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日漢協 ニューズレター 71号

(第24巻 第2号)2007年9月

日漢協専門委員会 活動状況報告


総務委員会
委員長 中山 照也(株式会社ツムラ)

日漢協の新しい会費算定ルールを検討する「新会費算定検討班」は、既に8回の検討班会議を開催し、鋭意検討中である。会員によりその解釈に相違が見られた「生薬製剤」の定義については、検討班で案をとりまとめ、会員アンケートを実施して定義を確定させた。新たな生薬製剤の定義に基づき、再度会費算定のための売上高を申告いただき、これに基づいて新たな算定ルールを検討している。また、今までの検討内容を7月の正副会長会に経過報告し、正副会長よりご指示をいただいた内容を踏まえた検討事項について会員アンケートを行い、会員のご意見を伺う予定にしている。

平成19年度日漢協事業計画に盛り込まれた「日漢協の事業活動を遂行するに相応しい会議体や委員会組織の構築を図る」に対応すべく、「日漢協の委員会組織等検討班(仮称)」の設置を第143回理事会に諮り、承認いただいた。検討班を開始するにあたり現行委員会から班員を選出いただくべく各委員会にお願いし、計13人の班員を8社より選出いただいた。第1回検討班会議を7月31日に開催し、具体的な検討を始めたところである。

日漢協に新規入会された会員が増えたことや、新規会員の主たる業態、日漢協に期待する事業活動の変化などを踏まえ、さらに役員改選の時期でもあることから、これらの状況に対応すべく理事定数・副会長定数を見直し、さらに副会長の役割についても見直すべく第25回総会で審議いただいた。その結果、副会長の定員を2名増員して最大6名以内に、理事の定員を5名増員して最大35名以内とする事にした。さらに、副会長をいろいろな業態会員を代表する会員から選任することとし、当該業態会員の利益増大に資する活動を推進する役割を担っていただくことにした。

国際委員会
委員長 佐々木 博美(株式会社ツムラ)

国際委員会は、旧本草製薬の木下前委員長の辞任を受け、6月度の委員会で新委員長選出を行うことになっていた。副委員長からの選出も議論されたが、諸般の事情を鑑み、最終的に私事(株)ツムラ佐々木 博美を委員長に推挙いただいた。今後、国際委員会は私と、巽副委員長(クラシエ薬品(株))、大島副委員長(大正製薬(株))の新体制で運営されることとなった。新体制の委員会運営方針は、『@日漢協及び国際委員会の既定路線を踏襲する A日漢協他委員会や他業界団体と緊密に連携し、できるだけ効率的な業務の運営にあたる B委員会参加各社が等しく価値のある委員会の運営に努める』とした。

日漢協組織見直しのための検討班設置に際しては、上記Bの方針に基づいて国際委員会の意見を集約し、提言を進めていくために、同検討班委員に小太郎漢方製薬(株)の森 慶二氏を推挙した。

今後の国際委員会の使命として、漢方製剤、生薬製品の高品質性、有効・安全性を世界に訴えていくことが挙げられ、この流れの中で、WHOを介した世界へのPRが重要な地位を占めてきた。国際委員会は日漢協全体の施策方向性を鑑み、他の関連委員会等と協調して目的達成のためのロードマップを作成、検討した内容を理事会に諮っていくことにした。

また、国際厚生事業団関連業務として、今年度も窓口業務に大島副委員長(大正製薬(株))があたることとなった。

企画委員会
委員長 松本 良三(小太郎漢方製薬株式会社)

1.講演会の開催
  (1)平成19年5月17日、KKRホテルトウキョウにおいて「医療・医薬品行政をめぐる動き」と題し、厚生労働省 医
  政局 武田 俊彦経済課長に講演して頂いた。その内容は、医療・介護サービスの質向上・効率化プログラ
  ムの取り組み、主な目標・指標、政策手段や革新的医薬品・医療機器創出のための5か年戦略の概要、ロ
  ードマップについて、詳細に説明頂いた。
  また、市場に着目した産業政策や新医薬品産業ビジョンの論点の例をあげられた。 
  (2)平成19年7月19日理事会終了後に講演会を予定していたが、講師との調整がつかず、今回は講演会を中
  止することとなった。

2.「漢方の新しい展開21」まとめ
  平成13年5月に策定した「漢方の新しい展開21」について、各専門委員会委員長からの5年間の活動成果報告
  をもとに、冊子「漢方の新しい展開215年間の成果と新たな中長期事業計画」としてとりまとめた。また、本冊子
  には平成19年度を初年度とする日漢協の新たな中長期事業計画も盛り込んでいる。なお、本冊子は総会で配
  布するとともに厚生労働省、関係団体等に配布した。

技術委員会
委員長 佐々木 博(株式会社ツムラ)

