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日漢協 ニューズレター 61号

(第21巻 第1号)2004年5月

日漢協専門委員会 活動状況報告


総務委員会
委員長 足立 保敬(株式会社ツムラ)

総務委員会では昨年度、日漢協創立20周年記念事業を実施し、その総括を含めて全て業務が終了し、また新たな気持ちで課題に取組んでいる。

16年度事業計画・予算の策定に向け、各委員会にその計画・予算の提出を依頼するとともに、2月10日、3月11日の両日に総務委員会を開催し、2月10日には総務委員会の16年度計画について検討した。

16年度は、協会全体の事業計画・報告、予算・決算の管理に加え、薬剤経済学的視点からの漢方製剤の評価研究の実施、協会諸規則の策定・見直し等を課題として具体的に取組むことを考えている。

3月11日には5月の総会に向け15年度収支見込み並びに各委員会から提出された16年度計画・予算を含め日漢協16年度事業伊計画・予算計画について詳細に検討した。

15年度収支については、創立20周年事業という大きなイベントがあったものの計画内に収まり、ほぼ妥当な線で落ち着く見通しである。

16年度の予算についても各委員会要望に対し、おおむね対応することが可能であり、全体としてほぼ前年同等の水準で編成できる見通しである。

なお事業計画については「新しい漢方の展開21」を基本に、15年度と同様に最重点6テーマ、重点7テーマを協会をあげてその推進を着実に図って行っていくこととした。

企画委員会
委員長 松本 良三(小太郎漢方製薬株式会社)

講演会の開催

(1)11月20日、大阪産業創造館において「WHOにおける伝統医療及び薬用植物をめぐる最近の話題」と題し、WHO神戸センター前平由紀先生に講演していただいた。今日の世界的な伝統薬及び伝統医療の実践的利用の広がりは、医療手段としての受容のしやすさ、利用性の高さ、経済性があるとの認識、自然志向等にあると話された。また、WHO伝統医学開発計画2002〜2005年の目的、期待される成果についても紹介された。伝統医療の安全性・効果・品質の確保の開発では、エビデンスベース、薬用植物医療の規制管理、安全性・効果・品質の確保についてのガイドラインの作成等について話された。全般的に今後の漢方・生薬製剤の国際化を考える上で示唆に富むお話であった。

(2)1月22日、KKRホテル東京において「最近の衣料品行政をめぐる諸問題」と題し、厚生労働省医薬食品局岸田修一審査管理課長に講演していただいた。

改正薬事法(平成17年4月1日施行)、医薬品医療機器総合機構(平成16年4月1日より)、日本薬局方の改正、医薬品の販売規制緩和、BSE問題等業界に関連する諸問題、状況についてお話され、BSE問題に関しては、米国でのBSEウシ発生に伴う行政の対応状況(品質及び安全性の確保策)に関連して、ゼラチンはカプセル原料、漢方処方の成分として使用されており、今後の対応について留意されるよう述べられた。

生産動態資料の作成

平成14年「薬事工業生産動態統計年報」より、漢方製剤等の生産金額、漢方医製剤等の年次別生産金額の推移・グラフ等の資料及び繁用生薬の生産・輸入金額の資料を作成し会員各社に配布した。

委員会

12月11日、企画委員会を開催し、委員長を徳岡康雄から松本良三(小太郎漢方製薬)に平成16年3月より交代することに決めた。

技術委員会
委員長 佐々木 博(株式会社ツムラ)

日局14第二追補に収載予定のインヨウカクなど12生薬が、『JPフォーラム13.1』(本年2月発行)に掲載された。収載生薬には、局外生規からの9品目に加え、カンキョウ、ブシおよびブシ末の新規収載品が含まれる。

第15改正で漢方製剤を局方収載すべく、生薬等委員会の下に設置された「漢方処方の原案作成WG」(座長:合田生薬部長)で、精力的に検討が進められている。「製剤総則エキス剤」の項の改定案がほぼ固まり、現在は葛根湯など18候補処方の性状や規格項目について詳細な検討が行われている。

昨年、サンシュユなど4種の生薬にz難龍の烏薬が検出されたことを受けて、不純物試験法部会では、漢方製剤に関する日漢協樹種基準を策定すべく具体的検討を開始した。漢方製剤中の有機リン系、ピレスロイド系農薬の検出方について現在検討中である。あわせて生薬から煎液への農薬の以降率についても検討を行っている。

