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日漢協 ニューズレター 78号

(第26巻 第3号)2010年1月

業態別会議


医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 上田 賢示(株式会社ツムラ)

医療用漢方製剤委員会
平成21年6月3日、7月15日、8月5日、9月18日、11月4日、20日に中央社会保険医療協議会薬価専門部会が開催された。
6月3日の薬価専門部会で、医薬品業界の薬価制度改革及び薬価算定ルールの見直しに関し、4月に日本漢方生薬製剤協会(日漢協)から日本製薬団体連合会(日薬連)に提出した意見が反映された。竹中日薬連会長は、「薬価維持特例の適用対象としては、特許・再審査期間中の新薬だけでなく、基礎的医薬品や伝統的医薬品で保険医療上不可欠とされ、採算性に乏しいために安定供給が危うい品目を想定している。また、現在及び将来の医療ニーズに応える革新的新薬の研究開発と上市を促進するとともに、旧来の医療ニーズに応えた、採算性に乏しい基礎的・伝統的医薬品の安定供給を確保することが本案の提案趣旨である」と意見陳述された。
7月15日の薬価専門部会では上記の意見陳述を受け、事務局より次のように論点整理が示された。それは「古くから使われる等して採算性が悪くなっているが、医療上必要性の高い医薬品の安定供給を適切に行なっていることについて、薬価維持特例の適用を考える上で特段の評価を検討できないか」とするものである。
11月20日の薬価専門部会では次期薬価制度改革の骨子(案)が示され、薬価維持特例制度の導入に関し、厚生労働省より正式に提案が行なわれた。今後、12月末に予定される来年度政府予算案決定に向け、導入決定か、導入見送りか、継続審議か、何らかの結論が出される。
11月11日の行政刷新会議ワーキンググループにおいて、厚生労働省所管事業の医薬品関連事項として「市販品類似薬の薬価は保険外とする」との提案があり、漢方薬もその対象にあげられた。そして、十分な議論がされぬまま、「市販品類似薬を保険外とする方向性をワーキンググループの結論とするが、どの範囲を保険適用外にするかは今後も十分な議論が必要」とされた。これに関しては早急に関係先に働きかける。

流通適正化部会
日医工MPSの菊地祐男代表に、医療行政に関連した医療経営関連情報及びジェネリック医薬品を絡めたDPC※の現状と今後について講演いただいた。
10月21日付日漢協発第859号で、レセプトオンライン請求義務の免除や、義務化期限の猶予に係わらず、ゴム印提供期限は平成23年3月末までであることを再度徹底した。

※DPC:Diagnosis(診断) Procedure(手技)Combination(組み合わせ)の略で診断群分類包括評価制度

教育研修部会
MR教育資材の『薬用植物について』は、神戸薬科大学薬用植物園で作成することとして、西日本に自生する生薬、薬用植物を中心にビデオ撮影を行った。
部会メンバーの本草製薬から平成20年度新人MR研修の現状と課題を報告して頂いた。

保険薬価研究部会
各社が8月上旬に不採算品再算定の申請書を提出した後、9月上旬の厚生労働省医政局経済課によるヒアリングを経て、当該品目の原価計算を含む詳細な資料を9月末までに提出した。その後、資料の修正等のやり取りがあり、現在は最終資料提出の指示待ち状況である。
第60回日本東洋医学会学術総会の特別企画2「国民にとって漢方医学とは」で、当協会から日漢協市民公開漢方セミナーに於いて実施した、一般国民の漢方に対する意識調査に関する実態アンケートを報告した。また、同日開催された市民講座においてアンケート調査を実施した。市民講座参加者550名のうち、約420枚のアンケートが回収できた。
10月15日開催の日漢協主催市民公開漢方セミナーにおいて、一般国民の漢方に対する意識に関する実態アンケート調査を実施し、255枚のアンケートを回収した。

有用性研究部会
有用性研究部会が作成に協力してきた、「漢方治療エビデンスレポート 2009-320のRCT-(EKAT 2009)」等が日本東洋医学会ホームページに公開された。
第60回日本東洋医学会学術総会の「フォーラム:漢方のエビデンスを『つたえる』」において、上記資料を中心としたセッションが開催され、新井部会長が「エビデンスレポートプロジェクト(2):漢方を英語表記するときはKampo+Japanとしよう」を報告し、漢方製剤の英語論文を書く際には「Kampo」と「Japanese(medicine)」とを併記するようにとの報告を行った。
日本東洋医学会は会長の交代に伴い新体制となったが、EBM特別委員会は継続して設置されることとなり、有用性研究部会も従来通り協力作業を継続することになった。


