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日漢協 ニューズレター 75号

(第25巻 第3号)2009年1月

生薬学教室を訪ねて[45]


地域医療に貢献する薬剤師の養成

いわき明星大学薬学部生薬学部門  丸山博文 教授
「和の精神のもと、世界に貢献する人を育成する」を建学の精神とするいわき明星大学は、明星大学等を擁する(学)明星学苑傘下の総合大学として着実に歩を進めています。

いわき市からの誘致を受け、昭和62年(1987)理工学部、人文学部の二学部体制でスタート。以来、時代のニーズにフレキシブルに対応すべく、学部学科構成の変革を重ね、平成17年(2005)に理工学部を科学技術部と改組、同18年には大学院臨床心理学専攻が臨床心理士養成のための第一種指定大学院に指定されています。
20年来の悲願が達成
ダイヤモンドキューブと呼ばれる温室
薬学部薬学科の開設は一昨年の平成19年。創立20周年に合わせて開設され、本年で3年目を迎える若々しい学部ですが、誕生の秘話ともいうべきエピソードがあります。同大学が開学した22年前いわき市との間で、いずれは薬学系の学部をつくり三学部にするという構想がありました。

いわば20年来の悲願が達成されて創設に至った薬学部では、これまでにない新しい教育システムを採用。その一つがセメスター制です。これは、基礎教育を徹底することが薬学の専門教育を身につけるには不可欠との考えから、例えば、1年生前期では、化学、数学、物理、生物は週2回の講義があり、半期で1科目を完結する教育スタイルです。

このセメスター制と共に注目されているのが、入学直後から開講されるフレッシャーズセミナーです。全教員がファシリテーターとして参加し、連続した2コマ(180分)を使い、薬学をはじめとするさまざまな研究分野や医療現場(地域の病院、薬局)で活躍している関係者の講話と少人数のグループディスカッション等を通して、「開くこと、話すこと、読むこと、書くこと、そして考えること」を学ぶことにより、豊かな人間性を備えた自立した社会人となることを目指しています。
薬学の原点は植物
正門
生薬学部門は、北里大学から赴任された薬学部副学部長を務める川口基一郎教授と松本司准教授、潟cムラから転身された丸山博文教授で構成され、生薬学1、生薬学2、薬用植物学、植物薬品化学、漢方医薬学、漢方治療学、生薬学実習の科目を担当しています。

昨年5月には中国の瀋陽薬科大学と国際交流協定を締結、2名の留学生を受け入れています。

研究テーマとしては、川口教授が、
・植物フラボノイドの生理活性の研究
松本准教授が、
・腸管免疫
・生物活性植物多糖の研究
そして、丸山教授が、
・担子菌由来の生理活性物質の研究
・天然物を素材とした生活習慣病の予防およびその 成分を含む健康食品の開発
を主な研究テーマにするとともに教育者として後進の指導に情熱を注いでいます。

「まだ開校したばかりで、試行錯誤の状態ですが、漢方薬、民間薬、健康食品、サプリメントなどについても基礎的な教育を行い、セルフメディケーションにも対応できる薬剤師の育成に注力したいと考えています」