3月中旬に、『生薬管理責任者のためのハンドブック第3部』(24生薬を掲載)を発行した。協力して頂いた東京生薬協会をはじめ生薬委員会・品質部会のみなさまに感謝する。なお、引き続き第4部を作成する予定である。

生薬委員会
委員長 伊藤 親(株式会社ウチダ和漢薬)

栽培部下いでは、国内栽培振興について技術委員会・生薬部会と当時実施したアンケート調査を基にどのようにしたら栽培振興が可能か、検討を進めている。

厚生労働省が意見募集している”食品中に残留する農薬等の暫定基準(第1次案)”に対して会員会社が個別に提出した意見を集約し、共有することにした。また昨年改正された農薬取締法における国内薬用作物の取扱いについて、現在関係機関との対応を検討中である。

品質部会では原料生薬の残留農薬問題について、現状はあくに向けて各社の取り組み状況等の情報収集を進めることとした。技術委員会との共同作業であった「生薬管理責任者のためのハンドブック・第3部」に関しては、最終構成が終了した。第15改正日本薬局方への生薬の新規収載に関しては、要望を含め品目選定に入ることになった。

流通部会では、民間薬リストに関しても「一般用医薬品としての生薬製剤(西洋ハーブも含む)の審査のあり方に関する検討会」の座長でも有る齊藤洋先生と相談した結果、医薬品扱いを前提に項目を追加して整理することとなった。また当該リストに関して、日本大衆薬工業協会と意見交換を行った。生薬薬価に関しては、2年後の改正に向け準備を進めることになった。薬事法改正において流通が出来なくなる可能性のある生薬に関しては、”改正薬事法施行令附則第7条”で対応することになった。

薬制委員会
委員長 巽 義男(カネボウ薬品株式会社)

平成17年4月1日施行予定の薬事法施行例が平成15年12月19日に公布され、製造販売業の更新は、5年とされた。また、製造販売業の主体は、総括製剤販売責任者がその業務を行う事務所の所在地の都道府県知事とされた。なお、施行令附則において、現行薬事法による製造業及び医薬品等の製造の認証を受けているものは改正薬事法の製造販売業及び製造販売承認を受けているものとみなされることとなった。

平成16年2月20日(大阪)、24、25日(東京)に「改正薬事法の施行に関する説明会−政省令の内容を中心として−」が開催され施行令、施行規則(案)の要点とパブリックコメントへの意見に対する回答等が厚生労働省担当官より示された。

改正薬事法の施行にあたり、日本大衆薬工業協会(大衆薬協)で検討した「一般用医薬品の製造販売承認申請に関する要望書(案)」について日漢協としての意見を提出し、2月27日付をもって審査管理課長に一般用医薬品関連5団体(大衆薬協、直販協、日漢協、全家協、全配協)として提出された。

一般用医療品の新申請区分については、平成15年8月27日付局長通知により示され、10月1日から実施されている。本取扱いにかかわる質疑要望事項として、日漢協から3件の意見を大衆薬協に提出した。一般用医薬品関連5団体としてとりまとめ、Q&Aとして当局からの事務連絡の発出を要望する予定である。

また、直販協で検討された「組合せ医薬品等の取扱いについて(要望)(案)」に対する意見を委員会で検討のうえ、とりまとめ提出した。本件も5団体として要望される予定である。

再評価委員会
委員長 市尾 義昌(株式会社ツムラ)

再評価審議中の7処方10試験

  • 黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」

  • 桂枝加芍薬湯「過敏性腸症候群」

  • 芍薬甘草湯「肝硬変に伴う筋痙攣」「月経痛」

  • 小柴胡湯「感冒」「胃炎」

  • 小青竜湯「気管支炎」

  • 白虎加人参湯「薬剤性口渇」「アとビー製皮膚炎の熱感・口渇」

  • 六君子湯「上部消化管機能異常」

    すべての試験結果資料に対する審査センター照会事項への回答書が平成16年1月末に提出されたことを受け、2月には日漢協としての提言書「医療用漢方製剤の再評価にあたって」を厚生労働省鵜田審議官あてに提出した。提言書の主旨は、

  • 漢方は日本の伝統医療であること

  • 医療用漢方製剤は現代医療に欠かせないものになってきていること

  • 漢方薬の再評価は新薬のそれとは事情が異なること

    の理解を求め、それを踏まえて今回の試験結果を評価判断されたいというもので、業界のこの主張に対しては十分に話をきいていただいた。

    この試験結果の評価とともに昨年実施されたGPMSP適合性調査結果の評価も併せて行われている模様だが、今後の審議スケジュールについては未定である。

    また平成16年1月23日に第13回再評価委員会を開催し、今回の照会事項など当局指示事項への対応に要した経費(再解析費用や医療機関への出張旅費等)については、結果通知後改めて分担金清算される旨確認された。

