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日漢協 ニューズレター 69号

(第23巻 第3号)2007年1月

新年のご挨拶  新年あけましておめでとうございます。

厚生労働省
医薬食品局長

高橋 直人

国民の健康に対する意識の高まりなどを背景に、近年、医薬品や食品の安全性等に対する国民の関心はますます高まっております。同時に、急速な少子高齢化の進行、科学技術の進歩など、医薬食品行政を取り巻く環境も大きく変化しております。

こうした中、医薬食品行政を担当する者として、その責任の重さを改めて実感しております。優れた医薬品等の迅速かつ安定した供給や食品の安全確保など、日々高まる医薬食品行政に対する国民の皆様のご期待に沿えるよう、各種施策に全力で取り組んでまいります。

第一に、承認審査の迅速化、その体制の充実・強化に引き続き取り組んでまいります。

昨今、優れた医薬品を早く国民に提供するようにとの要請が高まっております。これまで「未承認薬使用問題検討会議」を中心とした取り組みを行ってまいりましたが、優れた医薬品を国民へ迅速に提供できるよう、承認システムなどの全般的な見直しを行うため、昨年10月に「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」が設置されました。

有効で安全な医薬品を迅速に提供するため承認審査の方針や基準の明確化、市販後安全対策等の充実、治験相談・承認審査体制の充実などについて幅広く検討を行ってまいります。

また、医療機器につきましても、「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」を設置したところであり、医療ニーズの高い未承認医療機器等の早期導入に向けて、検討を行ってまいります。

設立から3年目となる独立行政法人医薬品医療機器総合機構におきましては、公募による専門職員の計画的な確保を進めるとともに、職員の質の向上を図るなど、引き続き体制の整備・充実を図ってまいります。

欧米と肩を並べることのできる医薬品承認システムの構築に努力してまいりたいと考えております。

第二に、薬剤師の資質向上を図るとともに、社会における薬局の役割を強化してまいります。

近年の医療技術の高度化と専門化に対応すべく、より高度な知識や技術を有する薬剤師を養成するため、薬剤師の生涯研修をより一層進めていくとともに、薬学教育6年制の円滑な実施にむけた積極的な取り組みを推進していくことを通じて、薬剤師の継続的な資質向上に努めてまいります。

また、医療制度改革の一環として、薬局が医療提供施設に位置付けられたことを踏まえ、医薬分業、在宅医療の更なる推進に向け、薬局の地域におけるかかりつけとしての役割強化のため、必要な施策を講じてまいります。

第三に、先の通常国会におきまして、一般用医薬品販売制度の見直しと違法ドラッグ対策を内容とする「薬事法の一部を改正する法律」が成立したところであり、その施行に向けた準備に万全を期したいと考えております。

一般用医薬品の販売制度につきましては、国民による医薬品の適切な選択と適正な使用に資するよう、医薬品のリスクの程度に応じて専門家が関与し、適切な情報提供と相談体制を整備する等、販売制度全般の見直しがなされました。

制度改正全体の施行に向けて、まず、一般用医薬品のリスク分類について、本年4月まで行うこととしているほか、他の事項に関しても順次、着実に準備を進めていくこととしております。

違法ドラッグについては、幻覚等の作用を有する蓋然性の高い物質を指定し、製造,輸入、販売等を禁止するなど、迅速かつ実効ある取締まりを担保する仕組みが整備されました。現在、本年4月1日の施行に向け、制度の円滑な実施へ向け準備を進めております。

第四に、医薬品等の安全対策の充実に引き続き取り組んでまいります。

医療機関、学会、企業等と連携し、重篤な副作用の早期発見、早期治療に資するマニュアルを作成する、また、新規性のある医薬品について、直接、医療現場から使用状況等の情報を入手・評価し、市販直後の安全対策の充実・強化を図るなど、予測・予防型の積極的な安全対策を実施してまいります。

第五に、血液事業の推進に引き続き取り組んでまいります。

血液事業につきましては、国民医療に不可欠な血液製剤の安定供給を確保するため、若年層を中心とした広報啓発活動の強化等により、引き続き献血の構造改革を推進してまいります。

第六に、新型インフルエンザの発生に備えた諸般の対策に取り組んでまいります。

新型インフルエンザ対策につきましては、鳥インフルエンザ等に関する関係省庁対策会議および厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部を軸として、諸般の施策に取り組んでいるところであり、医薬食品局といたしましては、同本部の方針に基づき、新型インフルエンザの発生に備えたプレパンデミックワクチンの製造・供給の確保に遺漏のないよう万全を期してまいります。

最後に、食品の安全対策につきましては、国民の健康の保護を図るべく、関係行政機関と連携しつつ、消費者等とのリスクコミュニケーションを重視しながら、リスク管理機関として科学的合理性に基づき、BSE対策や食品中の残留農薬に係るポジティブリスト制度の適切かつ円滑な実施等、各般の施策に取り組んでまいります。

このように、医薬食品行政は多くの課題を抱えておりますが、これらの課題の一つ一つに全力で取り組む決意でございます。

本年も、医薬食品行政に対する皆様の一層のご支援、ご協力をお願いいたしますとともに、皆様方のますますのご発展とご多幸をお祈りいたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。