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日漢協 ニューズレター 59号

(第20巻 第2号)2003年10月

トピックス

米国FDA医薬品審査グループ
Dr.Chen の来日

今般、8月30,31日に熊本で開催された「第20回 和漢医薬学会大会」に、招待講演演者としてFDA医薬品審査第5グループのDr.Shaw T.Chen が来日され、30日に講演が行われた。また、学会に先立って宮田学会長(熊本大学大学院医学薬学研究部 教授)との対談がJAMA主催で実施され、その内容は11月ごろ掲載される見込み。
FDAは組織構成上5つのセンターに分かれている。そのひとつ「医薬品評価・研究センター」がさらに8つのオフィスに分かれ、その中の「新薬オフィス」が更にまた5つに細分化され、その5番目の「第V評価オフィス」内に2003年2月21日、”植物薬審査チーム(Botanical Review Team)”が正式に設立された。Dr.Chen はこの第VオフィスのAssociate Director であり、かつ同グループ内に発足した植物薬審査チームのリーダーである。
講演は「新しい治療法としての漢方薬の発展:米国規制の展望」と題し、米国における新しい治療法としての漢方薬の開発およびマーケティングに対する規制状況について、いろいろな角度から40分にわたって論じられた。なかで、新しい処方箋薬として漢方薬を米国で開発することに関連する法規制に関することを特に詳述された。これは「抑制」ではなく、新しい植物医薬品の開発を促進・奨励するもので、「FDAは長年にわたる経験、即ちそれが近代科学的に管理されたものでないにしても、そこから推定される植物薬の安全性を根拠として、現存する植物製剤の治療的有用性を評価するのに必要な初期段階の試験を簡略化することを提案する」と表現されたことでも分かるように、追って発表される「植物薬ガイダンス」で、植物製剤でも一定の手続きを踏むことで医薬品としての認可が得られることが正式に明示されると思われる。
平成15年8月28日付・薬食発第0828010号通知が表記タイトルで発出された。これは日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)や厚生労働省の行政手続等の電子化推進アクションプラン等に基づき従来、規定の様式に基づく書類で行っていた医薬品等の副作用等の報告を、フレキシブルディスク(DF)又はCD-R及び報告者の氏名、住所等必要事項を記載した書類をもって報告することを求めるものである。
通知では、書類をFD又はCD−Rに代えることができるという表現になっているが、実際の運用上では、DF又はCD-Rに病名・副作用名等はMedDRAの用語を用いて、SGML形式のファイルを作成して電子化しなければならない。さらに、可能な企業に大しては、このファイルに対して企業の代表者が報告することを担保する電子承認を行い、暗号化して、当局へインターネットを介して送信することが求められている。つまりこの通知が施行される10月27日からは、三段階レベルの報告形態ができることになる。
この阿多rしい副作用報告様式と方法に対応するために、安全性委員会としては、委員会開催の旅に情報提供し、合計4回の講演会・講習会を開催した上で、まず会員会社の実情を把握する必要があると判断し、7月16日付で「電子的安全性報告に関する調査のお願い」というアンケート調査を実施した。しかしながら、アンケートに回答を寄せたのは、正会員59社のうち39社、賛助会員17社のうち6社と、31社の未回答会社を残す結果となってしまった。後はただこれらの未回答会社が本件の重要性を認識し個別に対応を進められていることを祈るばかりである。
副作用報告は薬事法で規定されていることであり、対応を誤ると薬事法違反になる。また、副作用報告を含めた安全管理業務は平成17年度から施行される改正薬事法のGVPにおいて、製造承認を維持するための要件にもなっている。安全性委員会としては、安全性委員会加入の35社以外の日漢協会員会社に対し、この場を借りて、このことをお伝えするとともに本件への対応を遅滞なく用意万端整えられるようお願いする次第である。