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日漢協 ニューズレター 64号

(第22巻 第1号)2005年5月

日漢協専門委員会 活動状況報告


総務委員会
委員長 足立 保敬(株式会社ツムラ)

総務委員会では昨年度、協会諸規則の見直し・制定、薬剤経済学的視点からの漢方製剤の評価研究の推進を主たる事業として実施した。諸規則については、就業規則、出張旅費内規の改定並びに慶弔内規の新設を行ったが、引き続きその他規則についても検討を行うこととしている。

薬剤経済学的視点からの漢方製剤の評価研究については、第一ステップの消費者・医師に対する認識度調査を終了し、17年度には医師を含めた専門家による評価研究・活用検討段階に入る予定である。

また、17年度事業計画・予算の策定に向け、各委員会にその計画・予算の提出を依頼すると共に、2月9日および3月7日の両日総務委員会を開催し、検討した。

2月9日には、総務委員会の17年度事業および予算について検討し、3月7日には5月の総会に向け、16年度協会収支見込に加え各委員会から提出された17年度計画・予算を含め日漢協17年度事業計画・予算計画について詳細に検討した。

16年度収支については、事業費のウエイトが高まってきているものの、計画内に収まり、ほぼ妥当な線で落ち着く見通しである。

17年度予算についても各委員会の要請に対し、おおむね対応することが可能であり、全体としてほぼ前年同等の水準で編成できる見通しである。

国際委員会
委員長 木下 行(本草製薬株式会社)

東南アジアからの研修受け入れ

11月19日国際厚生事業団の依頼により、東南アジアからの研修者に、「必須医薬品品質管理」の研修を行った内容を下記に示す。

1)伝統薬の歴史的変遷、その種類と代表例(生薬の分類、使用される生薬、伝統薬の分類)

2)漢方・生薬製剤の製造管理及び品質管理(GMP)について

3)医療用漢方エキス製剤GMPについて

  • 漢方GMPの生薬管理責任者

  • 原料用生薬の品質確保

  • 漢方エキス製造工程の製造管理および品質管理

  • 製剤化工程の製造管理及び品質管理

  • 漢方エキス製剤の試験について

  • 漢方エキスの微生物制御

    4)医薬品GMPとバリデーション

    参考として提供した「生薬管理責任者のためのハンドブック」は好評であったため日漢協より国際厚生事業団に提供した。

    FDA植物薬ガイダンス

    「FDA植物薬ガイダンス」について、小冊子作成へ具体化に向け討議を重ねている、
    特に、1)生薬原料 2)生薬原薬 3)生薬製剤 4)配合製剤規則 5)医薬品としての生薬製剤を中心として検討していきたい。

  • 企画委員会
    委員長 松本 良三(小太郎漢方製薬株式会社)

    講演会の開催

    (1)11月18日大阪薬業クラブにおいて「新たな甘草資源の開発−栽培甘草の実用化−」と題し、栃本天海堂品質管理部 山本豊氏に講演していただいた。第21回和漢医薬学会大会富山大会における学術奨励賞の受賞講演をベースに中国内蒙古自治区における栽培実験並びにこれら甘草の物性規格分析、薬理・生物薬剤学的検討を踏まえた評価についてお請いただいた。

    (2)12月17日大阪薬業クラブにおいて大阪生薬協会と合同で「改正薬事法の施行に向けて−その対応−」と題し、大阪府薬務課医薬品生産グループ西郷寿総括主査、木村和也主査、岩田浩幸技師に講演していただいた。GVP・GQP省令の概要説明、大阪府の運用として、繰上更新、事前説明が行われ、その後、両協会から事前に提出されていた約60の質問にお答えいただいた。

    (3)1月20日、KKRHOTEL TOKYOにおいて「最近の医薬品行政をめぐる諸問題について」と題し、厚生労働省審査管理課紀平哲也化粧品専門官に講演していただいた。改正薬事法並びに施行規則の骨子についてわかりやすく説明していただいた。また、セルフメディケーションの動向について販売制度検討会等の状況やOTC薬を左右する要因等についてわかりやすくお話しいただいた。

    漢方製剤等の生産動態の作成

    平成15年「薬事工業生産動態統計年報」から小冊子「漢方製剤等の生産動態」を作成し、会員会社に配布した。

    技術委員会
    委員長 佐々木 博(株式会社ツムラ)

