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日漢協 ニューズレター 68号

(第23巻 第2号)2006年9月

ご挨拶  副会長就任にあたりて

日本漢方生薬製剤協会 副会長
大西 重樹

本年5月に日本漢方生薬製剤協会副会長の重責を担うことになりましたので、一言、ご挨拶申し上げます。

先ずは、自己紹介させて頂きますが、私は昭和46年にカネボウ(株)に入社以来、約35年間にわたり化粧品・ハウスホールド商品の研究開発に従事してまいりました。本年4月に現在の薬品事業を担当するとともに、当協会の副会長に就任させて頂いております。経歴からもお判りのように、薬品事業のみならず、漢方薬事業につきましても全くの素人であります。風間会長をはじめ会員の皆様方の足手まといとならないよう、業界の発展のため微力ではありますが、精一杯勤めさせていただきますので、宜しくお願い申し上げます。

さて、漢方薬の門外漢でありました私が、ここ数ヶ月間で感じたこと、考えたことの一端を申し述べさせて頂きます。

業界を取り巻く環境には、残留農薬の課題をはじめとする品質確保の問題や、原料資源の大半を中国に依存しているという現実、さらには、薬価の下落など、会員各社様にとっても頭を悩ます課題が山積しています。また、漢方薬の効能効果の作用機序について、いわゆる、西洋医学的な発想の枠から脱しきれない消費者の理解不足などを痛感しております。業界の諸先輩の方々がご覧になられれば当然のことでしょうが、化粧品という一見華やかな業界に長年属してきた身の人間から見ますと、漢方薬の業界は取り組む課題はあるものの、まだまだ未開拓の市場が広がっていると思えてなりませんし、併せて漢方・生薬製剤は消費者が待ち望んでいる商品であるように映ります。

一方、漢方薬の将来性を展望するにあたり、伝統医療が現在も健全に存在していることの事実を抜きにして考えることはできません。すなわち、病気や健康観は気候風土と密接に関連しており、これに対応する漢方薬は文化性の高い商品といえますし、伝統的な治療法は地域密着型の医療技術であるという見方もできるように思います。

漢方薬に限らずどのような商品や技術であっても、数千年の歴史をもっているものには、現代科学では完全に解明されていないとしても、必ず、何らかの真実や真理が存在していると言えます。漢方薬という技術は「使い方」の正しい理解と実践が必須であるという特徴があります。私たちの業界で取り扱う漢方薬が消費者にベネフィットを与え、使って良かったと思って頂けるためにも、当協会の果たすべき役割がますます重要となる時代を迎えるものと考えています。

既に、当協会主催の市民講座や東洋医学会との共催による市民講座をはじめ、生活者むけ小冊子「漢方の上手なおつきあい」や本年度刊行予定の「ストレスと漢方」など、精力的な活動が展開されていると伺っております。漢方・生薬製剤に対する経験のない新参者ですが、既に展開されているこれらの業界活動について、些かでもお役に立てるよう精進して参りますので、ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げ、ご挨拶とさせて頂きます。

(カネボウ薬品株式会社 社長)