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日漢協 ニューズレター 58号

(第20巻 第1号)2003年6月

日漢協専門委員会 活動状況報告


総務委員会
委員長 石橋 紀夫(株式会社ツムラ)

総務委員会では日漢協創立20周年を成功させることが第一義の課題となっており、ほかの委員会の協力を得て準備を行ってきた。招待者名簿の準備、表彰者および感謝状贈呈の人選、記念品、懇親会、式典費用等について検討を行ってきた。お蔭様で、皆様方のご協力を得て現在の段階では予定通り順調に準備が整いつつある。

3月4日には総務委員会を開催し、平成15年度の事業計画、予算などを詳細に検討した。また平成14年度決算についてもほぼ妥当な線で落ち着くところが見えてきている。当協会の財務状況についてはだいぶ改善されてきており、平成15年度の予算についても各委員会からの要望に対しかなりの部分で対応できる状況である。平成15年度の事業計画については「漢方の新しい展開21」を基本に、昨年度と同様平成15年度も最重点6テーマ、重点7テーマを掲げて着実に実行することとしたい。

国際委員会
委員長 藤原 哲夫(株式会社ツムラ)

平成15年2月14日、大阪薬業クラブにて今年度2回目の国際委員会講演会を開催した。

講師として慶熙大学校韓医科大学第二内科教授の?基湖先生を招き、「韓国伝統医学の現状―日本漢方医学との比較」と題して韓国の現代生薬事情を詳説していただいた。この慶熙大学校韓医科は韓医学の分野では韓国最高水準に位置づけられていて、その治療研究の現状を知る裁量の機会が今回得られたことになる。?先生は富山医科薬科大学に留学されていたこともあり、日常診療、ご研究でもエキス製剤(学内で製造製品化)を頻用され日本の漢方エキス製剤にも多大な関心を持たれている。もとより韓国韓方と日本簡保言うはルーツを同じくするもので、韓国韓方が陰陽五行説をはじめとする自然哲学を医学に大きく反映さえていること以外、日韓で患者の診断や治療に大きな差異はないことから、講義内容は日本語でなされたこともあり非常に分かり易いものであった。学内の設備や診療の実際等を豊富なスライドで示されたので韓国の医療水準の高さも確認できた。当日の聴講者は20名で質疑も交え大変盛況であった。

続いて3月5日には日本の「ジェトロ」に当たる香港貿易発展局の広報担当者の来訪を受け事務局とともに対応した。目的は本年8月に香港で開催されるチャイニーズ・メディシンの展示会に日本の企業出展を期待しての宣伝活動であった。

企画委員会
委員長 徳岡 康雄(小太郎漢方製薬株式会社)

■講演会の開催

(1) 11月21日、大阪薬業クラブにおいて「今後の医薬品業界のあり方」と題し、大阪医薬品協会植木明廣理事長に講演していただいた。改正薬事法は製造承認から製造販売承認へ、市販後安全対策の充実等で、今後は研究・開発から生産・販売までの全てを見渡した経営、経営資源の戦略的な配分と集中投資と企業の構造改革、また、製造班外描写は市場の製品に治する最終責任を負うことになり、企業責任は益々重くなると述べられた。

(2) 12月17日、大阪薬業クラブにおいて、大阪府健康福祉部や組むかの協力を得、大阪生薬協会と共催で「大阪府における最近の品質確保行政について」等の大で、講習会を開催した。品質の良いものを、より有効に患者に提供することを目的に薬事法が改正された。今後は、より充実した品質保証体制の確立、安全対策の充実、リスク管理の必要性が示され、リスク管理の手法などが紹介された。品質保証を考える上で示唆に富む内容であった。

(3) 1月16日、KKRホテル東京において「最近の医薬品行政をめぐる諸問題」と題し、厚生労働省医薬局阿部道治審査管理課長より、平成14年度の薬価改正、医薬品産業ビジョン、ワシントン条約等について講演していただいた。薬価差問題は基本的に無くなってきており、古い薬は厳しく、新しく良い薬は高い薬価にする方向にあり、新薬の開発や販売価格対策、情報提供、医薬品の安定供給に勤めて欲しいと述べられた。

■生産動態資料の作成

平成13年「薬事工業生産動態統計年報」より、漢方医製剤等の生産金額、漢方製剤等の年次別生産金額の推移・グラフ等の資料及び繁用生薬の生産・輸入金額の資料を作成し会員各社に配布した。

技術委員会
委員長 佐々木 博(株式会社ツムラ)

