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日漢協 ニューズレター 80号

(第27巻 第2号)2010年9月

生薬学教室を訪ねて[50]


松山大学薬学部生薬学教室

新規機能性天然物の探索と応用に関する研究
吉田隆志教授
三実主義を校訓に
キャンパス
研究室
「真実」「忠実」「実用」の3つの実からなる「三実主義」を校訓とする松山大学は、大正12年(1923)、同学園の三恩人とされる新田長次郎、加藤恒忠、加藤彰廉三氏らの尽力により松山高等商業学校として創立されました。

真実は真理に対するまこと、忠実は人に対するまこと、実用は用(仕事)に対するまことを意味しています。これは第一回卒業式において加藤彰廉初代校長の訓示で述べられた言葉で、以来、人間形成の伝統原理として脈々と受け継がれています。

地元政財界の強い要望で開校した同校は、その後、昭和19年に松山経済専門学校と改称、24年の学制改革で松山商科大学に昇格、平成元年(1989)松山大学と改称して今日に至っています。

現在、同校は旧制松山高等商業学校からの伝統を引き継ぐ経済学部をはじめ、経営学部、人文学部英語英米学科・社会学科、法学部、薬学部の5学部6学科を擁する文理融合の総合大学として揺るぎのない地歩を築き、開学以来の卒業生の数は6万4千人を数えています。

薬学部(医療薬学科)は、薬学教育の歴史的転換期と言われ、6年制教育が導入された平成18(2006)年、「健やかな社会を支える人間味あふれる薬業スペシャリストの養成」を目指して開設されました。一期生として入学した学生は5年生となり、各研究室に配属され、勉学・研究に勤しんでいます。

薬学部が教育目的として掲げているのは
・コミュニケーション能力を備えた人材の養成
・セルフメディケーションに適切に対応できる人材の養成
・薬学にとどまらず人文・社会科学系の知識を持った産業界で活躍できる人材の養成 ・法律や制度に通じた人材の養成
など8項目、この目的を達成するためカリキュラムは、共通教育科目、言語文化科目、健康文化科目、専門教育科目の4つから成り立っています。

4年生から配属となる研究室は、薬品物理学、薬品分析化学、製剤学、感染症学など17研究室で構成されています。

伝承天然薬物に秘められた実力を探り健康科学に新たな光を与える
生薬学研究室は、岡山大学から赴任された吉田隆志教授、天倉吉章准教授、好村守生助教、白川綾子助手の4名のスタッフの下に4年生11人、5年生9人が所属。以下の研究テーマに取り組んでいます。
・新規機能性天然物の探索と応用に関する研究(抗酸化作用、免疫系制御作用成分等)
・漢方処方の効能解析研究
・食品の3次機能解明と安全性評価
・生薬および天然添加物の効能評価と基準化

吉田教授が30数年にわたり研究しているのが、緑茶や赤ワインなどに含まれるポリフェノール、優れた抗酸化作用、抗ガン作用、抗菌作用等の働きを明らかにしています。

研究のみならず地元との交流にも力を入れています。その一つが春と秋に行う薬用植物園の一般公開です。薬草クイズラリーなどのイベントの他、教員だけでなく、学生が薬草の説明に当たっており、地元の人達から人気を博すとともにコミュニケーション能力養成の場ともなっています。