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日漢協 ニューズレター 73号

(第25巻 第1号)2008年5月

巻頭言 標榜診療科としての漢方

社団法人日本東洋医学会
会長 
石野 尚吾

1.社団法人 日本東洋医学会 長年の願い
(社)日本東洋医学会が結成されて以来の懸案は、日本医学会に加盟すること、漢方診療科を標榜すること、医学薬学部教育に漢方医学を入れることであった。
昭和42年4種類の漢方エキス製剤が漢方製剤の分類ではなく利尿剤、肝臓疾患用剤などとして薬価基準に収載され、その後、昭和51年に医療用漢方製剤が大幅に漢方薬として薬価基準に収載された。しかし、日本医学会の加盟、漢方科標榜は、まだまだ後の話である。
平成3年に日本医学会へ87番目の分科会として加盟が認められた。また、平成13年には医学教育のコアカリキュラムに「和漢薬を概説できる」として漢方が医学教育に組み入れられた。しかし、この時点でもなお、明治になって失われた漢方の標榜、広告は認められていなかったのである。

2.漢方科標榜への働きかけ
日本東洋医学会の漢方科標榜への最近の働きかけは、平成12年3月17日自由民主党本部8階で行われた鴨下一郎衆議院議員主催の勉強会への参加である。その勉強会は、日本大学医学部・櫻井勇名誉教授の呼びかけが切っ掛けで、現在の環境大臣である鴨下一郎衆議院議員の司会により 厚生省健康政策局長、同調整官の挨拶・説明に始まる「標榜診療科に関する勉強会」であった。出席した11学会の代表が要望の理由、今まで保留になってきた根拠への反論を述べた。本学会が参加した経緯は、櫻井勇名誉教授から突然に当時日本臨床漢方医会事務局長を兼務していた
石川友章理事(現日本東洋医学会常務理事)への連絡によるもので、急遽、在京の4理事(代田文彦会長、石橋晃副会長、石野尚吾常務理事、石川友章理事)で出席することになった。第2回の勉強会は、平成12年11月29日、自由民主党本部505号室で開催された。
この2回に亘る勉強会を踏まえて、11団体の代表者連名による要望書を携えて、平成14年1月9日、坂口力厚生労働大臣に面談した。そのとき、鴨下一郎衆議院議員と要望した医学会代表が坂口力大臣と記念撮影を行ったのが、この写真である。本学会の代表者は石橋晃会長であった。

3.専門医制度の構築
平成元年5月の第40回日本東洋医学会定時総会において、定款改定、専門医基本規程および同施行細則の改定が承認され、翌平成2年4月に専門医制度が発足した。平成4年8月25日には、学会認定協議会(現社団法人日本専門医評価・認定機構)への加盟が認められ、 平成17年8月9日に広告が出来る専門医、日本東洋医学会認定・漢方専門医として、厚生労働省より認可された。標榜科に関しての働きかけを行った上記勉強会は、この時点において一応の役割を終了したとして解散したが、本会はその後も関係諸機関への働きかけを継続して行ってきた。 その結果、今回、実現の運びとなったわけである。

4.診療科名の標榜方法
平成20年2月27日付の官報(号外第36号)に告示されたとおり、医療法施行令及び厚生労働省令第十三号の改正により医療機関の標榜診療科名の見直しがなされ、平成20年4月1日より標榜診療科名の内容が国民により理解しやすくなるように変更された。漢方に関しては、単独での漢方科を標榜することは認められないが、◯◯科漢方、漢方◯◯科としての標榜が可能となった。
診療標榜科の手続きを行えば誰でもが漢方◯◯科と標榜が可能となったわけである。実力ある漢方診療を実践し、より良き漢方の標榜を目指される先生方には、是非、日本東洋医学会に入会され、本格的に漢方医学を研鑽し漢方専門医を取得されることを希望したい。