    「保健医療上重要な医薬品の全面的収載」をめざした第15改正日本薬局方(平成18年4月告示)の改定作業が最終段階に入っている。漢方製剤については、生薬等委員会傘下に設置された「漢方処方の原案作成WG」(座長:合田生薬部長)および技術委員会・試験法部会を中心に収載処方の各条原案の作成作業が行われてきた。この程、Aランク5処方(葛根湯、黄連解毒湯、小青竜湯、芍薬甘草湯および大黄甘草湯)、並びにBランク5処方(小柴胡湯、加味逍遥散、苓桂朮甘湯、補中益気湯および柴苓湯)の各条原案が固まり、それぞれ『JPフォーラム14.1』(3月発刊)および『JPフォーラム14.2』(6月発刊)に掲載される。今後、16局に向けて収載候補処方の選定作業が開始される。

    平成15年6月、サンシュユなど4種の生薬に残留農薬が検出され、マスコミにも取りあげられた。不純物試験法部会では、残留農薬に関する日漢協自主基準を策定すべく検討を重ねてきたが、3月の理事会で「漢方・生薬製剤の残留農薬(有機塩素系、有機リン系およびピレスロイド系農薬)に関する自主基準」が審議され、6月からの実施にむけ準備することとなった。あわせて生薬の残留農薬についても自主基準が設定され、同日実施された(詳細は生薬委員会報告を参照)。

    昨年末、改正薬事法完全施行に向けてGMP省令が発出された。これを受けてGMP部会では上乗せ基準である漢方GMPの見直しを行っている。また3月に『生薬管理責任者のためのハンドブック第4部』(23生薬を掲載)を発行した。『ハンドブック』については、この第4部をもって一応終了とする。

    生薬委員会
    委員長 伊藤 親(株式会社ウチダ和漢薬)

    栽培部会

    日本産薬用作物の“改正農薬取締法”への対応について、“栽培と品質評価”の改訂版、GACP等厚生労働省主体での対応を相談した結果、“改正農薬取締法”施工後2年近く経過している現在の状況では無理であることが判った。

    そこで農薬取締法上の適用作物表の大分類における野菜類への編入を目的に、野菜類編入希望品目リストを作成した。現在当該リストをもとに農林水産省及び農薬検査所と協議中である。

    一方栽培振興に関しては、日本産薬用作物の栽培技術の保全、GACPによる栽培管理等を目的に活動を始めることになった。

    品質部会

    残留農薬における生薬の協会自主基準策定の第1弾として、11生薬(15品目)について6月からの施行を目指し活動している。

    流通部会

    4月の改正薬事法における500g包装の製造専用・製剤原料生薬についての対応として、厚生労働省医薬食品局審査管理課より「新たなカテゴリー」を設けるのではなく、現行の枠の中での対応という打診を受けて現在協議中である。また“生薬薬価”については、“生薬薬価への要望書”を作成し、これをもとに今後関係委員会の協力を仰ぎながら厚生労働省と折衝を始める予定である。

    薬制委員会
    委員長 巽 義男(カネボウ薬品株式会社)

    平成17年4月1日施行の改正薬事法関連で、平成16年12月20日付で「医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施に関する基準(GPSP)」、12月24日付で「医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準(GMP)」が告示され、施行に係る基準が出そろった。

    平成17年2月10日付で薬事法49条第1項の規定に基づく処方せん医薬品が指定され、漢方生薬製剤は処方せん医薬品以外に分類されたことより第2種医薬品に該当することとなった。

    申請書記載事項に関する指針が審査管理課長名で2月10日付にて発出され、4月以降の製造販売承認申請に際しては、一般用医薬品及び生薬については、製造方法欄に製造場所及び製造工程の範囲を記載すればよいこととされた。医療用医薬品については一部変更申請と軽微変更届の対象事項を区別して設定しておく必要がある。

    一般用医薬品の販売制度改正検討部会は専門委員会で検討された「一般用医薬品の相対的なリスクの評価方法」について了承し、今後は47製品群についてリスクの程度が分類される予定である。一方、諸外国における医薬品販売制度の調査や薬局等の販売業と消費者に対するアンケート調査も実施され我が国の販売制度を改正する際の参考とされる見込み。

    再評価委員会
    委員長 上之園秀基(株式会社ツムラ)