第十五改正日本薬局方第一追補(平成19年10月施行)収載案について、厚生労働省パブリックコメントが行われた。基本的内容については、平成18年秋に医薬品医療機器総合機構によりパブコメが実施されているので、今回は誤字、脱字等を中心に求めた。漢方薬、生薬関係では、半夏厚朴湯、桂枝茯苓丸のエキスやサンザシなど数生薬が新規収載され、また既収載の[根湯など4処方に軟エキス、約30生薬に純度試験(重金属等)などが追加設定される。

現在、第二追補(平成21年4月施行予定)収載を目標に、八味地黄丸など数種の漢方エキスやコウイ、コウベイの原案作成が進められている。またトウニン、キョウニンなどの成分含量測定法、重金属未設定生薬などについても引き続き検討が行われている。

会員各社で実施した農薬分析データを論文としてまとめ、平成19年6月に『医薬品研究』に投稿した。漢方製剤(第1報)と生薬製剤(第2報)とに分けそれぞれ論述した。いずれの製剤でも一部検体で農薬が検出されたものの、残留自主基準以下のわずかな量で問題はなかったという主旨である。特に問題がなければ6ヶ月程度で掲載されるとのことである。

GMP関連事項がGQP体系下に位置づけられたことから、「GMP部会」を「技術品質部会」と改称した。

ここ数年来、日本薬局方原案審議委員会・製剤委員会では「製剤総則」の改正案を検討してきた。第十六改正日本薬局方改正(平成23年4月施行)を目標に作業が進められており、この程改正原案がまとめられた。改正原案の内容をみると、第十五改正日本薬局方とは大幅に変わっており“大改正”と言ってよい。また、生薬を原料として製せられるエキス剤等は“生薬固有製剤”として括られ、その内容については生薬等委員会で審議が進められることになった。

日漢協としてこれに対応すべく、平成19年7月に関係委員会の横断的プロジェクトチームとして「製剤総則改正対応WG」を設置した。

生薬委員会
委員長 浅間 宏志(株式会社ウチダ和漢薬)

残留農薬への取り組みの一環として、中国での使用農薬調査を始めとする総合的な取り組みを、日漢協における中長期的な課題の一つとして検討することとし、平成19年度はまずケーススタディーとして活動を行っている。また今後の生薬の安定確保への取り組みに関して、医薬基盤研究所及び薬用植物資源研究センター筑波研究部の関係者と種苗を主とした意見交換を行い、今後も意見交換を続けることとなった。

栽培部会
引き続き日漢協版GACP作成を進めている。また中国での生薬に係る法規制について一通り整理・把握が終了しており、今後、会員会社へ参考として発信できるよう検討している。

品質部会
重金属の外部検査機関による機器分析検査を進め、タクシャ、ガジュツなどの結果を委員会内で報告した。引き続き他生薬の把握を進めている。また広報委員会からの依頼により日漢協ホームページの生薬解説について修正を行い、今後1年をかけて全面的な見直しを行う予定である。

流通部会
生産動態記載の漢方処方(特掲医薬品)の生産数量から推定した平成13年?16年分の使用生薬量をまとめたが、平成17年生産動態の集計方法が変更となったため、今後の進め方について検討している。なお平成13年?16年分の使用生薬量は、日漢協資料として開示予定である。生薬薬価に関して、医療用製剤委員会との連携のもと日本製薬団体連合会への意見提言の中に、「生薬の不採算品目に対する不採算算定ルールの適用」を盛り込んでいただき活動を進めている。

薬制委員会
委員長 巽 義男(クラシエ薬品株式会社)

第十五改正日本薬局方に収載された漢方処方エキスの質疑応答が、平成19年2月14日付事務連絡として発出された。本事務連絡の説明会が3月15日に開催され、委員会で説明会記録を作成して会員会社並びに関係団体に提供した。

一般用医薬品販売制度改正については、外箱表示の前倒し実施などについて、一般用医薬品関連 5団体に対しアンケート調査を実施した。アンケート調査の結果、新表示品の前倒し出荷は3ヶ月・半年・1年前の合計で95%の会社が実施するとの回答であった。その他、表示場所や広報活動についても調査され、可能な限り簡便な内容としてほしい結果であった。調査結果を踏まえ、5団体連名で医薬食品局長あての要望書が平成19年7月10日付にて提出された。登録販売者試験ガイドラインは6月26日の第6回検討会で審議が終了し、秋口にはガイドライン等として各自治体等に通知され、平成20年4月施行の予定。

一般用漢方210処方の見直しについては、一般用製剤委員会並びに一般用医薬品関連5団体と協力して、行政担当部門と意見交換を続けている。

医療用製剤委員会
委員長 上田 賢示(株式会社ツムラ)

