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日漢協 ニューズレター 63号

(第21巻 第3号)2005年1月

日漢協専門委員会 活動状況報告


総務委員会
委員長 足立 保敬(株式会社ツムラ)

総務委員会では現在、本年度総務委月会活動計画のテーマである協会諸規則・規程の見直し・検討を進めている。

就業規則については、労働基準法等関係法令の改正に伴うもので、育児休暇・休業、育児・介護休業、年次有給休暇、産前産後休暇等である。

出張旅費内規については、日当並びに宿泊費に閲し、業界関連他団体の実態を踏まえ見直し・検討している。

慶弔内規については、新たに設ける方向で、会員の慶事・叙勲、会員・職員の弔事にあたっての協会対応について、基準化する等を検討している。

国際委員会
委員長 木下 行(本草製薬株式会社)

10月5日、日湊協会議室にて国際委員会を開催した。

(1)懸案になっていたFDA植物薬ガイダンスを当協会会員会社30社の参加のもと、(株)ツムラの佐々木博美氏に講演していただいた。

講演の概要は、

  • FDA植物薬ガイダンスが2000年8月10日にガイダンス案として公表されてから4年掛りで討議されたこと

  • 1994年米国議会がDSHEA法(DIETARYSUPPLEMENT HEATH EDUCATION ACT)を通過させたが、その後DIETARY SUPPLEMENTがFDAから出される、警告と安全情報「予防的及び治療的用途に関する情報」の方が消費者には恩恵を受けると確信したこと。

  • 内容は原料、原薬、最終製品までGMPに沿った製造、品質、マーカー成分の管理に関して詳しく網羅されていること

    などであった。

    国際委員会はこの米国FDA植物薬ガイダンスを後日の為に、小冊子に作成することにした。

    (2)毎年行っている東南アジアからの研修生への研修を11月19日に日漠協会議室にて技術委員会の山本栄治氏(カネボウ薬品?)の力添えを得て行った。

  • 企画委員会
    委員長 松本 良三(小太郎漢方製薬株式会社)

    講演会の開催

    (1)7月22日、KKRホテル名古屋において「薬学研究者から観た漢方薬」と題し、名城大学薬学部教授荻原幸夫先生に講演していただいた。

    荻原先生が長年携われた研究成果(1.人により代謝が違い,反応が異なる(サイコサポニン)、2.選択毒性を示す成分もある(Gallic acid:くるみのタンニン)、3.漢方処方の多糖体含量が、食品の栄養指針に示されている野菜(300g)の多糖体含量に近い)並びに湊方に対する思いをお話いただいた。

    (2)9月16日、日漢協会議室において「医薬品医療機器総合機構の設立と今後の医薬品業界に期待するもの」と題し、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構理事(技官)土井脩先生に講演していただいた。

    総合機構設置の経緯、独立行政法人の意味、組織と役割、審査業務・安全対策業務の課題や中期目標と中期計画について、大変わかりやすくご講演いただいた。また先生ご自身、生薬や植物がお好きとのことで、当業界への期待も含めて話をされた。薬事工業生産動態統計「特掲医薬品の掲載品日」の見直し(案)への対応

    厚生労働省医政局経済課より、今後特掲医薬品の掲載品目は、「会社が原則3社以上、かつ、年間生産(輸入)金額が原則1億円以上」ということを検討しており、本案とすることについて意見・要望を求められ、日漢協は「漢方生薬の生産動態統計の唯一の資料」として活用していることを主張し、従来どおりの掲載を要望した。

    技術委員会
    委員長 佐々木 博(株式会社ツムラ)

    「保健医療上重要な医薬品の全面的収載」をめざした第15改正日本薬局方(平成18年4月告示)の改定作業が大詰めに入っている。

    漠方製剤については、生薬等委員会の傘下に設置された「漢方処方の原案作成WG」(座長:合田生薬部長。以下、局方WGと略)および技術委員会・試験法部会を中心に収載処方各条原案の作成作業が行われている。先に開催された生薬等委員会Aで、優先Aランク5処方(葛根湯、黄連解毒湯、小青竜湯、芍薬甘草湯、大黄甘草湯)、並びにBランクから5処方(小柴胡湯、加味逍遥散、苓桂朮甘湯、補中益気湯、柴苓湯)の計10処方の収載が明確にされた。近々、局方WGから10処方の各条原案が生薬等委員会Aに提出され、親委員会の生薬等委員会Bの承認を受けた上で総合委員会に上程され、本年度末の『FJPフォーラム』に掲載される見込みである。

