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日漢協 ニューズレター 72号

(第24巻 第3号)2008年1月

新年のご挨拶

厚生労働省医薬食品局長
高橋 直人

新年明けましておめでとうございます。

近年、国民の健康に対する意識の高まりを背景に、医薬品や食品の安全性等に対する国民の関心はますます高まっております。同時に、急速な少子高齢化の進行、科学技術の進歩、国際化の進展など医薬食品行政を取り巻く環境も大きく変化しております。こうした中、医薬食品行政を担当する者として、その責任の重大さを改めて実感しております。日々高まる医薬食品行政に対する国民の皆様の御期待に沿えるよう、優れた医薬品等の迅速かつ安定した供給とその安全対策、また食品の安全確保など、各種施策に全力で取り組んでまいります。

まず、C型肝炎訴訟については、昨年12月13日に大阪高等裁判所から示されました和解骨子案に対し、同月20日に受け入れ、新たな提案を回答したところでございます。患者の方々には、長きにわたり御苦労をおかけしていることを率直にお詫びいたします。さらに、同月23日には、総理が議員立法による一律救済を公表されたところであり、この年明けの日においては、与党の中において作業が進められております。私どもとしても、引き続き、訴訟の一日も早い解決に向けて、和解協議に誠実に対応してまいります。

第二に、医薬品・医療機器等の承認審査の迅速化、その体制の充実・強化に引き続き取り組んでまいります。

医療技術等が日進月歩の進歩を遂げている中、昨年5月に策定されました「革新的医薬品・医療機器創出のための五ヶ年戦略」、昨年7月に取りまとめられました「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会報告書」を受け、医薬品の承認審査の迅速化に関する施策を進めてまいります。具体的には、平成23年度までに新薬の開発から承認までの期間を2.5年短縮すること等を目標に、独立行政法人医薬品医療機器総合機構における審査人員の拡充、幅広い人材の確保等の取組を進めてまいります。また、医薬品の治験に関する関係省令の改正等、必要な見直しを行ってまいります。あわせて医療機器についても、医療現場でニーズの高い医療機器の迅速な導入に向けて、引き続き取組を進めてまいります。

第三に、医薬品等の安全対策の充実に引き続き取り組んでまいります。

医療機関、学会、企業等と連携し、重篤な副作用の早期発見、早期治療に資するマニュアルの作成、また、新規性のある医薬品について、直接、医療現場から使用状況等の情報を入手、評価し、市販直後の安全対策の充実・強化を図るなど、予測・予防型の積極的な安全対策を実施してまいります。

第四に、一般用医薬品販売制度の見直し等を内容とする「薬事法の一部を改正する法律」の全面施行を来年度に控え、その準備に引き続き万全を期したいと考えております。

一般用医薬品の販売制度につきましては、国民による医薬品の適切な選択と適正な使用に資するよう、適切な情報提供と相談体制を整備する等、販売制度全般の見直しがなされました。本年4月からの都道府県における登録販売者試験制度の円滑な施行に向けた取組を進めるほか、他の事項に関しましても、着実に準備を進めてまいります。

第五に、血液事業の推進に引き続き取り組んでまいります。

血液事業につきましては、国民医療に不可欠な血液製剤の安定供給を確保するため、若年層を中心とした広報啓発活動の強化等により、引き続き献血構造改革を推進してまいります。

また、C型肝炎の早期発見・早期治療につながるよう、平成6年以前にフィブリノゲン製剤等の投与を受けた方等へのC型肝炎ウイルス検査の受診の呼びかけを引き続き進めてまいります。

第六に、新型インフルエンザの発生に備えた諸般の対策に取り組んでまいります。

新型インフルエンザ対策につきましては、新型インフルエンザ対策推進本部を軸として、諸般の施策に取り組んでいるところであり、新型インフルエンザの発生に備えたプレパンデミックワクチンの製造・供給の確保に遺漏のないよう万全を期してまいります。

第七に、薬剤師の資質向上を図るとともに、社会における薬局及び薬剤師の役割を強化してまいります。
現在、医療の高度化、医薬分業の進展等に伴う医薬品の適正使用の推進等の社会的要請に応えるため、薬剤師の資質向上が求められております。このため、卒後研修のさらなる実施を図り、薬学教育6年制の実施を踏まえた薬剤師国家試験制度の見直しを図るとともに、薬剤師の適正な需給の在り方の検討を行い、また、医療提供施設として地域に密着した薬局の役割強化に資する施策を講じてまいります。

第八に、食品の安全対策に引き続き取り組んでまいります。

食品の安全対策につきましては、食品安全委員会等関係行政機関と連携を図るとともに、消費者等関係者とのリスクコミュニケーションを推進してまいります。さらに、科学的知見に基づき、BSE対策や食品中の残留農薬等の安全確保に取り組み、また、輸入食品の監視体制の充実等、国民の健康の保護に努めてまいります。

このように、医薬食品行政は多くの課題を抱えておりますが、これらの課題の一つ一つに全力で取り組む決意でございます。

本年も、医薬食品行政に対する皆様の一層の御支援、御協力を御願いいたしますとともに、皆様方のますますの御発展と御多幸をお祈りいたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。