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日漢協 ニューズレター 62号

(第21巻 第2号)2004年9月

日漢協専門委員会 活動状況報告


総務委員会
委員長 足立 保敬(株式会社ツムラ)

総務委員会では、本年度総務委員会活動計画のテーマである当協会諸規則の見直し・検討に着手した。

具体的には、薬事法をはじめ労働基準法およびその他の関連法令の改正または予定されていることから、それらの法改正に基づき会則ならびに諸規程の内容見直し、さらには新規規程制定について開始した。

会則については、薬事法改正により全面的な委受託製造が可能となること。従来の製造承認、輸入販売承認の区別がなくなり、新たな承認取得と同時に販売が可能となること等を踏まえ、会則の見直しの必要性について検討する。労働基準法の改正(産前産後の取扱い等)など法令の定めに従い、見直しする。

さらには、就業規則に付随する諸規程(慶弔規則など)の検討を行う。

また、第一四半期(平成16年4月から6月の間)の収支予算進捗状況については、1,651万円の収入に対し1,300万円の支出と順調に推移している。

国際委員会
委員長 木下 行(本草製薬株式会社)

中国の2004年6月からの生薬GMP実施に伴い、日本のGMPI施工後の原料生薬の農薬問題関連などの現状を鑑み、生薬委員会との合同ミーティングを行い、今後のスタンス、対応、方針の意見調整を行う。

米国FDAから植物薬ガイダンスの最終報告が出たのでこれをまとめ、小冊子に編集し、会員各社に配布する。

これを機会に、EU伝統生薬、中国生薬レギュレーション(生薬GMP)の三極の植物薬(生薬)の品質を規程するガイドラインが整備されつつある現況を踏まえ、これらをまとめ小冊子を編集する。

米国FDAからの漢方の麻黄処方製剤の米国市場への販売、輸入を禁止するとのニュースについては更なる情報を入手の上、報告する。

企画委員会
委員長 松本 良三(小太郎漢方製薬株式会社)

講演会の開催

(1)3月18日、協会会議室において「医薬経済学からみた漢方薬」と題し、東京大学大学院薬学系研究科客員教授 津谷喜一郎先生に講演していただいた。オスロのATC(Anatomical Therapeutic Chemical Classification)−DDD(Difined Daily Dose)システムの利用についての検討状況、漢方処方のATC分類とローマ字表記、医師と診療ガイドライン等、津谷先生が関係しているプロジェクトの無いようを紹介された。

(2)5月20日、KKRホテル東京において「漢方・生薬製剤に関する最近の話題」と題し、国立医薬品食品衛生研究所生薬部長 合田幸弘先生に講演して頂いた。重要な医薬品は局方に載せることを優先する方針から漢方処方の局方収載が検討されていること、厚生科学研究の15年度特別研究「生薬中の農薬分析に関する研究」(単年度研究)で、11種(121検体)の生薬を分析したこと、厚生労働科学研究(一般用漢方処方の見直しに資するための有用性評価(EBM確保)手法及び安全性確保等に関する研究」の分担研究「一般用漢方処方hのパイロット使用実態調査研究AUR(Actual Use Research)」については、実施計画書、調査に参加するにあたっての同意書、一般消費者の日記等の詳細、ハーバルメディスンのADR(Adverse Drug Reaction)に関するEWG(Expert Working Group)の活動への協力依頼等についてお話いただいた。

「漢方の新しい展開21」の対応

「漢方の新しい展開21−漢方薬の普及から定着へ−」が発表(平成13年5月)され、約3年が経過し、漢方・生薬製剤を医療に定着させることへの積極的活動の成果が出てきていることから、この間の活動状況を取り纏め、活動報告書(中間報告)を作成した。

技術委員会
委員長 佐々木 博(株式会社ツムラ)

「保険医療上重要な医薬品の全面的収載」をめざした第15改正日本薬局方(平成18年4月)の改定作業が大詰めに入っている。

漢方製剤については、すでに製剤総則の「エキス剤」の項の改定案が「JPフォーラム13.2」に掲載され、現在「漢方処方の原案作成WG」(以下、局方WGと略)および試験法部会を中心に収載候補処方の各条原案、特に成分定量方の追試などつめの作業が行われている。

局方WGでは、優先Aランク5処方(葛根湯、黄連解毒湯、小青竜湯、芍薬甘草湯および大黄甘草湯)並びにBランク(小柴胡湯など7処方)から数処方を収載すべく、各規格項目について検討が進められている。

今後のスケジュールについては、10月に局方WGから収載候補処方の各条原案を生薬等B委員会で承認を受けた上で総合委員会に提出される。本年末にはJPフォーラム掲載案が固められ、遅くとも来年3月までにはJPフォーラムに掲載される見込みである。関係各位におかれては、より一層のご協力をお願いしたい。

