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日漢協 ニューズレター 75号

(第25巻 第3号)2009年1月

日漢協の動き


−第11回市民公開漢方セミナーから−
−漢方は女性の健康を助ける−  花輪壽彦北里大学大学院教授の講演が人気

漢方の治療を受けるにはどうすればよいか。副作用はないのか。服用方法はどうしたらいいのか。他の薬と併用してもよいのか等、漢方の基礎知識をわかりやすく伝え、漢方を普及・定着させるとともに日本漢方生薬製剤協会の存在を広く知らしめるべく、平成11年(1997年)来、聞催している市民公開漢方セミナーが、10月16日(木)午後6時半より都内荒川区の日暮里サニーホールで行われ、好評を博した。
日暮里サニーホールで
聴衆の皆さん
(写真左)講演される花輪先生
(写真右)頭痛、肩こりに悩んだ樋口一葉
女性をメーンターゲットにテーマを設定

例年、新春4月に聞かれていた当セミナーは、11回目を迎えた本年、新たな試みとして仲秋の名月にほど近い10月に開催された。

講師は6年来、女性(木下優子、渡邉賀子、久米由美)の各先生が続いていたが、7年ぶりに男性の花輪壽彦先生(北里大学東洋医学総合研究所所長、北里大学大学院東洋医学教授)が演壇に立たれた。テーマも、昨年までの「胃腸と漢方」等、〜と漢方シリーズから、「漢方は女性の健康をたすける」と、女性をメーンターゲットにした演題を設定して開催された。

このテーマは、花輪先生と千葉県立東金病院副院長の天野恵子先生との編著による書物(岩波書店刊)の書名から採られたもので、会場には若い男性の姿も目についたが、若い女性をはじめ中高年の女性で賑わった。

日本漢方生薬製剤協会の風間八左衛門会長(ツムラ相談役)の開会挨拶に続き、花輪先生が登壇。日本経済新聞の夕刊で、毎週月曜日に『漢方なんでも道場』を連載するなど、漢方界の重鎮の一人として知られているが、講演も分かりやすく、面白いと人気を呼んでいる。この日のセミナーでも、随所に駄洒落が飛び出し、いくども聴衆の笑いを誘っていた。
関心が高かった舌診

講演は、『頭痛、肩こり樋口一葉』という井上ひさしの芝居を引用し、頭痛や肩こりなど女性特有の症状に悩んだ明治の女流作家・樋口一葉を例に示しながら始まった。

まず、「女性のライフサイクルと病気」について述べられ、気血水の乱れが頭痛・頭重感・肩こり・腰痛などの症状となって表れる、と漢方の基本概念を分かりやすく説明された。

漢方診療の実際として、四診(望診、聞診、問診、切診)についての説明では、望診の一つである舌診のさまざまなケースをスライドで表示。そのたびに会場からは、「私もそうだわ」等の頷き合う声が聞こえ、「健康管理のために毎日、舌を見ていただきたい」との花輪先生の優しさのこもったメッセージに、誰もが耳をそばだて聞き入っていた。

千葉市から来場の女性は、「今まで舌について全く関心がなかったのですが、あれほど微妙に変化するとは思いもよりませんでした。とても参考になり、漢方の奥深さと身近さを知りました」と漢方の知られざる魅力に触れ、感銘を受けた様子だった。