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日漢協 ニューズレター 78号

(第26巻 第3号)2010年1月

生薬学教室を訪ねて[48]


立命館大学薬学部生薬学教室

漢方薬中の有効成分の解明研究
池谷幸信教授
少子高齢化が進み、大学の淘汰が叫ばれる昨今、大学改革・学園創造のトップランナーと評される立命館大学は、今年、創立110周年を迎えます。明治33年(1900)近代日本を代表する政治家の一人と言われ、国際人としても知られる西園寺公望の秘書を務めた中川小十郎氏により、勤労者のための夜学校「私立京都法政学校」として設立されました。同37年、専門学校令により「私立京都法政大学」に改称。その後、西園寺公望が明治2年に京都御苑の邸内に開設した私塾「立命館」の名称継承の許諾を受け、大正2年(1913)に「私立立命館大学」と改称、今日に至っています。

西園寺公望が標榜した自由主義と国際主義の精神を受け継ぎ、自由と清新を建学の精神とする同校は、法学部をはじめ12の学部を擁する西日本屈指の総合大学として、年々、規模が拡大、本年度も13番目の学部となるスポーツ健康科学部の開設が予定されています。
融合型ライフサイエンス教育・研究
びわこ・くさつキャンパス
研究室
薬学部の開設は平成20年(2008)、生命科学部と共に滋賀県草津市のびわこ・くさつキャンパス(BKC)に設立されました。JR京都駅から約20分、南草津駅からバスで10分ほどのBKCには、60年の伝統を有する理工学部、情報理工学部と合わせ、自然科学系4学部20学科が揃い、私立大学最大級の教育・研究拠点と目されています。「21世紀はライフサイエンスの世紀」を理念に、今年3年目を迎える薬学部が目指しているのは創薬から臨床まで、医療・医薬品分野で活躍できる医療人の育成です。その一環がライフサイエンスの拠点として同時に開設された生命科学部の4学科(応用工学科、生物工学科、生命情報学科、生命医科学科)との学部を越えた運営。「融合型ライフサイエンス教育・研究」の名の下に教員会議等も一緒に行っています。

総合大学ならではの特色を活かした教育も特色で、「医療経営論]「医療経済論」「医療倫理」等の科目にも力を入れています。



漢方普及の使徒として
生薬学教室は潟cムラの研究副本部長を務め、武蔵野大学薬学部の客員教授を経て赴任された池谷幸信教授をはじめ、9名が研究に勤しんでいます。研究テーマは、
@世界の薬用植物からの生物活性成分の探索研究
A漢方薬中の有効成分の解明研究

@は薬理学を専門とする研究室と共に、植物成分の分離構造決定技術を活用し、新薬開発の種となる先導化合物の探索研究を行っています。 Aでは、抗健忘成分の解明研究などに着手しています。

「漢方薬は長年の使用経験から人に対する有効性、安全性の知見は豊富ですが、科学的根拠のデータは十分ではありません。その有効性が近代科学的に証明されれば、国民医療にいっそう浸透していくと思います。有効成分の解明研究を行うことにより漢方の普及に貢献したいと思っています」

学内での教育・研究の他にも、近隣の湖南市と開催している淡海生涯カレッジ湖南校や立命館大阪オフィス講座で、漢方の良さを少しでも広めたいと、「漢方薬で元気に」等のテーマで毎月のように講演、啓発活動にも余念がありません。