  • 医療用製剤委員会
    委員長 酒井 博(株式会社ツムラ)

    「漢方の新しい展開21」の重点テーマを中心に、各部会、検討班において以下の活動を行った。

    保険薬価研究会

    中央社会保険医療協議会等の審議内容として、総会で2月13日に諮問・答申を受け出された平成16年度社会保険診療報酬等の改訂概要について解説した。DPC、小児医療、精神医療等を重点的に評価することとなっており、DPCの拡大は試行的適用で落ち着いた。また、調剤報酬改訂では、生薬の調剤に係る事項として、調剤料において浸煎薬、湯薬が新設された為、その内容を会員各社に紹介した。

    各社から薬価内示、ヒアリングの内容について意見交換をし、問題点の共有化を図った。

    薬剤経済学の取り組みでは、新しいテキストとして「やさしく学薬剤経済学」を活用し調査・研究を行った。

    有用性研究部会

    漢方EBMに関する事項では、日本東洋医学会が実施予定の医師主導の臨床試験について、関連する情報を学会事務局当に継続的に提供している。

    平成16年度公募型研究助成事業は、2月16日に選考委員5名の出席により選考委員会を開催した。厳正かつ公正な選考の結果、平成16年度も10件の研究テーマが選出され、各30万円助成することにした。3月度理事会で原案通り承認され、3月22日には広報委員会を通じて記者クラブに発表した。同時にホームページでも公開した。

    医療用漢方製剤の効能・効果の整備については、第3回WGで越婢加朮湯・柴陥湯、第4回WGで麻黄剤7処方、第5回WGで柴胡剤4処方、第6回WGで柴胡剤3処方について効能効果を確定した。また、傷病名別のりん小論文の選出も同時に進めている。

    医療用漢方製剤改良検討班

    漢方処方の局方収載など、医療用漢方製剤を取り巻く情勢を分析し、レギュレーション等への影響について引き続き検討中である。なお、次年度も本検討班を継続していくことが決定した。

    一般用製剤委員会
    委員長 大窪 敏樹(カネボウ薬品株式会社)

    1.くすり相談部会

    「一般用漢方生薬製剤相談事例集Q&A 第2集」の166年度中の発刊を目指して、部会開催頻度を月1回に上げ事例検討を精力的に進めている。新たな部会入会者もあり活発化しており、更なる入会を歓迎する。

    2.処方部会(一般用漢方210処方の整備)

    厚生労働科学研究『一般用漢方処方の見直しに資するための有用性評価(EBM確保)手法及び安全性確保に関する研究』(平成15年〜17年)〔主任研究者:国立医薬品食品衛生研究所 合田生薬部長〕に協力研究員として参画し、活動を進めている。

    本研究に関する活動を以下に示す。

    1)一般用漢方処方の有用性評価のための手法の確立

    使用実態調査AUR(Actural Use Research)の手法確立を目的に、市販漢方製剤を用いて購入者の満足度を調査する。

    平成16年度は葛根湯と加味逍遙散の2処方を調査使用薬とし調査することとなった。研究班会議を重ね、調査計画書等の資料の作成を終了し、現在調査協力薬局を募集している段階である。

    2)平成15年7月から研究班で新規追加候補処方の検討が進められ、原案として83処方が挙げられ段階である。

    4月に入り合田先生から日漢協に研究班で検討された内容の説明があり、処方部会では追加候補処方の文献調査及び現行210処方の効能・効果の見直し等について協力する予定である。なお、現行処方の見直しについては、長年にわたる検討成果をまとめた『一般用漢方210処方 処方小委員会検討レポート(改訂版)』(平成11年4月発行)を基に行う。

    安全性委員会
    委員長 篠原 宣(株式会社ツムラ)

    平成15年度の使用上の注意改訂は、平成15年7月の潤腸湯、芍薬甘草湯、二朮湯の「肝機能障害、黄疸」に関する改訂の後、しばらくなく、このまま平穏に年末を迎えるかに思われた。しかし、本年2月の茵チン蒿湯の「肝機能障害、黄疸」、3月の防風通聖散の「間質性肺炎」、温清飲の「過敏症」と立て続けに改訂があり、結果として年間3回の改訂と通年並みの改定状況となってしまった。

