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日漢協 ニューズレター 69号

(第23巻 第3号)2007年1月

生薬学教室を訪ねて[40]
天然薬物からの生物活性成分の探索


同志社女子大学薬学部生薬学研究室  小西 天二 教授
キリスト教主義、国際主義、リベラル・アーツ

慶応義塾大学の福沢諭吉、早稲田大学の大隈重信と並び、明治の三大教育者と言われる新島襄がアメリカから帰国して、明治8年(1875)に同志社大学の前身・同志社英学校を開校した翌年、同志社女子大学は「女子塾(Kioto home)」として呱呱の声を挙げました。

その後、同志社分校女紅場、同志社女学校と名称が変更され、同45年に専門学校令により同志社女学校専門部となり、英文科と家政科が設置されています。昭和5年(1930)には同志社女子専門学校と改称。同24年、新学制のもと同志社女子大学となって学芸学部(英文学専攻、音楽専攻、食物学専攻)が開設されました。

開学当初、寄宿生4人を含む12人の生徒からスタートした同校は、131周年を迎える現在、学芸学部に加え、生活科学部(旧家政学部)、現代社会学部、薬学部の4学部、9学科を擁する総合大学として多彩な人材を輩出、6000人余の学生が京都御苑の北に面する今出川キャンパスと、関西文化学術研究都市エリアに設けられた京田辺キャンパスの二つのキャンパスで学んでいます。本年4月には学芸学部に国際教養学科が設置される予定になっています。
“人間としての力”を備えた女子薬剤師

隣人を愛し、他者に仕える心を育む「キリスト教主義」、グローバルな視点から人類共生への道筋を探る「国際主義」、幅広く奥行きの深い人間性を育む「リベラル・アーツ」、この三つの教育理念の下、薬学部医療薬学科が開設されたのは平成17年(2005)でした。

名古屋の金城学院大学とともにキリスト系の大学として初めて開設された薬学部であり、キリスト教の精神である人間尊重・生命尊重を最優先に考え、国際化の進む21世紀の社会において活躍できる“人間としての力”を備えた女子薬剤師の育成をめざしています。

化学系、生物系、臨床系それぞれ5つ、15の研究室からなる同学部は、緑ゆたかな京田辺キャンパスにあり、憩水館と名付けられた実験実習棟には、模擬薬局や模擬病棟実習室など、新しい時代を担う薬剤師の育成に向けた最新の施設・設備が揃っています。

生薬学研究室は、京都薬科大学の天然薬物資源学教室助教授だった小西天二教授と前富山医科薬科大学和漢薬研究所薬物代謝工学部門助教授の中村憲夫助教授の二人が担当され、本年より学生が加わり、本格的に稼働します。

「昨今、医学部で漢方がカリキュラムに入ったり、医薬品の副作用問題などから漢方、生薬に関心のある学生が増え、人気があります。今のところ10名前後の学生が入りたいと希望しています」

小西教授の研究テーマは、
(1)ジテルペノイドを中心とした天然有機化合物の構 造研究
(2)天然薬物に含有する睡眠覚醒作用物質の探索
(3)民間薬からの新たな生活活性成分の探索研究

また、中村助教授は、
(1)天然薬物を基源とする生理活性物質の探索
(2)伝統薬物の有効性の科学的解明

以上をテーマとして研究に勤しんでいます。