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日漢協 ニューズレター 80号

(第27巻 第2号)2010年9月

業態別会議


医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 上田 賢示(株式会社ツムラ)

医療用漢方製剤委員会
平成22年3月17日に開催された日本製薬団体連合会の評議委員会において、平成22年度事業計画案が了承された。「保険薬価に関する事項」では、「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の本格導入と恒久化に向けた検討と対応にあわせて、「保険医療上不可欠な医薬品」の新たな薬価改定方式の導入に関しても対応を進めるとされた。ただ、重点課題の具体的な事項の中にこの件が明記されておらず、芳井日本漢方生薬製剤協会会長をはじめ複数の評議委員の方々から明文化するよう要望が出され、5月19日の評議委員会では、具体的事項の「(2)今後の課題として残された以下の事項に関する対策の検討、推進」において、「保険医療上不可欠な医薬品の薬価改定方式」に関しても取組むことが明記された新たな事業計画が示され、了承された。
6月23日に開催された中央社会保険医療協議会薬価専門部会では、「平成22年度薬価制度改革の概要および次期薬価制度改革に向けた検討事項等について」と「いわゆる2010年問題について」が議題としてあがり審議された。「いわゆる2010年問題について」では、長野専門委員より新薬の研究開発環境と課題に関し、製薬業界の現状について説明されたが、あわせて、製薬企業は古くても医療上必要な医薬品について安定供給を継続しており、これらの医薬品に対する薬価上の措置が必要であるとし、今後中央社会保険医療協議会において検討頂きたいとした。
新任および再任(昨年10月27日付)の中央社会保険医療協議会委員5名に対し、現代医療の場での漢方医学の普及の現状、EBM研究の進展状況、原料生薬の調達や薬価に係る問題点等を説明し、理解いただけるよう面会を行った。

流通適正化部会
医薬品公取協の直近5年間の規約違反措置等の事案56件のうち、43件(77%)が飲食・娯楽提供関係であった。「接待関連社内基準」を未だ作成していない会員会社は、規約違反防止に向け「社内基準作成に当たっての留意事項」を参考に、改めて自社基準を作成してほしい旨依頼した。

教育研修部会
神戸薬科大学薬用植物園の教育用DVDに関し、4月から貸し出しを開始した。作成に参加したメーカー以外の会員会社にも、貸し出しのアナウンスを行った。
現在、会員各社が利用しているMR教本Uは、制度の改正や使用上の注意の改訂など様々な情報の早急な更新が必要である。そのため来年1月を目途に、新たなMR教本の作成を完了することにした。

保険薬価研究部会
平成20年度薬価改定以降の、生薬、漢方製剤に関する薬価の基本データの整理に関し、引き続き検討を進めた。今後、「薬価制度における漢方薬の歴史」(仮称)として、生薬および漢方製剤の薬価の変遷表、生薬および漢方製剤に係る医療制度、診療報酬制度、薬価制度等の情報も盛り込み、整理を進める予定である。
漢方に関する意識調査について、3月に実施した街頭アンケートの集計作業を実施した。また、評価方法に関し検討した。6月の日本東洋医学会学術総会の市民公開セミナーにおいてアンケート調査を実施した。集計した結果は、関連学会で報告することになった。

有用性研究部会
『漢方治療エビデンスレポート 2010』(EKAT 2010)、同英語版、『漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン 2010』(漢方CPG 2010)を、6月4日に日本東洋医学会ホームページに公開した。
6月4日〜6日に名古屋で開催された第61回日本東洋医学会学術総会において、上記と関連する2演題を発表した。
1)漢方薬の臨床試験登録と結果の公表状況
2)漢方製剤のRCTは漢方製剤使用実態のどこまで説明できるか?


生薬会議
生薬委員会 委員長 浅間 宏志(株式会社ウチダ和漢薬)

中国産チンピの使用農薬調査結果を「薬用植物栽培における使用農薬の実態調査(第1報)中国産チンピの使用農薬」として『生薬學雑誌』に論文投稿したことは前回報告したが、7月の訂正原稿再提出を経て、来年2月号(65巻1号)に原報として掲載されることが決定した。関係者のご尽力と財団法人日本食品分析センターのご協力に対し、誌面を借りてお礼申し上げます。 平成22年度厚生労働科学研究事業による「漢方薬に使用される薬用植物の総合情報データベース構築のための基盤整備に関する研究」(主任研究員:川原信夫医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター長)が、本年度から3年計画でスタートし、研究協力団体の一つとして当協会が挙げられている。今回、研究班が生薬サンプルを収集することになったので、生薬会議および技術委員会会社を対象に提供可能な生薬サンプルを募った結果、9社から119サンプルの申出があった。そのリストを研究班に提出した。

日本での薬用植物栽培振興の一環として、5月26日、日漢協事務局にて農林水産省生産局流通振興課および薬用植物資源研究センターと、同センターでの試験栽培を農林水産省の圃場で実生産確認することや今後の取り組みなどについて意見交換を行った。また独立行政法人 農林水産消費安全技術センター(以下FAMIC:旧農薬検査所)に対し、専ら医薬品である薬用植物の適用作物分類の変更案について内容精査のための協力を行った。更に日漢協生薬会議各社にて自社又は取引先における日本栽培生薬とその栽培に使用する農薬種の調査を実施し、FAMICに報告した。7月14日には福島県福島市にて「薬用作物に係る勉強会」(主催: 福島県、共催: 福島県耕作放棄地対策協議会)が開催され、生薬の栽培状況と課題について講演を行った。