14局第2追補収載生薬として、約20品目が検討されている。このうち日漢協は、ガイヨウ、ヘンズ、リュウガンニク、および加工ブシ(仮称)の中野ジエステル型アルカロイド定量法を担当している。また、担当していたニンジンの定量方(ギンセノシデRb1およびRg1)がほぼ固まり、生薬等委員会に報告した。

15局に向けて、漢方・生薬製剤の収載が検討されているが、2月の生薬等委員会では収載の形や規格項目の原案が提示された。

生薬の微生物限度試験に関して、数種生薬を用いて殺菌試験を実施中である。現在、各生薬の性状や化学的変化について調査中である。

1月28日〜29日、エスエス製薬(株)および朝日印刷(株)の富山工場にて、第3回GMP研修会を実施した。14社29名の参加を得た。

昨年11月のワシントン条約第12回締約国会議(チリ)で、タツノオトシゴなどが付属書に掲載されたが、日本はこれを保留した。2月18日、日薬連ワシントン条約関係委員会・正副委員長会では、厚生労働省経済課、続いてトラフィックジャパンと意見交換会を開催し、タツノオトシゴ、ユウタンなどについて議論を行った。

生薬委員会
委員長 伊藤 親(株式会社ウチダ和漢薬)

「漢方の新しい展開21」において"高品質な漢方・生薬製剤の供給と原料の安定確保"というテーマに基づき、原料生薬及び医療用生薬も含め生薬全般に亘って種々の問題に取り組むことになり、平成15年1月に発足した。また名称は"生薬委員会"に決定し、33社の企業が参加した。
第1回生薬委員会は平成15年1月15日に開催され、次の項目を活動方針とした。

1)栽培(国内外)関する事項
2)生薬の品質に関する事項
3)生薬の量的確保及び流通に関する事項
4)生薬区分に関する事項
5)絶滅の危機に瀕した動植物の保護(ワシントン条約)に関する事項
6)関係行政機関及び諸団体との連絡並びに意見具申

この中でワシントン条約関連として昨年12月の締約国会議(チリ)で生薬に関しては、"タツノオトシゴ(生薬名:海馬)"が付属書に掲載された。これに関して厚生労働省より"海馬及び海馬を含んだ製剤"の販売及び輸出の有無の調査依頼があり、当委員会で調査した結果、一部原体及び製剤を販売している会社はあったが輸出している会社はなかったので、その旨を厚生労働省に報告した。

薬制委員会
委員長 巽 義男(カネボウ薬品株式会社)

改正薬事法は、生薬由来製品並びに医師自らが行う治験関係については平成15年7月施行の予定で厚生労働省医薬局を中心に検討が進められている。生物由来製品については平成15年2月21日付にて厚生労働省ホームページより医薬局総務課・審査管理課・安全対策課・監視指導課連名のパブリック・コメントの募集があった。

薬制委員会にて検討の結果、要望事項として「動物由来原料基準の適用範囲は経口・経皮剤以外の財形として頂きたい」、確認事項として(1)「健康な動物に由来するものでなければならない」はウシ等由来物を原料として製造される医薬品等の取り扱いに準ずること(2)冬虫夏草等の菌類は動物由来原料ではなく、植物由来原料であること を3月17日付にて提出した。

「漢方の新しい展開21」の取り組みとしてワーキンググループを3チーム編成し、「原稿医療用漢方の改良」、「一般用漢方製剤の開発」、「生薬・生薬製剤の開発」をテーマとして活動している。一般用漢方製剤の開発に関しては、一般用製剤委員会の処方部会と連携し、共同歩調をとりながら活動することとした。一般用生薬製剤については、生薬製剤の2回目のアンケート調査結果をとりまとめたうえで、今後の活動方針を検討する予定である。医療用漢方製剤の改良については医療用製剤委員会・技術委員会と共同で「医療用漢方製剤改良検討班」として7回にわたって検討会を開催し、平成15年4月7日付をもって医療用製剤委員長に提言された。この提言内容の中で薬制委員会としての課題をワーキンググループで今後検討して行く予定である。

薬制委員会の部会として活動していた消費者対応部会は、このたびの安全性委員会の発足に伴い、平成15年度からは一般用製剤委員会に移管するとともに部会名を「クスリ相談部会」として活動することとなった。

再評価委員会
委員長 市尾 義昌(株式会社ツムラ)

黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」が、「臨壯と研究」第80巻第2号(平成15年2月発行)に論文掲載された。本年5月頃、再評価資料(総括報告書)を審査センターに提出する予定である。