生薬会議
生薬委員会 委員長 浅間 宏志(株式会社ウチダ和漢薬)

平成21年8月26日、大阪薬業年金会館にて第1回生薬会議を開催した。生薬会議登録26社及び、技術委員長ならびに生薬委員が参加し、計35名で直近の活動報告と意見交換を行った。富塚技術委員長から、中長期的な残留農薬に対する取り組みとして、再調査データの論文化や使用農薬調査に基づく検討が必要であることが説明され、生薬会議、技術委員会連携で活動していく旨が報告された。生薬会議からは現状把握を十分に行った上で、適切な対応を進めるよう富塚技術委員長に対し申し入れ了承された。他に中国産陳皮の使用農薬調査の経過、農林水産省との意見交換、生薬等AB委員会報告と共に、ワシントン条約関係で日本産ユウタンの流通取り組みについて紹介があった。なお生薬会議は年3回のペース(本年は年2回)で開催を予定している。

生薬栽培部会
国産種の種苗確保については、すでに(独)医薬基盤研薬用植物資源研究センターと検討を行っているところであるが、海外産生薬のリスク回避のための種苗維持の観点からも、品目候補を検討している。

生薬企画部会
通用美康医薬有限公司から中国産陳皮使用農薬に関する報告書を受け取り、その農薬名など不明点を質問事項としてまとめ再調査を依頼している。あわせて調査報告にある産地4省1自治区の内、広東省を除く産地の陳皮について、(財)日本食品分析センターに農薬分析を依頼した。調査報告については、生薬学雑誌への投稿を検討しており、単なる現地調査結果報告ではなく、原料生薬の品質確保と安定確保の推進の面から、日漢協の活動をアピールできるものにしていく予定である。

生薬流通部会
生薬使用量調査の一環として、アンケート調査によるカンゾウ及びマオウの使用量調査結果をとりまとめた。その結果は11月20日付けで会員会社に報告した。

保険薬価研究部会
不採算品再算定の対応は各社で対応をいただいている。技術委員会との連携として「局方連絡会」を設置した。日漢協から日本薬局方原案審議委員会生薬等AB委員会に4名(技術委員会3名、生薬委員会1名)が参加している。会議体への組織変更に伴う円滑な活動推進と会員会社への情報共有が目的である。


一般用漢方製剤会議
一般用漢方製剤委員会 委員長 大窪 敏樹(クラシエ薬品株式会社)

くすり相談部会
3つのWGで活動を行っている。
@新210処方WG:Q&A集の新210処方効能・効果への対応
A事例・苦情相談G:事例・苦情への回答
BトピックスG:トピックスの収集と共有化

処方部会
一般用漢方210処方の整備
8月27日の薬事・食品衛生審議会・一般用医薬品部会で、新規追加処方のうち既存処方の加減方22処方及び排膿散及湯の23処方が審議され、了承された。これらについて、下記の課題を他委員会と連携して取り進めている。
@使用上の注意:安全性委員会WGで作成中
Aリスク区分:リスク分類が2類の処方と3類の処方があるので、安全性委員会、薬制委員会と共同で対応中
B新規生薬についての調査:生薬の安定確保及び規格などについて、生薬委員会、薬制委員会、技術委員会と共同で対応中

適正使用推進部会
安全性委員会を中心とした防風通聖散製剤の適正使用推進、日本OTC医薬品協会・広告審査会の活動状況の把握等を共有化し、今後の活動の方向性を模索している。
また、一般用防風通聖散製剤のAURについては、10月16日開催の研究班会議でプロトコールの検討を行い、来春の試験の準備を行っている。
・ 症例数:200症例(50症例/社×4社)
・ 実施地区:首都圏、関西圏
・ 対象者の選定:ポイントは、体力・便通・冷え
漢方エキス日局収載については、従来は医療用漢方製剤に用いられている生薬配合量のみが収載されていたが、一般用漢方製剤についても要望があれば検討されることとなった。OTC5団体での調査の結果、7処方8生薬の配合量について要望があり、8月28日の漢方処方の原案作成ワーキンググループに報告した。今後、生薬等B委員会で審議される予定である。


生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 浮田 謙二(第一三共ヘルスケア株式会社)