15局収載生薬に関しては、会員各社から収載希望生薬、その他規格値の修正要望などを吸い上げ、日漢協案としてとりまとめ、生薬等委員会に提出した。収載希望品目はオウヒ、カッコウなど13品目であるが、局外生規からの格上げを基本に選定した。また、粉末生薬(エンゴサク末およびウコン末)の収載についても要望し、上記13品目に加えて総合委員会にあげられることになった。

昨年、サンシュユなど4種の生薬に残留農薬が検出されたことを受け、現在、不純物試験法部会で日漢協自主基準を策定すべく、有機リン系及びピレスロイド系農薬の試験法について実験を進めている。また、生薬から煎駅への農薬の移行率についても検討を開始した。

GMP部会では、ア規制薬事法施行に伴うGQP、GMP等の改正について引き続き情報収集を行っている。また、「生薬管理責任者のためのハンドブック第4部」(20数生薬掲載予定)の作成作業に入った。

生薬委員会
委員長 伊藤 親(株式会社ウチダ和漢薬)

栽培部会では、日本産薬用作物が”改正農薬取締法”の対象である旨が判明した。現在厚生労働省研究開発振興課、筑波薬用植物栽培試験場及び当部会で農薬登録を目的に、”薬用作物使用農薬リスト2003”を基に専門家の意見も含め絞込みを始め、また当該リストに学名、栽培形態等の追加情報も記載し、農林水産省と検討する予定である。

国内栽培振興については(1)中国産依存へのリスクの回避、(2)栽培技術の保存、(3)種苗の保存、(4)品質の安定性、(5)価格の安定性他8つの目的を前提に今後の方向性を検討することになる。

品質部会では原料生薬の残留農薬について、現状の会員各社の取り組み状況を把握する目的でアンケート調査及び、210処方の見直しで追加候補処方(83処方)の構成生薬の流通状況を把握することを目的に、一般用製剤委員会と協同アンケート調査を実施中である。流通部会では”法改正による手数料の件”で平成16年4月1日付薬事関係手数料令の改正により、区分から日本薬局方枠が削除され、日局の医療用生薬は大幅な手数料UPとなった。

そこで日本薬局方枠について別途に考えていただく方向で関係機関と対応する予定である。”法改正に伴う原料生薬の流通”については施行令附則7条により当面の流通は確保されることになったが、まだ問題点があり今後さらに検討が必要となった。

民間薬利うsとに関しては、”一般用医薬品(西洋ハーブも含む)の審査に関する検討会”の座長である齊藤先生より指摘を頂いた項目の整理が終了したので近々訪問して、当該リストの活用について相談する予定である。

薬制委員会
委員長 巽 義男(カネボウ薬品株式会社)

平成17年4月1日施行予定の薬事法施行規則が平成16年7月9日に官報告示され、同日付で施行についての医薬食品局長通知が発出された。

施行規則では、医薬品等の製造販売業の許可や製造販売承認の申請及び各種届出の様式、原薬登録簿の登録、適合性調査の申請、総括製造販売責任者の基準・遵守事項等が規定されている。

局長通知では、施行通知等の取扱いについてその留意点などが示されている。細部の取扱いはその後、課長通知等で示される予定。

GVP(市販後安全管理基準)省令やGQP(品質管理基準)省令は8月中に官報告示される見込み。GMP及びGPSP(市販後調査・試験実施基準)省令は9月以降に官報告示される予定。

医薬品の販売規制緩和、いわゆる新医薬部外品に移行する関連通知等は7月9日付精霊によりGMPの対象となる医薬部外品の範囲が拡大され、外用薬も含まれること及び精霊の施行は7月30日となった。

医薬部外品移行の品目指定は7月中旬に告示の見込み。経過措置として医薬品としての販売は平成17年7月29日までは可能である。また、医薬品表示の製品と医薬部外品表示の製品の同時出荷は不可。移行品目の製造所の責任技術者は薬剤師であることとなっている。

医薬品の販売制度改正検討部会が厚生科学審議会に設置され、薬事法の条文と実際の一般用医療品販売の実態が乖離していることを踏まえ、現行薬事法の改正が必要かを議論することとされている。10月から部会の中に委員会を設置し具体的内容につき検討される予定。

再評価委員会
委員長 市尾 義昌(株式会社ツムラ)

再評価審議中の7処方10試験

  • 黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」

  • 桂枝加芍薬湯「過敏性腸症候群」

  • 芍薬甘草湯「肝硬変に伴う筋痙攣」「月経痛」

  • 小柴胡湯「感冒」「胃炎」

  • 小青竜湯「気管支炎」

  • 白虎加人参湯「薬剤性口渇」「アとビー製皮膚炎の熱感・口渇」

  • 六君子湯「上部消化管機能異常」

    において昨年実施されたGPMSP実地調査の評価結果が、平成16年5月10日付で当局より出された。

    この際に指示のあった黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」、芍薬甘草湯「月経痛」、小柴胡湯「胃炎」、六君子湯「上部消化管機能異常」については現在一部の省令を除いた再解析を実施中である。これにより検査結果資料のデータ信頼性が担保され、審議に供されることになる。