    一昨年、サンシュユなど4種の生薬に残留農薬が検出されたことを受け、現在、不純物試験法部会で日湊協自主基準を策定すべく製剤の農薬試験法についての検討を進めてきたが、最終段階にきている。あわせて生薬から煎液への農薬の移行率についても検討中である。

    昨今、生薬の残留農薬に関する問題が広く取り上げられており、生薬等委員会では早期に生薬の残留農薬を基準化すべく作業を急いでいるが、日漠協でも生薬委員会や技術委員会を中心に会員各社における検査体制を強化すべく活動を強めている。

    GMP部会では、改正薬事法施行に伴うGMP改正について、引き続き情報収集中である。また、「生薬管理責任者のためのハンドブック第4部」(20数生薬掲載予定)を作成中である(本年度未発行予定)。

    生薬委員会
    委員長 伊藤 親(株式会社ウチダ和漢薬)

    栽培部会では、日本産薬用作物の“改正農薬取締法”への対応については、同法の対象と判明した3月の時点から野菜類への編入を前提にしながらも、他の大分類への編入の検討を行った。しかし薬用作物に必要な農薬から各分類(野菜類、麦類、芋類他)への編入を打診したが、植物形態上無理があるとの回答を得た。

    そこで今後は厚生労働省より出版された“栽培と品質評価(1〜10)”の改訂版として、必要な農薬を収載してもらえるよう要望することになった。

    品質部会では、残留農薬への取組みについて今後、原料生薬の自主基準策定に向け検討を進める。

    流通部会では、来年4月の改正薬事法において“製剤原料”の承認がなくなることによる生薬の流通について、厚生労働省医薬食品局審査管理課より医療用医薬品、一般用医薬品の承認申請に関する通知(Hll,4,8付)において新たな項目として「新たなカテゴリー」を設けることが可能であることが示された。“法改正による手数料の件”については、平成16年9月17日付けで厚生労働省医薬食品局局長宛に風間会長名で“改正薬事法施行における手数料についで”の要望書を提出した。

    薬制委員会
    委員長 巽 義男(カネボウ薬品株式会社)

    平成17年4月1日施行予定の改正薬事法第12粂の2第1、2号に規定される製造販売業の許可要件とされる「医薬品等の安全管理(平成16年厚生労働省令135号)及び品質管理(平成16年厚生労働省令136号)の基準」が平成16年9月22日付にて官報告示され、この基準に従い製造販売業を取得する予定の製薬企業各社は施行までに総括製造販売責任者等の3役体制や各種手順書(GVP、GQP等)の整備を図る必要がある。

    平成16年8月2日付にて厚生労働省ホームページに掲載された「改正薬事法に基づく医薬品等の承認申請における製造方法等に係る記載要領及び記載変更に関する取扱いについて(案)」に関する意見・質問を薬制委員会で取りまとめ、9月2日に23項目を提出した。

    9月30日開催の薬事・食品審議会薬事分科会で「処方せん医薬品指定基準」が了承され、従来の要指示薬指定基準に注射剤等が追加される見込み。この基準から医療用漢方製剤は非処方せん薬に該当すると想定されることより製造販売業の許可は第2種医薬品を取得する必要がある。これらのことより、第2種医薬品には処方せん医薬品以外の医療用医薬品と一般用医薬品が該当することになる。

    医薬品の販売制度改正検討部会は11月末までに7回開催され、部会の下に専門委貞会が設置されて3回の委貞会が開催されている。委員会では一般用医薬品のリスクの程度の評価と情報提供の内容について議論されている。専門委貞会は平成17年秋まで続けられ、一般用医薬品が再分類され、薬事法の改正も視野に入れている。

    再評価委員会
    委員長 上之園秀基(株式会社ツムラ)

    平成16年8月20日の第14回再評価委員会にて、市尾義昌委員長が退任し、新委員長として上之園が就任した。

    再評価審議中の7処方10試験

  • 黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」

  • 桂枝加芍薬湯「過敏性腸症候群」

  • 芍薬甘草湯「肝硬変に伴う筋痙攣」「月経痛」

  • 小柴胡湯「感冒」「胃炎」

  • 小青竜湯「気管支炎」

  • 白虎加人参湯「薬剤性口渇」「アとビー製皮膚炎の熱感・口渇」

  • 六君子湯「上部消化管機能異常」

    において、平成16年5月に当局から通知のあった

    GPMSP適合性調査結果に基づく黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」、芍薬甘草湯「月経痛」、小柴胡湯「胃炎」、六君子湯「上部消化管機能異常」の一部の症例を除いた再解析報告書が医薬品医療機器総合機構に提出された。これにより試験結果資料のデータ信頼性が担保され、審議に供されることになるが、当局の審議スケジュールについては未定である。