    最近の話題としては、セネキオ属の「タイキンギク」、漢方名「千里光」を含んだ中成薬「千柏鼻炎片」に対する英国のMHRA(Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency)が2002年の3月に行った規制がある。これは、本年2月に安全対策課から千柏鼻炎片及び千里光が国内で流通しているのではないかとの懸念がもたれたために問い合わせがあったものである。会員会社と協力して調査にあたったところ、千柏鼻炎片はnetで個人輸入の斡旋がなされていたが、千里光の流通は認められなかった。因みに千里光は、Pyrrolizidineというアルカロイドを含んでおり、これが肝毒性のあることが知られている。

    また、アメリカにおいてエフェドラ含有サプリメントについて本年2月から、消費者に対する注意、製造の禁止、流通の禁止が立て続けに打ち出され、規制が強化されている。

    アメリカにおける麻黄の誤った使用により、漢方としての麻黄や、それを含有した漢方薬が不当に悪玉扱いされるのは誠に残念なことである。

    医療用製剤流通適正化委員会
    委員長 三浦 治(カネボウ薬品株式会社)

    製薬協プロモーションコードが本年4月に改定された。今回の改定を踏まえ、「日漢協プロモーションコード」も改定作業に入っている。

    また、昨年度から当委員会の主テーマである「医療用漢方・生薬製剤流通ビジョン」の策定については、WG(流通問題ワーキンググループ)を中心に検討が進められている。しかしながら策定に関しては、内容が多岐に多岐に亘ることなど取り纏め作業に困難をきたしており、当初のスケジュールから遅れている。今後は今まで以上に打合せを重ねながら作業を進めていくことが必要である。

    一方、日漢協プロモーションコード改定については、今回のポイントである1998年11月のIFMAコード改定に伴い、一定条件のもとに国際学会で展示される学術資材に未認証の医薬品に関する記載が認められたこと。また、2000年4月には、国家公務員倫理方および国家公務員倫理規定の施行に伴い、利害関係者との関係および倫理性についても織り込むことなど、環境の変化を踏まえた本格的な見直しが行われた。それらを背景に、日漢協「製品情報概要の記載に際しての留意点」を項目に折込、日漢協として独自の考え方を記載するとともに、国際的な視点からの追記、「経営トップの責務」の追記等を含め読みやすい内容にするため、今後p検討を重ね7月頃を目処に取りまとめたい。

    医療用製剤教育研修委員会
    委員長 辻本 眞治(株式会社ツムラ)

    『PMSハンドブック』による会員各社MRへの教育の充実

    「安全性に関わるMR教育の充実」という事業計画のもと、教育研修委員会では会員各社のMRが『PMSハンドブック』の内容を学習し、知識を向上させていくことを目標としている。

    今回そのための補助教材として「PMハンドブック ドリル」を作成した。

    ドリル作成に当たっては医療用漢方製剤に関わる部分に特化し、理解度の向上を目指した。作成後は会員各社に配布し、MR教育の教材として提供した。

    「PMSハンドブック ドリル」の対外的アピールとして、広報委員会に依頼し、1月28日に記者会へリリースした。その結果、日経産業新聞、化学工業日報(平成16年2月3日)、日刊薬業(平成16年1月30日)に記事として取り上げられた。

    広報委員会
    委員長 太宰 俊造(株式会社ツムラ)

    中国から個人輸入した薬らしき製品で健康被害が発生した問題が、1月初旬に好局から発表された。

    この問題を報じた新聞等で「中国製漢方薬」との表現が使われた。中国の薬(中国政府から医薬品として承認されていない製品も含めて)、生薬を含む製品が即漢方と結び付けられているため、そのような表現をしたマスコミには漢方の定義を示しながらの講義を行った。講義したマスコミからは理解を示されたが、担当記者にとどまらずマスコミ全体さらには国民に、中国の伝統医学と漢方との区別などを根気強く広報活動していくことが今後の大きな課題として浮き彫りになった。時間はかかるかもしれないが、効率的な方法を検討して実施していく予定である。

    今回趣を変えて行った若い女性をコア・ターゲットとした市民公開漢方セミナーは、狙いが的中し会場が満席と成る盛況であった。会員各社から聴講に来られた方々には、一部で楽屋やロビーでモニターテレビを観ながらの聴講をお願いするなど不自由を強いたことは反省事項である。いずれにせよ、それほど多くの方々が来られたことは、若い女性が来易い時間帯、会場、テーマの設定、さらには例年より2ヶ月早めた作業の開始など様々な要因の結果と考えられるが、詳しい分析を行い今後の糧としたい。