    なお、提言書「医療用漢方製剤の再評価にあたって」を平成16年2月12日に提出した際の鶴田審議官の発言を踏まえ、業界としての取り組みの具体案を提示すべく再評価委員会では平成16年6月17日に第4回目のワーキンググループ会議を開催しその検討を始めた。

    平成16年8月29日には第14回再評価委員会を開催し、その考え方を纏める予定であるが、今後の審議スケジュールは未定の為、当局とはさらなる密な情報交換を進めてゆく予定である。

  • 医療用製剤委員会
    委員長 丸木 希望(株式会社ツムラ)

    保険薬価研究部会

    平成17年度政府予算編成は、7月に参院選が行われるため例年より1ヶ月ほど早いペースで進められ、6月4日に「骨太の方針第4弾」が閣議決定された。財務省が予算概算要求枠を作成中と推測されるが、状況、内容に関し紹介をした。また、中医協の開催状況、日薬連薬価研総会の内容等を周知した。

    平成16年4月の薬価改定において、医療用漢方製剤に最低薬価ルールが適用されていないことが明確となった。次回の薬価改定でなんらかの手当てがなされることを目指し、基礎的な資料を基に論点の整理を進めている。

    有用性研究部会

    漢方のEBMでは、日本東洋医学会EBM委員会に対して、中間報告書取りまとめ移行数次にわたり追加論文を提供しており、今回の17論文を含め合計で182報となった。

    平成16年度研究助成事業は助成10施設に対して研究費の振込み作業を進めた。h生成17年度研究助成事業は募集要項、申請書を作成し、9月1日より募集開始すべく理事会で了承を受け、告知作業(関係学会での告知、募集要項の雑誌掲載など)を開始した。

    効能国化の整備については、第8回WG、第9回WGを開催し、柴胡湯類4処方と人参黄耆剤加減12処方、附子剤4処方の効能効果を確定させた。現在までの完成現行は40処方となった。臨床論文についても26書法について検討し確定した。

    医療用漢方製剤改良検討班

    局方収載など、国立衛研を中心とする動きに関し情報収集しながら、医療用漢方製剤の自主的且つ高度な品質保証、改良について検討中である。また、今後、欧州における生薬製剤の生物学的同等性の考え方、食品における品質保証の考え方についても検討する予定である。

    一般用製剤委員会
    委員長 大窪 敏樹(カネボウ薬品株式会社)

    くすり相談部会

    「一般用漢方生薬製剤相談事例集Q&A 第2集」の16年度中の発刊を目指して、事例検討を精力的に進めている。また、部会員間の情報交換も活発に行っている。

    処方部会(一般用漢方210処方の整備)

    厚生労働科学研究『一般用漢方処方の見直しに資するための有用性評価(EBM確保)手法及び安全性確保に関する研究』(平成15〜17年)〔主任研究者:国立医薬品食品衛生研究所 合田生薬部長〕に強力研究員として参画、活動を進めている。

    本研究に関する活動を以下に示す。

    (1)一般用漢方処方の有用性評価のための手法の確立

    加味逍遙散についての調査資料の検討が終了し、調査が開始された。(調査薬局説明会[5月30日]:290薬局参加、調査期間:6月〜9月)

    また、葛根湯については10月からの調査開始予定で、準備が進んでいる。

    (2)一般用漢方処方の見直し

    6月に入り研究班会議が開催された。(処方部会から3名参加)

    [1]新規83処方

  • 公定書に収載されていない生薬については、規格を作成し、日局に収載する方向で進める。・・・日漢協会員会社を対象に流通状況アンケート調査実施

  • 日漢協で文献調査を行い、成分・分量、効能・効果等の原案を作成する。

    [2]現行210処方

  • 日漢協の「処方小委員会検討レポート」を基に、処方内容を検討する。

  • 処方番号1(安中散)〜27(甘草湯)については検討を終えた。

  • 安全性委員会
    委員長 篠原 宣(株式会社ツムラ)

    最近の話題としては、ICH(日米EU医薬品既成調和国際会議)の市販後安全対策に関する議題の一つであるE2D(承認後の安全性情報の取扱い:緊急報告のための用語の定義と報告の基準について)があげられる。当局は、既に昨年8月26日付でこの内容を示し、意見・情報の募集を行っており、その締め切りは昨年の10月24日であった。