医療用製剤委員会
平成19年6月4日に運営委員会を開催し、医療用漢方製剤や生薬の事情に即した薬価制度に関する意見書の最終案を作成し、その後、正副会長及び理事持ち回りでご審議頂き承認を得た。6月13日にこの意見書を日本製薬団体連合会に提出した。
5月から6月にかけ、自民党、公明党の議員の方々とそれぞれ勉強会を開催した。漢方の現状について理解を深めて頂けたと考える。
7月には、日薬連および厚生労働省医政局経済課の方々に対し、日薬連に提出した日漢協の薬価制度に関する意見書と、その意見の背景に関する説明を行った。また7月24日には、マスコミを通して広く関係者のご理解を得るよう記者会見を行った。8月は引続き中央社会保険医療協議会委員の方々に対して同様の説明を行い、ご理解とご支援を賜る活動を行う。
7月30日には、厚生労働省医政局経済課主催の「医薬品産業政策の推進に係る懇談会」に出席し、7月23日に公表された「新医薬品産業ビジョン(仮称))」に関する日漢協の意見を、大西副会長より陳述して頂いた。

保険薬価研究部会
医療用漢方製剤や生薬の特殊性を考慮に入れた薬価制度の提案に向け、部会において素案を作成した。また上記の提案に沿って、原料生薬の調達価格の推移等のデータの整理と資料作成を行っている。
昨年度実施した「国民の漢方に対する意識調査」の集計結果を、中間報告として日漢協ホームページにおいて公開した。

有用性研究部会
平成19年度研究助成は、助成先機関と助成金振込みに関する事務手続きを進め、7月末に助成金の実施に関しては、実施の可否も含めて現在検討中である。
平成19年6月15日に日本東洋医学会ホームページにおいて、下記の日本東洋医学会 EBM特別委員会報告が掲載された(日漢協発第279号として会員向けに通知済)。
(1)漢方治療エビデンスレポート第2版―RCTを主にして―(中間報告)
(2)漢方製剤の記載を含む日本国内発行の診療ガイドライン(中間報告)
本報告作成に当たっては、有用性研究部会が、論文、ガイドラインの収集などの面で協力を行い、謝辞も記載頂いた。次年度末に予定されている最終報告に向け、今後も協力を継続する予定である。

一般用製剤委員会
委員長 大窪 敏樹(クラシエ薬品株式会社)

くすり相談部会
下記のテーマを中心に活動を行っている。
@事例研究
A各種情報交換(日本製薬団体連合会くすり相談委員会等)
*有用な情報交換を行っていますので、新規入会を歓迎します。

処方部会(一般用漢方210処方の整備)
1) 一般用漢方処方AUR研究
  本年度の試験研究として、猪苓湯を用いて6〜9月の期間で試験が実施されている。
2) 一般用漢方処方の見直し
  新210処方の運用について、下記の通り厚生労働省医薬食品局審査管理課と折衝を進めている。
  5月18日;審査管理課担当官と面談。厚生労働省の考えが示された。
  @既存の承認も新210処方に合わせる作業は必須であり、一変申請になる
  A新規処方については、一般薬部会で検討の予定である
  5月31日;OTC5団体打合せ・・・主に@について議論
  6月 4日;薬制常任、一般用常任・処方部会合同打合せ
  6月11日;審査管理課・OTC5団体意見交換会
  6月25日;審査管理課担当官と面談・・・@の一変申請について業界の理解をいただきたい
  6月29日;一変に伴う諸条件(手数料、承認のタイミング等)について意見・要望を募集
  7月19日;OTC5団体打合せ
  8月 1日;審査管理課担当官と面談・・・再度軽微変更の取扱いを要望

安全性委員会
委員長 上之園 秀基(株式会社ツムラ)

最近、一般用医薬品の添付文書あるいは外箱表記等に関する話題が活発に議論されている。当安全性委員会においては、『 厚生労働科学研究 一般用医薬品の添付文書等の改善に関する研究』のメンバーである、日本大衆薬工業協会 安全性委員会 情報表示部会長 渡邉 好一郎氏を講師に迎え勉強会を開催し、最新の情報を共有することが出来た。

副作用被害救済制度の表示については、一般用製剤委員会と協力し、加盟会社の要望を日漢協として意見をまとめ、日本製薬団体連合会へ提出した。

今後の検討課題として、リスク分類により必要となる『専門家向け情報提供』の資料作成について、日薬連、大衆薬協、一般用製剤委員会等と連携を取りつつ進めていく必要があると考えている。

医療用漢方製剤においては、第十五改正日本薬局方に従い、マオウ含有漢方製剤16処方について『使用上の注意「相互作用」』の項の薬剤名を『エピネフリン』から『アドレナリン』に修正することを決定した。

