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日漢協 ニューズレター 77号

(第26巻 第2号)2009年9月

生薬学教室を訪ねて[47]


横浜薬科大学天然物化学研究室・薬用資源学研究室・
生薬学研究室


漢方をコアに東洋医療に精通した
薬剤師の育成

前列左から寺林、伊田、齋藤、
後列左から小松、梶原、飯塚の各先生
6年制初の薬科大学
一人ひとりが持って生まれた“個性”を引き伸ばし、“惻隠の心”をもった薬剤師を育てる。
患者さんの体質に応じた“個の医療”が推進できる高度な知識と技術を育む。

横浜薬科大学はこの建学の精神・教育理念に基づき、平成18年(2006)、日本の近代医学・薬学発展の中心地である横浜に、6年制初の薬科大学として開学しました。
通称をハマヤクと称する横浜薬科大学は、福岡市にある第一薬科大学、埼玉県伊奈町に平成16年に創設された日本薬科大学と系列校で、(学)都築学園が運営。ノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈氏が学長を務めています。

キャンパスは湘南の海をほど近くに望み、晴れた日には富士山を遠望する小高い丘に位置し、かつては横浜ドリームランドという遊園地でした。同遊園地のシンボルだったホテルエンパイア(21階建て)は図書館等として活用されています。専用のボウリング場や室内テニスコートも備わり、ユニークなキャンパスと評判になっています。
我が国2校目の漢方薬学科
キャンパス
個性的なキャンパス以上に、ユニークな薬科大学たらしめているのが、日本薬科大学に次いで設置された漢方薬学科です。同学科の他に、臨床薬学科、健康薬学科の三つの学科で構成され、最先端医療の考え方として定着しつつある“薬物治療の患者個別化”に対応できる薬剤師の育成を目指しています。なかでも漢方薬学科は、漢方をコアに東洋医療に精通した薬剤師、単なる薬剤師を越えた漢方に強い個性派薬剤師を育てることを目標にしています。

開学以来、4年目を迎えた同校には、ゴールである国家試験にむけて、学生をサポートするさまざまな支援体制があります。その一つが教育センターにある質問ルーム。そこには学生とさほど年齢の変わらない兄貴分、姉貴分的なインストラクター(助手)が常駐、疑問点や質問に応える体制がとられ、人気を博しています。

4年次になると配属される研究室は、医療薬学系、漢方薬学系など25あります。漢方薬学科の研究分野は、医薬化学分野(薬品反応学研究室、薬品分析学研究室、天然物化学研究室、医薬品化学研究室)と漢方薬学分野(生薬学研究室、薬用資源学研究室、漢方薬物学研究室、漢方治療学研究室)に大別されています。

国内に校目の漢方薬学科を率いているのが、昭和大学から赴任された天然物化学研究室の伊田喜光教授。生薬学に関連する研究室は、伊田教授の天然物化学研究室、寺林進教授の薬用資源学研究室、小松一准教授、飯塚徹講師の生薬学研究室があり、それぞれ次の研究に取り組んでいます。

天然物化学研究室
・生薬、薬用植物の有効性を解明するための成分研究
 ゴシツ、キキョウ、ショウキョウ、カンキョウ アズキ、ゲンチアナを主な対象としている
薬用資源学研究室
・薬用植物の形態・分類に関する研究
・生薬の品質、資源に関する研究
生薬学研究室
・心血管系疾患治療を目指した天然物由来成分の研究
・漢方、生薬成分の体内動態に関する研究
・漢方、生薬の成分研究と品質評価への応用