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日漢協 ニューズレター 63号

(第21巻 第3号)2005年1月

新年のご挨拶  国民の健康に欠かすことのできない薬として貢献

日本漢方生薬製剤協会 会長
風間 八左衛門
皆様、新年明けましておめでとうございます。

昨年は、「漢方」という言葉の使われ方につきまして、当協会として一定の進展を見せた年でありました。中国の伝統医学・伝統薬や生薬を含む薬剤、ひいては中国から輸入されたというだけで、健康食品さえも「漢方薬」と表現されるなど、言葉の乱用が見られました。

そのような中で当協会では7月に関係記者クラブにおきまして、「漢方」「漢方薬」の用語の説明会を開催し、マスコミの方々に理解を深めていただいたものと考えております。ただし、このような活動は一度行ったから良いとするものではなく、根気強く長く続けていくことが必要と考えます。

その一方で、一昨年からクローズアップされてきました生薬の残留農薬に関する問題が広く取り上げられるようになりました。当協会にとりましても、この間題は非常に重要であると認識しております。

一昨年夏、当協会は残留農薬問題に関する取り組みを決定し、主要な漢方エキス製剤に対する残留農薬検査を第三者機関で実施し、安全性を確認いたしました。それに伴い、漢方エキス製剤に対する残留農薬自主基準の策定作業は予定通りに進んでおります。更に昨年末には刻み生薬、原料生薬に対する残留農薬検査の自主基準策定作業にも着手しました。

漢方・生薬製剤は天然の植物を中心とした生薬からなる医薬品であるために、一般生活者からは「身体にやさしい」「副作用が少ない」といったイメージを持たれております。過去、小柴胡湯の副作用問題が発生しました際に業界全体が縮小してしまったのは、まさに一般生活者が持つイメージに対して、副作用という全く相反する事象が発生したという、そのインパクトが想像以上に大きかったためと考えられます。

今回の残留農薬問題も同様であり、一部の生活者はすでに、薬剤としての安全性を根底から揺さぶる問題として捉えているように感じられます。漢方・生薬製剤の多くはエキス製剤として流通しておりますが、生活者の目は漢方エキス製剤から原料生薬、さらには生活者が自分で煎じて服用する刻み生薬に向いていると思われます。

この間題は、日本の伝統薬である漢方薬、そして日本人の知恵が創造してきた多くの生薬製剤の存亡に関わるものと申し上げても、過言ではないと考えます。会員各社におかれましては国民の健康を預かる企業として果たすべき社会的責任を強く意識し、漢方エキス製剤に止まらず、刻み生薬そして原料生薬、またその栽培にまで日を広げ、改めて協会として何をなすべきかを真摯に見直し、早急に実行していただきますようお願いします。協会としましても、必要に応じて行政当局と連携を取りながら、問題の解決と今後の対策を講じてまいる所存であります。

本年も、漢方・生薬製剤がますます発展し、国民の健康に欠かすことのできない薬として貢献してまいりますために、皆様のご理解とご協力をお願いしまして、新年の挨拶とさせていただきます。

(株式会社ツムラ 会長)