再評価委員会
委員長 上之園秀基(株式会社ツムラ)

再評価審議中の7処方10試験

  • 黄連解毒湯「高血圧症随伴症状」
  • 桂枝加芍薬湯「過敏性腸症候群」
  • 芍薬甘草湯「肝硬変に伴う筋痙攣」「月経痛」
  • 小柴胡湯「感冒」「胃炎」
  • 小青竜湯「気管支炎」
  • 白虎加人参湯「薬剤性口渇」「アトピー性皮膚炎の熱感・口渇」
  • 六君子湯「上部消化管機能異常」

    厚生労働省および医薬品医療機器総合機構の担当者との意見交換は引き続き行っているが、現在のところ大きな進展は見られていない。 また、先般の人事異動において担当者の変更はなかったので、今後も業界の考えに基づく意見交換を継続していく予定である。

  • 医療用製剤流通適正化委員会
    委員長 小笠原 秀一郎(クラシエ薬品株式会社)

    日漢協プロモーションコードは、平成6年「医療用製剤プロモーションコード」として第1版が発刊され、平成11年第2版改定時には「医療用漢方生薬製剤プロモーションコード」と名称が変更された。その後、平成16年にも改定はあったが、名称変更はなく今日に至っている。現在、日漢協では漢方用語の定義について検討中であるが、医療用のプロモーションコードに一般用として定義される生薬製剤の名称が入っていることは問題である、と総務委員会から指摘された。

    そこで、冊子冒頭の中に、本コードの対象として医療用の「漢方製剤」、「生薬」のほか「その他の生薬及び漢方処方に基づく医薬品」とする旨を挿入する案をプロモーションコードWGから案出し、今般当委員会で検討した結果、「医療用漢方製剤・生薬プロモーションコード」の名称は、漢方用語の定義について再考を求めること(薬効分類590その他の生薬および漢方処方に基づく医薬品を定義のどこかに入れるべき)を条件に了承された。

    参考:医療用製剤プロモーションコード   第1版(平成 6年 8月1日)
        医療用漢方生薬製剤プロモーションコード   第2版(平成11年 3月1日)
        医療用漢方生薬製剤プロモーションコード   第3版(平成16年11月1日)

    医療用製剤教育研修委員会
    委員長 辻本 眞治(株式会社ツムラ)

    教育用資材の作成について
    今年度事業計画の中の「保険診療における漢方併用療法に関する教育コンテンツの作成」に関して作業を進めている。
    各科領域の疾患別にまとめ、領域、疾患、使用薬剤(漢方薬、西洋薬)投与期間、用法用量、効果、併用のメリット、参考文献などを記載し、MRが理解しやすいように一覧にすることとした。
    資料としては、平成17年3月に日漢協医療用製剤委員会の有用性研究部会で作成された、『医療用漢方製剤と効能効果(内部資料)』の漢方処方別に掲載されている臨床論文の欄を参考とさせてもらうことになった。
    平成19年9月末の完成を目指し、作業の進展を図っていきたい。

    教育講演について
    安全性委員会の上之園委員長と牧氏により、最近の安全性情報に関する講演をして頂いた。
    内容は、1.医薬品医療機器総合機構のホームページのリニューアルについて、  2.『薬が毒に変わる魔の食べ合わせ「〜マグロと葛根湯、チーズと麻黄湯〜」』について、  3.『健康食品・中毒百科』について、等であった。
    この内容のパワーポイント資料を会員各社に配布し、MR教育用資材として使用することになった。

    広報委員会
    委員長 加藤照和(株式会社ツムラ)

    日漢協と日本東洋医学会総会の共催市民講座を、平成19年6月15日(金)に広島国際会議場フェニックスホールで開催した。「チャングムと漢方」をメインテーマに、山本循環器内科医院院長の山本廣史先生から「食養生」をテーマに、また、千葉大学大学院教授の寺澤 捷年先生からは「チャングムの監修を終えて」と題し、更に東洋病院院長の清水 寛先生からは太極拳の実演を交え、「生活習慣病」をテーマとした講演をいただいた。今回は、学会の意向もあり聴講受付を行わなかったため、280名(最大で)の来場者であった。

    平成19年7月24日(火)に本町記者会において、当協会としては初めての記者会見を行った。
    日本の伝統医学であり、国民医療に多大な貢献をしてきている漢方医学・漢方薬について、その定義や普及・定着の現状と、漢方医学を支える漢方製剤及び生薬の安定供給に対する日漢協の取り組みについて、医療用製剤委員長より資料を基に説明を行い、質疑応答も交え約30分の記者会見であった。

    今秋の設立に向け、生薬製剤委員会(仮称)設立準備会が発足し、8月22日に第1回準備会が開催した。
    (設立準備会座長は第一三共ヘルスケア浮田 謙二氏)