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日漢協 ニューズレター 69号

(第23巻 第3号)2007年1月

日漢協の動き


―日漢協講演会(大阪)より―
正倉院薬物の今日的意義 ―開設1250年をふりかえって
大阪大学大学院医学系研究科医学史料室|米田該典先生

平成18年11月16日、大阪市中央区高麗橋のホテル ザベルタで、日漢協講演会(大阪)が開催され、大阪大学大学院医学系研究科医学史料室の米田該典先生が「正倉院薬物の今日的意義−開設1250年をふりかえって−」と題して講演された。

昨年(平成18年)は正倉院開設1250周年にあたり、展覧会が開催されるなど、正倉院がクローズアップされた。


米田先生は正倉院に保存されている宝物や60種類の薬物について、平成6年に行われた学術調査に参加された経験を交えながら、さまざまな事例をあげて語られ、正倉院の凄さを指摘するとともに、薬とは何か、改めて考察したいと結んだ。

訃報 村山慶吉理事(三和生薬株式会社会長)逝去

日本漢方生薬製剤協会理事として長年にわたり、当協会の発展にご尽力された三和生薬株式会社取締役会長の村山慶吉氏が、平成18年10月16日午前8時40分、かねてより病気療養中のところ83歳で永眠されました。
10月18日午後7時より前夜式、10月19日午前11時30分より告別式が栃木県宇都宮市の栃の葉 戸祭ホールでしめやかに執り行われました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
堀 泰助顧問(元副会長)を偲んで

堀泰助氏は誰よりも人の気持ちが分かる人でした。持てなしの心が溢れる人でもありました。恐らく何よりも人が好きだったに違いありません。「世のため、人のため、自分のため」、この救心製薬の社訓を文字通り実践された方でした。

大正11年2月、神田に生まれた氏は、長崎医科大学附属薬学専門部で学び、司令部軍医部衛生隊薬剤官中尉としてビルマに派遣され、昭和22年8月に復員、翌23年4月に救心製薬所に入社されました。

以来、半世紀以上にわたる薬業人としてのご活躍は、平成4年勲四等旭日小綬賞に示されるように人後に落ちません。日漢協にあっても初代の総務委員長の任にあって今日の礎を築き、更に副会長として発展に多大な寄与をされたことは人口に膾炙されています。粋な画人でもあり、その作品は多くの目を楽しませて下さいました。

どうぞ、安らかにお眠りください。
新刊紹介
『漢方流 坊っちゃん』 ―夏目漱石の『坊っちゃん』が生まれ変わった

夏目漱石没後90年、『坊っちゃん』誕生から 100周年に因み、昨年の晩秋、東洋医学舎より刊行された『漢方流坊っちゃん』が人気を呼んでいる。本書は漱石が生涯終生悩まされていた癇癪や胃痛が漢方薬によって完治していたら、全く異質の作品を書いたのではないかという発想のもとに創作されている。

ユーモア、愛、美しい松山、夢と人情に満ちた物語が、130余の漢方方剤と延べ 983の生薬名を織り込みながら天衣無縫に広がってゆく。

作者は漢方専門医で、作家としても知られる佐賀純一氏。漢方の良さを再認識する一冊である。

四六判並製 1995円 本文 522ページ