々合宿を行い、膨大な量の現行編集作業を行う。その後は広報委員会での校正原稿を関係各位にフィードバックして、確認をお願いする計画である。

    今年度の日漢協ガイドおよびその英訳版を、11月に発行した。

    来春に実施予定の子音公開官報講座については、4月に東京で開催すべく公演内容の絞込みなど企画を開始した。

    また、5月に福岡で開催予定の日本東洋医学会との共催セミナーについても、日本東洋医学会と具体的な内容についての詰めを行っている。