    なお、平成16年2月に提言書「医療用漢方製剤の再評価にあたって」を厚生労働省に提出したことはすでに報告したが、再評価委員会では、その後、平成16年6月17日に第4回ワーキンググループ会議、平成16年7月29日には第5回ワーキンググループ会議、また平成16年8月20日には第14回再評価委員会を開催し、その主旨に基づいた活動方針について取り纏め作業を行っている。

  • 医療用製剤委員会
    委員長 丸木 希望(株式会社ツムラ)

    一般用医薬品210処方の見直しにつき、一般用製剤委員会、安全性委員会、薬制委員会と合同で対応を進めた。

    保険薬価研究部会での検討を踏まえ、最低薬価ルールへの対応を医療用製剤委員会の中でも検討した。委員の中で反対意見或いは修正意見は無く、素案をもとに今後当局へ働きかけることが承認された。

    改正薬事法における処方せん医薬品の指定基準につき、薬制委員会と共同で今後の影響等につき検討を行った。

    保険薬価研究部会

    規制改革・民間開放推進会議の「混合診療の解禁」、あるいは中医協における「特定療養費制度」の議論、「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」、社会保障審議会の「医療保険部会」・「医療部会」等の審議状況に閲し説明した。

    有用性研究部会

    日本東洋医学会のEBM中間報告書作成以後6度目の追加論文調査を実施し、選択した21報の論文を学会に提供した。これにより日漢協が選定したEBM臨床論文は中間報告書の835報を含めて合計1037報となった。

    日漢協研究助成事業は平成15年度の助成対象10施設全てから報告書を入手完了し、完了報告書を作成した。平成17年度研究助成は募集作業を継続しており、11月中旬で約30件の応募となっている。

    効能・効果の整備では第12回WG、第13回WGで16処方の効能効果を確定させ、総計76処方の確定作業が終了した。臨床論文は第12回WGまでの66処方について検討し確定した。

    医療用漢方製剤改良検討班

    漢方薬の自主的な品質向上のための講演会を開催した。講師は独立行政法人食品総合研究所の河野澄夫先生である。クルードな混合物をまるごと評価する近赤外分光法の漢方薬の品質管理(生薬評価、エキス・製剤評価、残留農薬など)への応用の可能性についてお訪いただいた。

    韓国食品医薬品庁(KFDA)より日漢協に、植物薬ハーモナイゼーション国際セミナーへの演者派遣の依頼があり、新井一郎班長が派遣された。

    一般用製剤委員会
    委員長 大窪 敏樹(カネボウ薬品株式会社)

    (1)くすり相談部会

    『一般用漢方生薬製剤相談事例集Q&A 第2集』の発刊を目指して、事例検討を精力的に進めている。また、部会員間の情報交換も活発に行っている。

    (2)処方部会(一般用湊方210処方の整備)

    厚生労働科学研究『一般用漢方処方の見直しに資するための有用性評価(EBM確保)手法及び安全性確保に関する研究』(平成15〜17年)〔主任研究者:国立医薬品食品衛生研究所 合田幸広生薬部長〕に協力研究員として参画し、活動を進めている。

    本研究に関する活動を以下に示す。

    (1)一般用漢方処方の有用性評価のための手法の確立

    加味逍遥散についての調査が6月〜9月の期間で行われ、約100症例が集積された。(調査薬局:29薬局)また、葛根湯について10月から調査が開始されている。(調査薬局:12薬局)

    (2)一般用漢方処方の見直し

    研究班会議が開催され、現行210処方の効能・効果等の見直しが行われている。3回の会議で処方番号103(小承気湯)まで検討が終了している。

    日漢協において、関連委員会(医療用製剤委月会,安全性委員会、薬制委員会)と協議し、日漢協としての意見・要望を合田幸広先生に提案している。

    また、新規83処方についての文献調査を行い、成分・分量、効能・効果等の原案を作成中である。

    安全性委員会
    委員長 篠原 宣(株式会社ツムラ)

    昨年9月20日から22日にかけてFHH会議(Western Pacific Regional Forum for the Harmonization of Herbal Medicines)が中国の上海で開催された。

