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日漢協 ニューズレター 66号

(第22巻 第3号)2006年1月

巻頭言  新年のご挨拶

厚生労働省
医薬食品局長

福井 和夫

新年明けましておめでとうございます。

超高齢化社会の到来を目前に控え、近年、国民の健康に対する意識や関心が高まっている中で、医薬食品行政を担当する者として、その責任の重さを改めて実感しております。安全で有効な優れた医薬品等の迅速かつ安定した供給や食品の安全確保など、日々高まる医薬食品行政に対する国民の皆様のご期待に沿えるよう、各種施策に全力で取り組んでまいります。

第一に、一般用医薬品の販売制度について見直しを行います。

一般用医薬品を取り巻く環境の変化、薬学教育6年制の導入に伴う薬剤師の専門性の一層の向上といった背景の下、医薬品のリスクの程度に応じて、専門家が関与し、適切な情報提供等がなされる実効性のある制度を構築するため、平成16年5月に厚生科学審議会に医薬品販売制度改正検討部会が設置され、昨年12月に同部会の報告書が取りまとめられました。この報告書を踏まえ、安全性の確保を前提とし、利便性にも配慮しつつ、国民による医薬品の適切な選択と適正な使用に資するよう体制を整備することとしております。

第二に、違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)対策の充実・強化を図ってまいります。

違法ドラッグについては近年、青少年を中心にその乱用が拡大する傾向にあり、その使用は、麻薬や覚せい剤のゲートウェイ(入り口)になるおそれもあることから、早急に対策を講じる必要があります。これまで、買上調査やインターネット監視等を通じて必要な指導を行ってきたところですが、今後、流通規制の強化や、より迅速な取締りのための仕組みの整備など、更なる対策の強化を進めることとしております。

一般用医薬品の販売制度の見直しと違法ドラッグ対策の充実・強化につきましては、所要の法律案を次期通常国会に提出することとしております。

第三に、薬剤師の資質向上を図るとともに、薬局機能を強化してまいります。

近年の医療技術の高度化、医薬分業の進展等に伴う医薬品の適正使用といった社会的要請に応え得る質の高い薬剤師を養成するため、本年4月から薬学教育6年制が導入されます。その円滑な施行に向け、実務実習の受入体制の確保及び指導薬剤師の養成等、万全を期してまいります。また、薬剤師が強い使命感と高い倫理感をもって、その職能を発揮することができるよう、その資質向上に係る環境整備等を進めてまいります。

併せて、患者本位の医療を実現し、安全、安心で質の高い効率的な医療サービスを提供するための改革を進める中で、薬局について医薬品等の供給拠点として地域医療に一層貢献していくよう医療提供施設として位置付けることとしております。

第四に、医薬品等の安全対策の充実に引き続き取り組んでまいります。

医療機関、学会、企業等と連携し、平成17年度から取り組んでいる重篤な副作用の早期発見、早期治療に資するマニュアルの作成等を引き続き進めていくとともに、新規の医薬品の市販直後の安全対策の充実・強化を図るなど、予測・予防型の積極的な安全対策を実施してまいります。

第五に、承認審査体制の充実・強化に引き続き取り組んでまいります。

より優れた医薬品等を、より早く、より安全に国民に提供できるよう、独立行政法人医薬品医療機器総合機構における承認審査体制を充実・強化するため、審査担当者を計画的に増員するとともに、研修の実施等による質の向上を図ってまいります。

第六に、治験環境の整備を引き続き進めてまいります。

医薬品の開発に不可欠な治験について、より円滑な実施に必要な方策を検討するため、昨年3月に「治験のありかたに関する検討会」を設置し、まずは、昨年10月に医師主導治験の運用改善に関する具体的な方策をとりまとめたところであります。引き続き、治験審査委員会の見直し等の課題について検討を重ね、必要な措置を講じてまいります。

第七に、血液事業の推進に引き続き取り組んでまいります。

血液事業につきましては、国民医療に不可欠な血液製剤の安定供給を確保するため、若年層を中心とした広報啓発活動の強化等により、献血の構造改革を推進してまいります。

最後に、食品の安全対策につきましては、国民の健康の保護を図るべく、関係行政機関と連携しつつ、消費者等とのリスクコミュニケーションを重視しながら、リスク管理機関として科学的合理性に基づき、BSE対策や食品中の残留農薬に係るポジティブリスト制度の導入等、各般の施策に取り組んでまいります。

このように、医薬食品行政は多くの課題を抱えておりますが、これらの課題の一つ一つに全力で取り組む決意でございます。

本年も、医薬食品行政に対する皆様の一層のご支援、ご協力をお願いいたしますとともに、皆様方のますますのご発展とご多幸をお祈りいたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。