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日漢協 ニューズレター 71号

(第24巻 第2号)2007年9月

ご挨拶  天然物を「薬」とした生薬

日本漢方生薬製剤協会 副会長
桑野 輝一

我々は古来より、天然に存在する物を利用して「薬」としてきました。それが今日の「生薬」でありますが、この生薬は、大半は植物の全部又は一部を使用しているものが多く、昭和30年代には、日本で栽培されていた黄連・貝母などが日本から中国へ輸出がされていたことも有りましたが、現在は大部分を中国からの輸入に依存しています。天然に生育しているものを採取していましたが、特に地下部を使用する物の採取による資源の減少と自然破壊が問題となり、また、1960年代からの市場経済への移行に伴い、中国での使用量の増加を招き、生産量が不足することで、現在多数の生薬基原植物の栽培化が研究され実施されています。ところが、ここで新たな問題が出てきました。栽培を効率よく行う為に農薬が使用され、この農薬が生薬に残留する問題です。「薬」とし「病」に使用される生薬に、農薬が残留していることは好ましくなく、日漢協としては、各委員会の活動による調査・研究により、残留農薬に関する自主基準を策定し、これを実行することにより、使用する生薬の安全性の確保に努めています。

この生薬は、単味で又は複合で又は漢方処方として、医薬品である医療用医薬品や一般用医薬品、新医薬部外品に、家伝の言い伝えによる民間薬として、また、健康関連食品として幅広く利用され、国民の健康維持に貢献しています。近年特に脚光を浴びている健康関連食品には、生薬由来の天然物が多く使用されています。この為に生薬の消費量は年々増加の一途をたどっています。このように生薬は、国民の健康増進に寄与してきましたが、この生薬の最大の輸出国である中国においても、健康意識の高まりによる使用量の増加、輸入単価の増加、輸入量の確保、品質の向上などを要因とする原料生薬のコストアップの対応に我々一同が努力を重ね、種々の業態の集まりである日漢協が一つになり対応することが肝心であると考えます。

このような情勢の中、日漢協としては、それぞれの委員会が活発に活動し、会員各社の相互利益に貢献してまいります。各会員会社に於かれましても日漢協活動に対してご支援をお願いいたします。

                                                  (日本粉末薬品株式会社 取締役会長)