このたび結果通知を残す6処方9試験(小柴胡湯「感冒」および「胃炎」、小青竜湯「気管支炎」、白虎加人参湯「薬剤性口渇」および「アトピー性皮膚炎の熱感・口渇」、芍薬甘草湯「肝硬変に伴う筋痙攣」および「月経痛」、六君子湯「上部消化管機能異常」、桂枝加芍薬湯「過敏性腸症候群」)に監視、医薬品機構によるGPMSP適合性調査が行われた。平成15年2月17日から21日にかけて中心会社のカネボウ株式会社と株式会社ツムラにて書面および実地調査が、また平成15年2月26日から3月12日にかけては試験実施医療機関において実地調査が行われた。

当局の作業としてはこのようなデータの信頼性を確認する作業と平行して、審査センターによる試験成績の審議が行われることになる。専門家による協議を経て成績の評価がなされた後、結果通知が出されることになるがその予定時期等については今のところ未定とのことである。

また白虎加人参湯「薬剤性口渇」において、カネボウ株式会社および帝國漢方製薬株式会社の監査担当2社による分担金使用実績の監査が日薬連同席の下、平成15年1月29日に実施され、各社への分担金請求が完了した。

医療用製剤委員会
委員長 酒井 博(株式会社ツムラ)

「漢方の新しい展開21」の重点テーマを中心に、各部会において以下の活動を行った。また、「安全性委員会」を立ち上げるべく検討を重ね1月の理事会の承認を経て設立した。「医療用漢方製剤改良検討班」は、問題点の抽出、課題の確認、検討にあたっての方向付けなどを主としてまとめ、今後各委員会の横断的な委員構成による検討を行っていくこととした。
漢方処方の局方収載化については、「収載処方の選定等、適時的確な局方への収載化の推進と銘柄別収載の堅持」に向け、薬価に関連することは保険薬価研究部会が中心となり対応していく。

  • 保険薬価研究部会
      昨年12月、医療制度改革(保険者の再編・統合、高齢者医療制度、診療報酬体系)の厚生労働省試案が発
      表され、その後3月28日に政府基本方針が閣議決定されたが、その内容について解説した。診療報酬体系の
      内、"薬価・医療材料価格制度等"については業界にも係わる為、会員各社に周知徹底し共通認識を図るよう
      にした。
      中医協総会(薬価算定ルールの見直し等)、診療報酬基本問題小委員会(診療報酬再改定議論等)の審議
      内容について解説した。
      薬剤経済学の取り組みでは、引き続き「シナリオで学ぶ医療経済学入門」を活用し、調査・研究を行った。

  • 有用性研究部会
      今年度より開始した「公募型研究助成事業」には68件の応募が寄せられた。審査委員による事前審査、選考
      委員会による厳正勝公正な選考を経て、3月13日の理事会にて助成対象10件(各30万)が承認された。3月17
      日広報委員会からプレスリリースされた。
      また、漢方のEBMに関する事項としては、日東医EBM委員会が「漢方治療におけるEBM2002年中間報告」を
      継続的に改訂していくことを受け、そのあとの新たな臨床文献を提供するため、引き続き協力していくこととし
      た。

  • 一般用製剤委員会
    委員長 大窪 敏樹(カネボウ薬品株式会社)

    1. くすり相談部会
    (1) 部会の再編について
    安全性委員会の設置に伴い、PMS部会で行っていた一般用製剤の安全性に関する業務(使用上の注意改訂、市販ご調査体制の構築【手順書作成】等)が安全性委員会に移管された。また、薬制委員会の消費者対応部会の活動がくすり相談事例の検討を主に行っていたことから、両部会を統合し、一般用製剤委員会の下部組織として"くすり相談部会"を発足させることとなった。"くすり相談部会"では、「一般用漢方生薬製剤相談事例集Q&A」の改訂・追加及び広くくすり相談全般に関して活動を行う予定である。なお、3月末まで部会員を募集し、13者14名の参加があった。
    (2) 「一般用漢方生薬製剤相談事例集Q&A」改訂版の検討
    新規相談事例について順次検討中。

    2. 処方部会(一般用漢方210処方の整備)
    (1) 部会活動
    追加候補処方(承認・販売されている処方で、出典の明らかな処方)について文献調査を実施中である。
    (2) 行政への働きかけについて
    昨年11月8日に"一般用医薬品承認審査合理化等検討会"から中間報告書として「セルフメディケーションにおける一般用医薬品のあり方について」が出された。その中野課題を具現化するために、12月にOTC関連5団体で"フォローアップ協議会"が発足した。"フォローアップ協議会"では、13項目の課題についてアクションプランを立て、4月9日に厚生労働省医薬局審査管理課長に提出した。
    なお、13項目の中には『漢方210処方の見直し』が含まれており、日漢協が中心となり進める予定である。

    安全性委員会
    委員長 篠原 宣(株式会社ツムラ)

