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日漢協 ニューズレター 76号

(第26巻 第1号)2009年5月

生薬学教室を訪ねて[46]


姫路独協大学薬学部漢方・生薬学研究室

人は自然から命を与えられている
本多義昭教授(左)と中村隆典講師
姫路市民の熱望を受けて開学
昭和62年(1987)姫路市との公私協力方式で開学した姫路独協大学の前身は、日本の近代化の手掛かりを求め、ドイツに留学した青年たちにより明治14年(1881)に創立された獨逸學協会です。

その二年後の明治16年、獨逸學協会學校が設立され、初代校長となったのが啓蒙思想家として知られる西周。二代目校長の桂太郎(首相)、三代目校長の加藤弘之(啓蒙思想家)も設立者の一人でした。

時の政府部内の勢力(長州閥)の支援を受けた同校は、高級司法官僚への道が用意され、日本の近代化に貢献したユニークな私学として発展。その後、幾多の変遷を経て、昭和39年(1964)埼玉県草加市に独協大学を、昭和48年、独協医科大学を栃木県壬生町に開学しています。外国語学部、経済学部の二学部で発足した独協大学の初代学長は元文部大臣の天野貞祐、独協学園の中興の祖とされています。

姫路市民の熱望を受けて開学した姫路独協大学は、外国語学部、法学部によりスタート。以後、平成元年(1989)に経済情報学部、平成18年に保健医療学部、翌19年に薬学部を新設、文理5学部9学科を擁する地域唯一の総合大学としての地歩を確立しています。
チーム医療と地域医療に強い薬剤師
設立3年目を迎えた薬学部は、6年制の医療薬学科から成り、今日の薬剤師のキーワードを、医療機関においては「チーム医療による臨床」、地域の調剤薬局においては「地域密着型の薬局経営」とし、生きた実践的教育をポリシーとしています。

その一端として、薬学を段階的に学ぶ専門教育を展開するとともに、重視しているのが医療倫理などの教養教育。医療人としてのヒューマニズムの確立を目指し、2年次以降は各学年でPBL(Problem Based Learning)形式の統合演習を実施。小グループに分かれ、学生一人ひとりがテーマについて問題抽出・調査・発表準備・発表に取り組み、問題解決能力やコミュニケーション能力の修得に力を入れています。
薬剤師にも漢方や生薬が必要な時代
前日本生薬学学会会長で、京都大学薬学部薬品資源学分野(旧生薬学教室)から赴任された本多義昭教授が率いる漢方・生薬学研究室は、日立造船バイオ事業部、NEDO新エネルギー開発機構等を経て赴任の中村隆典講師の二人で担当されています。

「薬剤師にも漢方や生薬が必要な時代です。自然の賜物によって病を治癒する方法を学ぶことで、人は自然から命を与えられていることが伝われば」との思いをこめ、本多教授は生薬学と漢方処方学、中村講師は天然物化学、生薬学を担当しています。

研究テーマは京都大学時代からの
・沈香の芳香成分合成に関する研究
・沈香のアロマテラピー作用に関する研究等を行っています。

12,000uに及ぶ薬草園は生態園と名付けられ、300mほど登った頂上には四阿も設置され、眼下には国宝姫路城や瀬戸内海が見渡せます。