    今回の開催に際して、同会議から日漢協に、新たにハーバルメディスンの安全性に関する事柄も加えられることになったので、日本の市販後調査制度と伝統薬である漢方薬の安全性についての講演をお願いしたい旨の要請があり、日漢協安全性委員会を代表してフォーラムに参加した。

    FHH会議は、西太平洋地域の7国・地域(中国、韓国、ベトナム、シンガポール、オーストラリア、香港、日本)のハーバルメディスンに関する規制当局の担当者が一堂に会し、情報交換を行うと共に、共通の問題について協議し合意を行っていこうというもので、2002年3月に設立されたものであり、その実行については各国の判断に任せられている。

    さらにWHOの伝統医学関係者も参加しており、WHOの関連会議という位置づけもされている会議である。日本からは国立医薬品食品衛生研究所前生薬部長の佐竹元吉先生と現生薬部長の合田幸広先生が正式メンバーになっている。

    講演以外には、同会議の常任委員会にオブザーバーとして参加し、各国の過去1年のハーバルメディスンに関する活動状況報告を聞くことができた。フォーラムの内容は安全性だけではなく、GAP、クロマトグラフィックフィンガープリント、米国、EU、カナダにおける概況、生薬の成分、薬理、品質規格などと多岐に亘るものであった。同会議は、規約で主催国の任期は2年と定められており、2003年皮(昆明)及び2004年皮(上海)は中国が主催国として開催した。次回の2005年度は、今回の上海会議において日本が主催国として選出されたので、本年は東京で開催される予定である。

    日漢協としては、国際委員会、生薬委員会、技術委月会等多くの委員会に関係する事柄の各国の情報収集ができるとともに、場合によっては日本業界の立場を積極的にアジアや世界に発信できる機会でもある。

    今後は、同会議が世界のハーバルメディスンに関する動向を占う会議ともなるため、同会議の動勢を注視していく必要があると思われる。

    〔ここでハーバルメディスンの語は、生薬から、処方、さらに生薬を用いた製剤まで幅広く網羅した意味で用いられていた〕

    医療用製剤流通適正化委員会
    委員長 杉浦 計三(カネボウ薬品株式会社)


    「医療用漢方生薬製剤プロモーションコード」の改定作業は、9月3日の当局との面談、14日の委員長会、16日の理事会での承認等11月施行に向け順調に推移して来たが、改訂内容について資料の検討などで、当初予定した時期が1ケ月程度遅れ、11月未発刊、12月1日から施行し、会員会社に配布した。

    一方「流通ビジョン」策定に関しては、櫻井正美氏(製薬協流通適正化委員会)の講演会を通しての情報や「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」等から情報入手を行った。

    医療用製剤教育研修委員会
    委員長 辻本 眞治(株式会社ツムラ)

    『MR漢方教本』の改訂について

    平成16年度の事業として、『MR漠方教本』の改訂作業を開始した。『MR漢方教本』は3部構成になっており、第1部 漢方の基礎と第2部 製剤学は内容に普遍性が高いため、先駆けて改訂作業を進めることにした。1、2部についての改訂作業は、日本薬局方の改定に伴う変更点や誤植部分を中心に改訂し、平成17年3月出版を目標に作業を進めている。作業に当たっては、会員各社に作業分担を割り振り、改訂内容を検討して頂いている。

    第3部は、日漢協のプロモーションコードの改定作業が完了し、薬事法が施行されてから改訂作業をしたほうが効率がよいと判断し、平成17年度の事業にする予定である。

    広報委員会
    委員長 太宰 俊造(株式会社ツムラ)

    当協会の定期刊行物である「ニューズレター62号」、「日漢協ガイド2004年版」ならびにその英語版を発行し、事務局より会員会社、業界団体、行政、マスコミ等に配布して頂いた。

    4月に文京区の文京シビックホールで、慶応義塾大学病院漢方クリニックの渡邉賀子先生をお迎えして開催し、大勢の若い女性で賑わったた第7回市民公開漢方セミナーの内容(冷えと浜万一冷え性は治らないとあきらめていませんか)を小冊子にまとめるとともに、ホームページに動画で掲載した。

    来年度に実施する予定の市民公開漢方セミナーについては、講師、講演内容、場所などがほぼ固まり、講師は前回に引き続き渡邉賀子先生、会場は西日暮里のサニーホールに決まり、平成17年4月6日、午後6時半から開催される。

    一方、6月に富山で日本東洋医学会と共催して行う市民公開講座についても学会と基本的な事項の確認作業を行っている。