    安全性委員会は、本年1月28日に新設委員会としてスタートした。委員会の設立は、昨年5月頃より、「漢方の新しい展開21」の具体的実行策の一つとして、医療用製剤委員会安全性対策部会にて検討され、6回にわたる準備委員会の開催を経て11月21日の第116回理事会にて決定された。

    組織面では、医療用製剤委員会の安全性部会と、一般用製剤委員会PMS部会の安全性対策とを合体させた形になっており、34社が参加している。正副委員長は、互選によって決まり、副委員長は、小太郎漢方製剤(株)・松本良三氏、カネボウ薬品(株)・川島恒男氏(後に浜田陽一郎氏に変更)に決まった。

    委員会の活動内容は、「使用上の注意」の日漢協統一改訂等に関わる安全性情報の交換と検討、会員同士の研鑽等である。

    また、平成17年4月の改正薬事法施行に向けて、今後GVPや調査・試験に関して発出される政省令に対する対応や、一般用医薬品としての漢方・生薬製剤に関する手順書の作成から安全性管理体制の構築等、安全生管理に関する大きな変革があるので、当委員会としても鋭意取り組んでいく所存である。

    医療用製剤流通適正化委員会
    委員長 三浦 治(カネボウ薬品株式会社)

    流通適正化委員会を平成15年2月27日(木)に開催し、以下のことを検討した。

  • 「医療用漢方・生薬製剤流通ビジョン」の見直しにつき討議した。ビジョン作成の基本骨子として、(1)漢方・生
      薬製剤特有な流通課題とその適正化に向けた取り組み (2)漢方・生薬製剤の情報提供のあり方とした。(2)に
      関しては他委員会と関連する事項も多々あるので、先ず、(1)につき検討を進めることとした。尚、本ビジョンの
      エンドポイントを「患者中心の良質な医療への貢献」とした。
  • 「流通実態調査アンケート(案)」につき検討。原案では各社回答しづらい事項もあるので、再度検討することと
      した。
  • 「プロモーションコードの改訂」について検討し、1998年のIFPMAコードの改訂、2000年4月の国会公務員倫
      理規定の施行などに伴い、現コードの5項目につき改訂する方針を決めた。
  • 「製品情報概要」審査会レポートNo.4の発刊につき討議した。本件に関しては、他委員会(医療用製剤委員会
      など)との共同作業で進めるべきとの結論を出した。今後の検討課題とする。

  • 医療用製剤教育研修委員会
    委員長 辻本 眞治(株式会社ツムラ)

    「漢方の新しい展開21」の最重点活動テーマのひとつ「PMSに関するMR教育の充実」を具現化するための教材『PMSハンドブック-医療用漢方製剤 安全性情報の基礎知識-』の編纂作業を完了した。1月の理事会にて承認を得、MR教育センターとの調整の後3月に発行し1冊350円にて会員各社に頒布した。本教材の特徴はPMS、添付文書の基礎知識に加え医療用漢方製剤の主な副作用である間質性肺炎、肝機能障害、低カリウム血症などの発症機序・診断・治療等について専門医の監修による詳細な情報を盛り込み、MRが常時携帯できるコンパクトサイズとしたことである。

    広報委員会
    委員長 太宰 俊造(株式会社ツムラ)

    一昨年の暮れから広報委員会が全力を傾注して作業を進めてきた「日漢協二十周年史」が発刊の運びとなり、20周年記念式典の場で配布された。日漢協の誕生のいきさつ、漢方が健康保険適用に至った経過、これから20年後の漢方、日漢協に対する若手の夢などの特別企画を盛り込んだ力作と自負している。

    恒例となった「市民公開漢方セミナー」も第6回目となり、4月16日に四谷区民ホールにあわや立見席寸前という満員の聴衆を集めて盛大に開催された。日本大学医学部東洋医学講座の木下裕子先生に「もう生活習慣病に負けない −漢方の知恵でより健やかに−」と題して講演していただいた。公演内容については、今後小冊子にまとめると共に、ホームページに掲載して、会場に来られなかった方々へも便宜を図る方向で作業中である。なお今回から、日本看護協会にも後援していただいた。今後は日本看護協会とも手を携えて漢方の普及に努めて行きたい。

    また、日本東洋医学会との共催「市民公開講座」を、福岡市のアクロス福岡 国際会議場で5月16日に開催した。日漢協の市民公開漢方セミナーの開催から1月しかないタイトな日程での開催であったが、こちらも満席となる聴衆を集め、漢方の普及を推し進めることができた。

    今年の総会から、マスコミの方々も直接会場へ入れるようにし、より開かれた日漢協の推進を図った。