生薬製剤委員会では、生薬を活用した新たな効能を訴求できる一般用医薬品の開発をめざした活動を行っているが、平成21年9月に二つの部会を設置し、さらに詳細な検討を開始した。
一般用生薬製剤に関する関連団体との連携や承認取得に向けた対応を検討する「制度研究部会」では、今後の活動内容の詳細を検討するためのアンケートを実施し、平成21年11月の初回会合において、当面の活動方針を決定した。また、関連団体との協議を行うべく、他団体で同様の活動を行っている委員会等の設置状況、並びに主な活動内容の確認を行った。
新たな効能を訴求できる処方の検討を行う「製剤開発部会」でも、同様に部会内でのアンケートを実施し、平成21年11月の初回会合において当面の活動方針を決定した。また昨年度、「女性疾患」関連症状への作用が期待できる生薬に関する情報の取りまとめをお願いした昭和大学薬学部・鳥居塚和生教授に、今年度は「血糖」関連症状への作用が期待できる生薬に関連した情報の調査並びにレポートの作成を依頼した。
今後、平成22年3月を目処に当委員会としての方向性をとりまとめ、他団体との作業分担も含めて調整を開始する予定である。


原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)

「原薬エキス会議」(議長:桑野彰一)は、中間原料となるチンキ剤など各種エキスを製造している企業からなる。医薬品業界では「生薬を原料として製造される原薬」についての初めての議論の場と言ってよい。平成21年4月にスタートしたが、8月に潟Eチダ和漢薬と養命酒製造鰍フ2社が入会し、現在8社が参加している。原薬エキス委員会にも新しく3名が追加入会し、現在8社11名で活動を行っている。

1.製剤総則改正案
日本薬局方第16改正(2011年3月告示)に向け、製剤総則の大改正が検討されている。エキス剤など主として生薬を原料とする製剤は「生薬関連製剤」というカテゴリーに包含され、製剤均一性試験法< >のうち含量均一性試験および溶出試験< >が適用されないことが明記される。生薬関連製剤の各条は、これまでのエキス剤、浸剤・煎剤、チンキ剤、流エキス剤に加え、丸剤、酒精剤、芳香水剤が組み入れられ、また新しく「茶剤」が設定されて計8剤となる。
これらのうち当委員会が担当したチンキ剤と流エキス剤については、工業的製法の追加記載を主眼に検討を進め、例えばチンキ剤では「冷浸法」を「浸出法」に、抽出温度を「常温」から「室温」に、「布ごし」を「遠心分離などによる固液分離」とするなど工業的製法に即して修正を加えた。流エキス剤にもチンキ剤に準じた浸出法を追記した。またチンキ剤、流エキス剤いずれの製剤にも、「成分含量」や「エタノールの含量」の規定のあるものは浸出液の一部をとって測定した後、その結果にしたがって含量調節ができるよう記載を変更した。
チンキ剤と流エキス剤の改正案については、9月初旬に当委員会から提出し、その後の日本薬局方原案審議委員会・生薬等委員会などでほぼ原案通り承認された。
また新しく設定された茶剤は、“通例、1日量又は1回量を紙又は布の袋に充てんした製剤”と定義されているが、当委員会で議論したところ、ゲンノショウコ、カンゾウなどで500g包装のものがあり、これらも茶剤に包含されるようQ&A等で明確にしてもらいたいとの意見が出た。現在、技術委員会で検討して頂いている。
生薬関連製剤各条の改正案については9月および10月の生薬等委員会での審議を終え、それらを含めた製剤総則改正案全体については11月の製剤委員会で実質的な最終審議を終了した。現在(独)医薬品医療機器総合機構でパブリックコメント募集中である。

2.公定書収載エキスの品質の見直し
5月の調査で当委員会メンバー会社から、『日本薬局方外規格集』に収載されているアカメガシワエキス、西洋トチノキ種子エキスおよびセンナエキスの規格改正の要望があった。今後どのように作業を進めていくか、現在検討中である。

3.原薬エキス一覧リストの作成
メンバー会社が有するチンキ剤、流エキス剤などの原薬エキスについて、委員会として基礎的データを把握しておくべく、製造会社名、品目名、それらの製法等に関する調査を行っている。調査結果をまとめ、現在原薬エキスの一覧リストを作成中である。チンキ剤と流エキス剤についての作業をほぼ終了し、次いで乾燥エキス、軟エキスに取組んでいるところである。