原料生薬使用量等調査は中間報告の後、最終とりまとめを進めており、さらに冊子化も予定している。本結果にもとづく生薬の流通状況を「薬用植物フォーラム2010」(主催: 医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター、7月13日、つくば国際会議場)にて、浅間が講演した。医療用生薬(薬価)の市場規模に関し日本生薬連合会と協力し、両団体以外の該当会社を含めた37社に対し、「医療用生薬の市場把握に関する調査」を実施している。

日本製薬団体連合会ワシントン条約関係連絡会では、7月に中国でのユウタンに関する視察調査を行った。今後、調査結果等を報告する予定である。



一般用漢方製剤会議
一般用漢方製剤委員会 委員長 大窪 敏樹(クラシエ薬品株式会社)

くすり相談部会
3つのWGで活動を行っている。
@新210処方WG:Q&A集の新210処方効能・効果への対応
A事例・苦情相談G:事例・苦情への回答
BトピックスG:トピックスの収集と共有化

処方部会
一般用漢方210処方の整備
「改訂 一般用漢方処方の手引き」(じほう)に23処方を追補版として追加出版するため、国立医薬品食品衛生研究所合田幸広生薬部長、袴塚高志第二室長に協力して進めている。
新規追加処方については、8月の薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会で、残る62処方のうち必要性の高い処方について審議される見込みである。

適正使用推進部会
一般用医薬品の外箱情報の記載状況に関する調査報告では、生活者の声を活かす事例を紹介し、外箱表示のよりわかり易い記載について検討している。
また、日本OTC医薬品協会の広告審査会レポートから、漢方関連の指摘状況について情報の共有化を行っている。

【防風通聖散AUR進捗状況】
平成22年5月10日に研究班会議が開催され、調査資料等の確認を行った。そして、調査薬剤師への説明会(東京5月16日、大阪5月30日)を経て、調査が開始されている。(目標症例数:200症例)


生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 浮田 謙二(第一三共ヘルスケア株式会社)

生薬製剤委員会では、平成22年度は4つの活動項目を掲げて新たな生薬製剤の開発を進めている。
1. 生薬製剤の存在意義、開発意義の明確化については、生薬製剤範囲拡大のための提案書を作成した上で、
  関係者との意見交換を重ねている。
2. 既存の承認基準の拡大に向けたアプローチは、特定保健用食品や西洋ハーブの承認基準との比較検証の
  実施を検討中である。また、生薬製剤データベースを用いた既存の生薬製剤の分析を今後行う予定である。
3. 生薬製剤の有効性を評価する手段の確認は、これまで集積した101報の文献リストを活用して、必要性を判
  断の上、原著取り寄せと内容確認を行う予定である。
4. 他団体、有識者との連携については、日本OTC医薬品協会での活動状況について情報を入手した。また、生
  薬を活用した医薬品と食品の境界に詳しい研究者と協議を行うべく、人選を進めている。

制度研究部会
新たな生薬製剤の承認取得に向けた環境作りを行っており、有識者と意見交換を行うための提案書を取りまとめるとともに具体的な協議を精力的に行っている。6月には承認審査経験者と面談し、有意義な意見を得るとともに、生薬製剤が新たな効能・効果を取得するために対応すべきステップのあり方や、生薬製剤に関連する法令や通知類の活用方法等を検討している。

製剤開発部会
魅力的な効能を訴求できる生薬の組み合わせの探索を行っている。6月より当委員会で作成した生薬製剤データベースの内容確認および活用方法の検討と、事例として取り上げたニンジン主薬製剤に関する承認事例の調査等を行う予定である。


原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)

1.漢方エキスの新規収載候補等
日本薬局方原案審議委員会・生薬等委員会(座長:合田生薬部長)から、第16改正日本薬局方第一追補(平成24年10月施行)以降の新規収載候補品目として、乙字湯、葛根湯加川芎辛夷、加味帰脾湯、五苓散、大柴胡湯、桃核承気湯、半夏瀉心湯、防已黄耆湯、防風通聖散、麻黄湯および抑肝散の11処方の漢方エキス、ならびに桃核承気湯と防風通聖散に配合されるボウショウが提案された。8月に(独)医薬品医療機器総合機構(以下、総合機構)で、上記新規収載候補に関するパブリックコメント募集が行われた。
第17改正日本薬局方(平成28年4月施行)で、既収載および16局で収載される漢方エキスに重金属の個別基準が設定される見込みである。それに先立ち、国立医薬品食品衛生研究所のICP-MSを用いて重金属個別試験を行うことになった。厚生労働科学研究の一環として行われるが、相当な検体数になることが予想される。日漢協全体で8社が試験に参加するが、そのうち原薬エキス関係からは2社が参加する。

2.製剤総則改正案
現在、総合機構では製剤総則改正に伴う運用上の取り扱いが検討されている。日本漢方生薬製剤協会では薬制委員会を中心に検討されているが、当委員会でも議論を行った。以前にも意見提出しているが、ゲンノショウコ、カンゾウなど500g入り包装のものも茶剤に包含されるよう再度アピールすることとした。

3.原薬エキス基礎データの作成
昨年度、当会議メンバー会社が有するチンキ剤と流エキス剤に使用される生薬、品目数、抽出溶媒等の基礎データを作成したが、今回単味生薬の乾燥エキスおよび軟エキスについてまとめた。単味生薬の乾燥エキス製造に用いられる生薬は約80種(品目総数は約180品目)、軟エキスでは約90種の生薬(約220品目)が用いられていた。ちなみにチンキ剤では約40生薬(約180品目)、流エキスで約100生薬(約210品目)であった。
また、当会議メンバー会社が輸入する単味生薬エキスの実態を把握すべく、輸入品目、輸入先国、輸入量、問題点などを現在調査中である。