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日漢協 ニューズレター 80号

(第27巻 第2号)2010年9月

ご挨拶  〜組織が一丸となり、一層の活動強化を〜

日本漢方生薬製剤協会
副会長  
桑野 彰一

日本漢方生薬製剤協会(日漢協)は、昨年6月にさらに活動強化すべく組織改正を行い、医療用漢方製剤、一般用漢方製剤、生薬製剤、生薬および原薬エキスの5つの業態別会議体を設置しました。日漢協会員会社74社は、最低ひとつどこかの会議体に属さねばなりません。各々の業態別会議体は、日漢協全体に係る問題も含めてそれぞれ特有の課題を明確にし、主体的に課題解決にあたるという活動スタイルとなりました。新組織になってから早くも一年半が過ぎました。

昨今の漢方製剤や生薬をめぐる状況を振り返ってみますと、国内では行政刷新会議の事業仕分けによる医療用漢方製剤の保険適用除外、一般用漢方製剤の適性使用の問題などが起き、また国際的には、中国主導で進められている伝統薬の世界標準化(ISO)問題、生物多様性条約締約国会議(COP10、名古屋)の遺伝資源のアクセスと公正かつ衡平な利益配分(ABS)の問題などが出現しています。しかし一方で、本年4月に「新210処方」に更に23処方が追加され、また厚生労働省内に設置された統合医療プロジェクトチームや厚生労働科学研究特別研究事業で漢方医学など伝統医療が取り上げられるなど、我々にとって「追い風」もあります。

こうした新しい状況に対応すべく、日漢協の活動をさらに強化しなければならないことは改めて言うまでもありません。冒頭で5つの業態別会議体について述べましたが、これら業態別会議体のベースあるいは共通項としてあるのは、いずれも原料として生薬を使用しているということです。平成19年度を初年度とする日漢協の中長期事業計画(5ヵ年計画)でも、「原料生薬の安定確保と品質確保」を第一優先課題としているのがその表れです。

本年2月に、日漢協では上記特別研究事業への協力事業として、会員会社に対して平成20年4月から翌21年3月までの1年間に、漢方製剤等の原料として使用された生薬の使用量調査(数量ベース)を行いました。調査結果では、医薬品原料として使用された生薬は約250品目で、それらの総使用量が約2万トン、また総使用量の83%が中国産、12%が日本産、残り5%がその他の国々からの輸入という結果でありました。最も多く使われた生薬は甘草(カンゾウ)で年間約1,260トン、そのすべてが中国からの輸入でしかも野生品ということです。このように、今我々にはしっかりとしたデータに基いて活動を行うことが求められていると思います。一言申し添えると、生薬輸入量に関しては財務省貿易統計などがありますが、医薬品以外のものも含まれており、医薬品原料に限った生薬の使用量調査は今回が初めてであり、日漢協では今後も引き続き調査を継続する計画です。

品質に関して言えば、日本薬局方収載生薬の新規収載や改正、特に生薬および製剤の残留農薬、漢方エキスの重金属など安全性に係る品質の問題について、現在関係する会議体、委員会が精力的に取り組んでいます。以上述べたように、新しく吹き出してくる数々の難題に立ち向かうには、業態別会議体と「横串し委員会」である総務、広報、国際、薬制、技術および安全性の6つの機能別委員会が密接に協力し、日漢協全体が一丸となって活動を加速することが必要です。

末筆になりましたが、我が国の伝統的医薬品の安定供給のため、厚生労働省をはじめとする行政、関係諸団体、関係学会との連携を強め、活動の強化を進めてまいります。

(日本粉末薬品株式会社 代表取締役社長)