    当安全性委員会では、本年4月19日の第12回委員会において、ICHプロジェクトに参加しておられる田辺製薬株式会社開発本部薬事管理部の市川高義氏に最近の話題として解説を頂いている。

    製薬協は既に合意しているものの、立場の異なる日漢協を含む大衆薬5団体では、これに対応すべく、問題点を明らかにし、要望をまとめて7月1日に当局と協議をした。そのときのポイントを以下に列挙する。

    (1)致命的な転帰を添付文書に記載しなければならなくなるが、OTCの場合場合どのような表現をとるべきか?・・・死亡例があることを記載すると、自殺手段としての誘引となりかねない。

    (2)今まで不要とされた道で軽微な副作用の報告をどうするか?・・・PSUR(定期的安全性最新報告)のような定期的な報告よりも適宜報告の方がよいのではないか。

    (3)過量投与の症例で、重篤な副作用が発現しているような場合には緊急報告の対象になる?・・・自殺企図も例外ではなくなるのか?

    (4)2週毎に科学的な文献を世界規模で、データベースを検索して、情報を集めなければならないのか?・・・業界で協同して情報を集めることで対応したい。

    (5)当該医薬品の製造者、商標または商品名が特定されない場合は、自社品である可能性のある時は、自社製品と想定して扱わなければならず、研究報告や外国措置報告が増加する。

    (6)一般使用者からの副作用情報は、医学的な裏づけがなくても自発報告として扱わなければならなくなる。

    インターネットで知った副作用情報も自発報告と同じようにあつかわなければならなくなる。

    いずれもなんらかの形で実現することは間違いない。一社で対応が困難なことは、委員会で強力して対応するとか、OTCのみ製造する会社のためには日本大衆薬工業協会と連携していきたい。

    医療用製剤流通適正化委員会
    委員長 杉浦 計三(カネボウ薬品株式会社)

    流通適正化委員会では、平成15年6月(平成15年度第1回)から「日漢協プロモーションコード」の改定を検討してきた。

    7月9日に開催した「平成16年度第2回医療用製剤流通適正化委員会」で、「ニ一貫今日プロモーションコード」改定に係る検討並びに報告箇所は全て終了したため、今後、委員長会等への報告及び理事会での承認を経て実施の予定である。

    また、会員会社の理解促進のため「製薬協・医療用医薬品プロモーションコード改定について」と題して、製薬協プロモーションコード委員会前幹事長牧和敬委員に下記についてご講演いただいた。

    (1)会員会社やその活動が多様化・グローバル化したことに伴うコードの改定

    (2)業界内外の環境の変化に伴うコードの改定

    (3)コードの主旨をより生かすためのコードの改定

    (4)コードの主旨をよりわかりやすく具体的にするためのコードの解説の改定等

    一方、遅延している「医療用漢方・生薬製剤流通ビジョン」の策定に関しては、次々回開催時に製薬協流通適正化委員会桜井部会長に講演いただき、内容を再度検討し策定に着手する予定である。

    医療用製剤教育研修委員会
    委員長 辻本 眞治(株式会社ツムラ)

    『MR漢方教本』の改訂について

    平成16年度の事業計画として、教育研修委員会では『MR漢方教本』の改訂準備を行うことにして作業を開始した。今回着手した改訂部分は、プロモーションコード改訂により変更が必要になった点、時代の変革とともにデータが古くなったテンを中心に『MR漢方教本』の第3部について見直した。会員各社で作業分担を決め改訂必要か書などを選定し、具体的な改訂の内容について現時検討中である。

    今回の改訂を期に、改訂が頻繁に行われる可能性がある第3部を分冊にし、『MR漢方教本』の2分冊化を検討している。政策の完了は生成17年を予定している。

    広報委員会
    委員長 太宰 俊造(株式会社ツムラ)

    毎年、(社)日本東洋医学会と共同で開催している「市民公開講座」を、6月27日パシフィコ横浜で開催した。「患者さんからの目からみた漢方」と題して、奥寺康彦氏、服部公一氏、ロベルト・オエスト氏に漢方との関わりについて講演していただき、約280名の方々が聴講に来られた。

    4月に実施して好評を博した、日漢協主催の市民公開漢方セミナーに関し来期の企画を行った。特に会場は、今期の反省から収容人員400名以上で交通の便の良い所として、4月初旬開催で計画を進めている。

    マスコミにおいて、中国の薬即漢方薬との表現が見られるため、従来の個々の報道機関への講義に止まらず、記者会へ出向き、漢方、漢方薬の用語、更には中国の伝統薬の呼び名等について説明会を開催した。

    各記者会では、このような活動を今後も続けるのか?用語が法律で定義されていないのか?などの質問が出され、多くの関心を集めた。今後もこのような活動をさらに継続していく必要性を痛感した。