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日漢協 ニューズレター 73号

(第25巻 第1号)2008年5月

生薬学教室を訪ねて[44]


漢方を使える薬剤師の養成
金城学院大学薬学部生薬学研究室  永津明人 教授
「強く、優しく。」をスローガンに掲げる金城学院大学のルーツは、明治22年(1889)に設立された「私立金城女学校」に遡ります。米国南長老教会のミセス・ランドルフ宣教師が、名古屋市東下堅杉町の私邸の一隅に、ロバート・E・マカルピン博士の協力を得て、プロテスタント・キリスト教の精神に基づき開校したのが同校の始まりとされ、当時の生徒数は三人でした。

その後、昭和2年(1927)、専門学校令により国文科、英文科、家政科からなる金城女子専門学校が設立され、2年後の昭和4年に校名を金城女子専門学校付属高等女子部と変更、昭和23年、校名の金城学園を金城学院と改め、24年、金城学院大学(英文学部英文学科)が設立されました。

以後、29年に英文学部を文学部と改組、国文学科を増設したのを皮切りに、家政学部(現・生活環境学部)、現代文化学部、人間科学部、薬学部薬学科を開設。今や、創立以来119年の歴史を有す東海地区随一の女子総合大学として確たる地歩を築いています。
全国に先駆けてホスピスケア科目を設置
河野桂子助教と
薬学部薬学科の設立は平成17年(2005)、当初は4年制でスタートしましたが、翌18年、6年制に移行、「金城学院大学方式の薬剤師教育]の下、新しいタイプの薬剤師を育てるためのさまざまな取り組みを行っています。

その中心科目として、Problem-Based Learning(PBL)の考え方に基づいた薬学セミナー、薬学PBLを設けています。少人数のグループワークにより、さまさまな問題を解決する新しいスタイルの授業です。

愛知万博シンガポール館から
寄贈された展示生薬
同学部のオリジナルとして注目されているのが屋根瓦方式。これは上級生(3年生)が1、2年次で得た知識、技術を下級生(1、2年生)に指導することによって知識と技術を定着させることを目的としており、物事をわかりやすく筋道を立てて伝え、相手の話を聞く技術の習得に効果を上げています。さらに全国の薬学部に先駆けて、ホスピスケアを学ぶ緩和医療入門を必修科目として導入、新しい流れとして話題になっています。
漢方薬局、生薬問屋の見学
生薬学研究室の永津明人教授は名古屋市立大学薬学部講師から赴任、研究室のメンバーは助教の河野桂子、研究員の大野高政、横井寛、小島一夫の4氏で構成され、
@生物活性植物成分の単離・構造決定
A天然機能性食品・食品添加物に含まれる微量成分の同定
B天然有機化合物の構造化学的研究
以上を主な研究テーマとしています。

漢方薬・生薬認定の薬剤師でもある永津教授は薬用植物学、生薬学(1)、(2)、天然物化学の4科目を担当、講義以外の科目の化学系実習では、軟膏製剤の紫雲膏を作り、漢方薬の構成について考察する他、同学部の特色の一つである薬学セミナーでは、
・薬用植物を知る
・薬用植物を育てる
・漢方薬、生薬、天然素材のサプリメントについて知る
・植物園、漢方薬局、生薬問屋の見学など授業を設け、漢方を使える薬剤師の養成に情熱を燃やしています。