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日漢協 ニューズレター 72号

(第24巻 第3号)2008年1月

生薬学教室を訪ねて[43]
天然素材からの医薬シーズの探索



兵庫医療大学薬学部天然薬物学担当  青木俊二 教授
医療の現場でより必要とされる薬剤師
昨年の春(平成19年4月)に呱々の声を上げたばかりの兵庫医療大学は、その教育理念「人間への深い愛と豊かな人間性を持ち、幅広い知識と優れた技術を備え、社会とともに医療を担う医療専門職者を育成します」に見られるように、医療の専門職者の養成を目的に設立されたフレッシュな大学です。

薬学部(医療薬学科)、看護学部(看護学科)、リハビリテーション学部(理学療法学科、作業療法学科)の三学部四学科からなり、兵庫県西宮市にある兵庫医科大学の姉妹校として開校されました。薬剤師、看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士の育成をめざす同校は、神戸ポートアイランド西岸の海を望む一角に位置し、お洒落な南欧風の学舎は明るく、開放的。キャンパスの周りには柵や外溝がいっさいなく、文字通り聞かれたキャンパスとなっています。
チーム医療をキーワードに
「社会の福祉への奉仕」、「人間への深い愛」、「人間への幅の広い科学的理解」を建学の精神として設立された兵庫医療大学が、教育のキーワードとしているのが、現代医療の要諦とされる“チーム医療”です。
薬学、看護学、リハビリテーション学の三学部をボーダレスに結ぶとともに、兵庫医科大学医学部、付属病院等とも密接な連携を図り、医療系総合大学としてのメリットを活かした大学づくりに余念がありません。
チーム医療の一翼を担う薬学部が目指しているのは、医療現場を学びの場とし、患者の気持ちを理解できる人間性やチーム医療を支える技術を身につけ、医療の現場でより必要とされる薬剤師の養成です。その一端が、兵庫医科大学病院を学びの場とする実践的な薬学教育であり、看護学部、リハビリテーション学部との合同講義や合同演習によるチーム医療の実践です。従来の薬学部と異なり、相当数の医学博士が教員スタッフになっているのも大きな特色となっています。
海洋生物からクスリを探す
岩岡助手と
天然薬物学担当の青木俊二教授は弱冠43歳、大阪大学大学院薬学研究科講師から公募で赴任された少壮の薬学徒です。京都薬科大学生物薬学科、同大学院修士課程、大阪大学大学院薬学研究科博士課程で研究に勤しみ、平成15年度日本生薬学会奨励賞を受賞しています。
現在、岩岡恵実子助手とともに取り組んでいる研究テーマは、「天然素材からの医薬シーズの探索」。海洋生物からクスリを探す・・・・をスローガンに、特に抗ガン剤になるような化合物を探しています。海綿やホヤなど下等な海洋生物の成分をターゲットにしており、沖縄や長崎、高知などの海やインドネシアにも足を伸ばしています。
柵のないキャンパスと同様に、誰ともコンタクトを密にしたいと、教官室もガラス張りとなっているのも同大学のユニークさです。「医療はサービス産業です」と断言する青木教授は、研究のみならず、教育者として、心の通う人間関係を築ける薬剤師の養成にも情熱を注いでいます。