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日漢協 ニューズレター 63号

(第21巻 第3号)2005年1月

生薬学教室を訪ねて[34]
循環型社会の構築を目指し、廃棄物に薬用資源を求める研究


北海道医療大学薬学部生薬学教室  間崎教授と野口助手
新医療人育成の北の拠点を目指して

大学名がそのままJRの駅名となっている北海道医療大学は、心理科学部、看護福祉学部、薬学部、歯学部の4学部6学科4研究科を擁する医療系総合大学として確たる地歩を築いています。

昨年、創立30周年を迎えた同大学は、昭和49年(1974)釧路市にほど近い音別町に薬学部単科の東日本学園大学として設立されました。以来、同大学の躍進は著しく、昭和53年には歯学部が開設され、昭和60年に教養部を現在地の当別町に移転・統合。平成5年(1993)には看護福祉学部を開設。翌年、大学の名称を現在の校名に変更。平成14年に心理科学部を開設、今夏には大学病院のオープンが予定されています。

日本最北端に位置する薬学部として知られる同薬学部は、JR札幌駅から学園都市線で約45分、石狩郡当別町の自然に恵まれた約30万の広大なキャンパスの一角にあります。

平成8年には医薬科学と医療科学をトータルに理解し、「保健と医療と福祉」を総合的に考える薬剤師の養成を目的に、従来の薬学科・衛生薬学科を総合薬学科として統合。基礎科学、医療科学社会科学を広く理解した、時代が求める新医療人の育成に取り組んでいます。

同学部は国家試験合格率の高さでもつとに知られています。過去8年間で連続ベスト10位以内の成績を収め、また、この期間中に第1位を4回記録しています。
鮭、コンプ、ホタテ等、地域密着の研究に注力

生薬学教室は昭和50年10月の専門課程発足と同時に開設され、久田末雄教授、西部三省教授の下にスタート。生薬中のリグナン、フラボノイド、タンニンなどのフェノール性成分の単離、構造解析、生理活性解析などの研究が26年余り続けられてきました。

初代薬学部長の木村康一教授とともに名城大学から赴任された関崎春雄教授が西部教授の後を継がれたのは平成15年、以後、関崎教授を筆頭に、堀田清助教授、野口由香里助手、大学院生4名、4年生11名で研究に勤しんでいます。

現在、取り組んでいるテーマは、「21世紀にふさわしい、地域に密着した分かりやすい研究」こそが求められているとの考えから、

  • 環境汚染の無い循環型社会の構築を目指した廃棄物に薬用資源を求める研究

  • 絶滅危惧種の遺伝子および系統保存の研究

    以上の研究をメーンにしています。具体的には北海道産養殖コンプ仮根に含まれる成分ならびにその機能性の研究や鮭やホタテなど、北海道特産の食材の廃棄物の研究であり、既に幾多の成果を上げています。

    薬用植物園の充実にも尽力され、特に、北方系生薬のウラルカンゾウ、ミシマサイコ、ゲンチアナ、ダイオウ、ムラサキ、トウキなど遺伝子資源の系統保存を積極的に行い、道民をはじめ内外からも高い評価を得ています。