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日漢協 ニューズレター 71号

(第24巻 第2号)2007年9月

生薬学教室を訪ねて[42]
生活習慣病の予防薬・治療薬の探索


干葉科学大学薬学部薬用資源学研究室  木島孝夫 教授
リスクマネージメントのできる薬剤師
中庭にある薬草園
千葉科学大学は、岡山理科大学、倉敷芸術科学大学等を擁する学校法人加計学園が、千葉県銚子市の協力を得て平成16年(2004)に開学した若々しい大学です。昭和36年、加計 勉氏より設立された同学園は、岡山市に本拠をもち、創立以来「ひとりひとりの若人が持つ能力を最大限に引き出し、技術者として、社会人として社会に貢献できる人材を養成する」を建学の理念としています。

時代の流れを見据えたユニークな学校づくりに定評があり、千葉科学大学は薬学部と日本及びアジア圈で初めての危機管理学部からなっています。キャンパスは関東最東端に位置し、富士山頂や離島を除いて日本で一番早く初日の出を拝めることで知られる銚子市の、水郷筑波国定公園内のマリーナリゾート地に立地、広大な太平洋を望むキャンパスには海風に乗って潮の香りが漂い、自然の息吹に満ちています。

薬学部は薬学科と薬科学科の二つの学科で構成され、6年制の薬学科では薬剤師の養成、4年制の薬科学科・創薬生命科学コースでは、少人数教育による、大学院進学を視野に入れた研究や実習を中心に学習、創造性に富んだ高度技能を持つ研究者・技術者の養成を目指しています。動物実験技術者となることを目指す動物薬科学コースの設置も構想(設置届出提出予定)しています。

注目されているのが、危機管理学部を有する同校ならではの「危機と安全を知る薬剤師」「リスクマネージメントのできる薬剤師」の育成を目指す薬学科での取り組みです。また、最先端医療に必要とされる知識・技能とともに東洋医学・漢方薬に関する豊富な知識を兼ね備えた薬剤師の養成を目的としたカリキュラムが組まれているのも特徴の一つです。その例として、ガン専門薬剤師として疼痛緩和医療や在宅医療を学ぶかたわら、漢方薬の実際の使われ方、漢方薬の原料となる生薬・植物などについても学んでいます。

「最先端医療から伝統医療まで、西洋医学に基づく薬物治療に対する知識・技術の修得はもちろん、東洋医学に根ざした医療にも対応できる薬剤師を育てていきたいと考えています」(木島教授)
漢方処方の薬効と構成生薬の成分の関わりの解明
高崎准教授と薬草園で
薬用資源学研究室は、薬学科長を務める木島孝夫教授、高崎みどり准教授、山川玲助手と4年生19人の陣容で、木島、高崎の両先生は京都薬科大学より大学創立時から赴任しています。研究室のテーマとしては、植物や生薬、サプリメントに含まれる生理活性成分の探索と構造解明を行い、治療薬・予防薬の開発を目指しています。

・ガンを含む生活習慣病に対する予防・治療を目的として植物
 や生薬に含有される生理活性成分の探索
・日本の伝統薬である漢方処方の薬効と構成生薬の成分との
 関わりの解明
・コアラなど有袋類とユーカリ属植物の食性に開する化学的研究を通じて、新しい生理活性成分の探索

この他には、潮風を防ぐためにキャンパスの中庭に設けられた薬草園で栽培される有用植物や所蔵生薬標本などを通じた植物資源・生薬に関する教育を実施。気軽に薬草に触れられる、と学生の間でも人気を呼んでいます。