    審議中の再評価10試験の処方名と疾患・症状名は以下の通りである。

  • 黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」

  • 桂枝加芍薬湯「過敏性腸症候群」

  • 芍薬甘草湯「肝硬変に伴う筋痙攣」「月経痛」

  • 小柴胡湯「感冒」「胃炎」

  • 小青竜湯「気管支炎」

  • 白虎加人参湯「薬剤性口渇」「アトピー性皮膚炎の熱感・口渇」

  • 六君子湯「上部消化管機能異常」

    平成16年2月に厚生労働省へ提出した提言書「医療用漢方製剤の再評価にあたって」の主旨に基づく委員会の活動方針については、現在ワーキンググループ(平成16年12月9日に第6回会議を開催)で取り纏めの作業を行っているところである。その作業のひとつとして、これまでの医療用漢方製剤の適正使用推進への取り組み状況を冊子に纏め、今後の情報提供に活用していくことを第15回再評価委員会(平成17年2月17日に開催)にて確認した。

  • 医療用製剤委員会
    委員長 丸木 希望(株式会社ツムラ)

    医療用製剤委員会

    一般用製剤委員会に協力し、一般用医薬品210処方のしばり・効能効果の見直しを行い、日漢協原案を作成した。この処方原案を基に厚生科学研究班会議で見直しが検討された。

    改正薬事法における処方せん医薬品の指定につき、薬制委員会と共同で情報収集と今後の影響等に関する検討を行った。

    保険薬価研究部会

    最低薬価ルール設定への取り組みに関し、昨年まとめた日漢協内のたたき台の再確認と、今後の活動計画の検討を行なった。

    「混合診療の解禁」及び「特定療養費制度」の議論、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会、社会保障審議会の医療保険部会・医療部会等の審議状況や処方せん医薬品の指定に関し状況を逐次説明した。

    有用性研究部会

    平成17年度日漢協研究助成の募集は、平成16年12月8日に締め切り、81件の応募があった。この件数は過去最高(平成16年度の約1.5倍)であり、研究助成事業が着実に浸透していることの証である。事務局予備査読、選考委員事前審査を経て、2月18日の選考委員会において最終審査が行なわれ、助成金額50万円2件、助成金額30万円7件、計9件が選考された。3月17日の理事会での了承をもって、最終決定がなされた。

    効能効果の整備は、第14回〜第20回WGで全148処方の効能効果、臨床論文の検討及び取りまとめが終了した。本WGの活動を日漢協内部資料として冊子にまとめた。

    医療用漢方製剤改良検討班

    「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」の改正に関し、厚労省審査管理課から意見募集がなされたが、これに対し、日漢協として意見を出すかどうか検討を行なった。しかし、ガイドラインは新薬を中心に組み立てられており、今回は意見を出すことは見送ることとした。

    一般用製剤委員会
    委員長 大窪 敏樹(カネボウ薬品株式会社)

    (1)くすり相談部会

    漢方・生薬製剤の相談事例の検討を行っているが、収集した検討事例69例について「一般用漢方生薬製剤相談事例集Q&A」(第二集)にまとめ発行した。

    (2)処方部会(一般用漢方210処方の整備)

    厚生労働科学研究『一般用漢方処方の見直しに資するための有用性評価(EBM確保)手法及び安全性確保に関する研究』(平成15〜17年)〔主任研究者:国立医薬品食品衛生研究所 合田生薬部長〕に協力研究員として参画し、活動を進めている。

    本研究に関する活動を以下に記す。

    1)一般用漢方処方の有用性評価のための手法の確立

    葛根湯を用いた調査が10月〜12月の期間で行われ、約70症例が集積された。(調査薬局:12薬局)今年度の調査で得た改善点を踏まえ、17年度は猪苓湯を用いて調査を行う予定である。

    2)一般用漢方処方の見直し

    研究班会議が開催され、現行210処方の効能・効果等の見直しが行われている。5回の会議で全210処方の検討が一通り終了し、中間報告にまとめられる予定である。また、新規83処方については文献調査を終え、現在作業用原稿(文献調査結果まとめ)の作成を進めており、4月より研究班で検討される予定である。

    安全性委員会
    委員長 篠原 宣(株式会社ツムラ)

    一般用医薬品の防風通聖散は肥満症の治療薬として従来から人気があったと思われるが、近年、医療用医薬品の防風通聖散も肥満症の治療に多く用いられるようになってきた。

    それに伴って、肝機能障害の副作用発生が増加傾向にあることが推定されたため、安全性委員会として平成16年1月に会員会社における防風通聖散の副作用報告症例の調査を行うと共にその解析を行った。

