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日漢協 ニューズレター 65号

(第22巻 第2号)2005年9月

ご挨拶  安心して使用していただけるより安全な漢方・生薬製剤を目指して

日本漢方生薬製剤協会 会長
風間 八左衛門

一昨年来、生薬を中心とした漢方・生薬製剤における残留農薬問題に対して、世間の関心が急速に高まってきており、協会としてもその対応が急がれていました。

当協会では、平成8年に人参(ニンジン)ならびにセンナを配合する漢方製剤および生薬製剤を対象として、有機塩素系農薬(総DDT、総BHC)に関する自主基準を設け、その運用を行ってまいりました。ほぼ同時期に、日本薬局方の人参、人参末、紅参(コウジン)、センナおよびセンナ末の5生薬に有機塩素系農薬(上記2種)の残留基準が設けられ、生薬レベルでも安全の確認がなされてきました。

今般、対象農薬を有機リン系農薬(パラチオンなど4種)とピレスロイド系農薬(フェンバレレートなど2種)に拡大するとともに、有機塩素系農薬(上記2種)に対しては、適用範囲を、従来の人参、センナを配合する漢方製剤から、黄耆(オウギ)、遠志(オンジ)、甘草(カンゾウ)など11生薬を配合する製剤にまで広げ、新たな自主基準を定めました。また、原料生薬に対しても、黄耆など11生薬に有機塩素系農薬の残留自主基準を設定し、6月よりその運用を行っています。

このような自主基準策定への取り組みは、当局とも調整の上で作業を進めています。残留農薬への取り組みは、もちろん今回の自主基準策定で終了するわけではなく、引き続き対象生薬や農薬種を拡大してまいります。今後も生薬や漢方・生薬製剤の安全性をさらに高めていきたいと考えております。

一方、原料生薬はその約8割を中国から輸入していますので、この秋口に、当協会よりミッションを派遣し、国家薬品食品監督管理局(SFDA)など関係当局に当協会の取り組みを説明するとともに、低農薬生薬の安定供給を協力要請してまいる計画です。

さて、当協会の社会貢献事業の一つとして平成15年度より行っております「日本漢方生薬製剤協会 研究助成」を平成18年度も行うべく、テーマの募集を開始いたします。平成17年度は過去最高となる81件の応募をいただき、厳正なる選考の結果9件のテーマが助成対象として選ばれました。当助成事業も本年で4年目を迎え、年々応募していただくテーマの数も増加しており、当事業が確実に浸透してきていることが実感されています。

日本漢方生薬製剤協会は、今後も数々の活動を通じて 「漢方の普及から定着へ」をキーワードに、国民の皆様の医療と健康に貢献してまいりたいと考えております。

(株式会社ツムラ 会長)