    その結果、使用量の増加以上に副作用の発生が増加しており、その原因の一部に不適正な使用方法が関係しているのではないかということが推定された。そこで、当局とも協議した結果、「肥満症」の適応のある医療用防風通聖散を製造する会社は、「医療用漢方製剤防風通聖散を肥満症に投与するときの留意点」というA4サイズの下敷きを用いて適正使用のための注意喚起を図ることにした。

    また、一般用防風通聖散を製造する会員会社は、医療用の下敷きに準じたリーフレットを用いて同時期に注意喚起することになった。適正使用のポイントは、

    1)肥満症の診断基準を満たした患者様に投与していただくこと

    2)肥満症でも防風通聖散の証(体質・症状)を考慮して投与していただくこと

    3)薬剤性肝障害に注意していただくこと

    の以上三点であった。このための情報提供は昨年の9月13日から10月29日の間に行われた。その後の経過を慎重に見守っているが、防風通聖散による肝障害の発生はほとんど収まってきた様子であり、服用していただいている患者様のために喜ばしい限りである。今回の注意喚起が功を奏したと判断される。

    医療用製剤流通適正化委員会
    委員長 杉浦 計三(カネボウ薬品株式会社)

    「医療用漢方生薬製剤プロモーションコード」については12月1日より施行されたが、会員会社における活用の利便性を考慮し、電子データを作成し希望する会社に送付することとした。また、会員会社の教育研修の一環として改訂版用試験案を作成し活用を図ることとした。

    「流通ビジョン」策定に関しては、医薬品関係業界の状況が流動的となっているため四囲の状況を見極めた上で策定に入ることとし、しばらくの間、凍結することとした。

    2月開催の委員会では17年度の事業計画について討議した。年6回の会議開催と外部情報と研究のため講演会を3回開催することにした。また、当日は「医療行政の動向」について塩見惇二氏の講演を行った。時宜を得た内容であり、委員にとって有意義な講演であった。

    医療用製剤教育研修委員会
    委員長 辻本 眞治(株式会社ツムラ)

    『MR漢方教本』の改訂について

    平成16年度の事業として、取り組んでいた『MR漢方教本』改訂の作業が終了し、第3版が完成した。『MR漢方教本』は3部構成になっており、第1部 漢方の基礎、第2部 製剤学は内容に普遍性が高いため、先駆けて改訂作業を進めていた。

    この1、2部の改訂点は、主に日本薬局方の改定に伴う変更点や日漢協発信の「漢方等の用語」、生薬・漢方製剤の服薬Q&Aを追加した点である。

    作業に当たっては、委員各社に分担で作業をして頂き、1部と2部を合本にした改訂版『MR漢方教本I』として3月に印刷を完了した。会員会社からの希望数量の受付も終了し、3月末に送付した。

    尚、分冊とする第3部「添付文書・制度・その他」は、改正薬事法が施行された平成17年度から改訂作業を進め、『MR漢方教本II』として発刊する予定である。

    広報委員会
    委員長 太宰 俊造(株式会社ツムラ)

    第8回目を迎えた市民公開漢方セミナーを4月6日に日暮里サニーホールにて開催した。

    今年度も昨年に引き続き、慶応義塾大学病院 漢方クリニックの渡邉賀子先生に講演をしていただいた。「加齢と漢方」と題して、加齢は若い時からすでに始まっていること。加齢を防ぐにはどうすれば良いか等を途中に体操を交えながら分りやすく語っていただいた。昨年と同様、働く女性の漢方への関心の高まりを受け、仕事が終わってから聴講できるように夕刻からの講演とした。

    5月に富山で開催される日本東洋医学会の学術総会で共催する、市民公開講座の準備を行った。講演は北里研究所東洋医学総合研究所の花輪壽彦先生と富山医科薬科大学の小松かつ子先生に、それぞれ「抗老化と漢方」、「生薬は生きている」と題して行っていただく。

    医療用製剤委員会が進めている研究助成の17年度の助成テーマが選定されたことを受け、マスコミに発表するとともにホームページにも掲載した。また、医療用製剤教育研修委員会が制作した「漢方MR教本I」についてもマスコミに発表した。