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日漢協 ニューズレター 81号

(第27巻 第3号)2011年1月

巻頭言  新年御挨拶

厚生労働省 医薬食品局長
  
間杉 純

新年明けましておめでとうございます。

近年、健康に対する意識の高まりを背景に、国民の皆様の医薬品等に対する関心はますます高まっております。同時に、急速な少子高齢化の進行、科学技術の進歩、国際化の進展など医薬食品行政を取り巻く環境も大きく変化しております。こうした中、医薬食品行政を担当する者として、その責任の重大さを改めて実感しております。日々高まる医薬食品行政に対する国民の皆様の御期待に沿えるよう、各種施策を進めてまいる所存です。

薬害肝炎事件等の反省を踏まえ、平成二十年五月から約二年間にわたり、「薬害肝炎事件の検証及び再発防止に向けた医薬品行政のあり方検討委員会」において、医薬品行政について御議論いただき、昨年四月に最終提言が取りまとめられました。この最終提言の内容を真摯に受け止め、二度と薬害を起こさないよう、医薬品等の安全性の確保に向けた検討を進めてまいりました。例えば、医薬品等の安全対策に活用する医療情報データベースの整備など実現可能なものは迅速に対応するとともに、法改正が必要な事項については、本年春までに検討部会を立ち上げ、その後、必要な法律改正に向けて検討を進めてまいります。

いわゆるドラッグ・ラグなど医薬品の審査の迅速化につきましては、「革新的医薬品・医療機器創出のための五か年戦略」等を受け、平成二十三年度までにその解消を図ることを目標に、審査人員の拡充、日本発シーズの実用化に向けた医薬品・医療機器に関する薬事戦略相談事業の実施、未承認薬・適応外薬の解消への取組を進めてまいります。また、医療機器についても、「医療機器の審査迅速化アクションプログラム」に基づき、平成二十五年度までにラグの解消を図ることを目標に、審査人員の拡充、審査基準等の明確化、新医療機器・改良医療機器・後発医療機器のスリートラック審査制等に取り組んでいるところであり、医療現場でニーズの高い医療機器の迅速な導入に向けて、より一層の取組を進めてまいります。

新しい一般用医薬品の販売制度につきましては、医薬品の適切な選択と適正な使用に資するよう、専門家が対面で情報提供を行う等の制度の定着をより一層図るとともに、一般用医薬品のリスクに応じた分類について、製剤単位のリスクも考慮した見直しを進めているところです。

また、医療現場で通用する実践力等を持つ薬剤師を養成するための薬学教育六年制の特徴である長期実務実習が今年度から開始され、薬剤師の皆様方にはこれまで以上に最適な服薬指導や医療安全対策などの役割が期待されています。引き続き、その役割強化のため、各種研修事業の拡充等により、引き続き医療の担い手としての資質向上を図ってまいります。

薬事監視につきましては、GMP/QMS調査体制の強化による国際整合性の一層の確保や、無承認無許可医薬品の取締り強化などに引き続き努めてまいります。薬物乱用防止対策につきましては、最近、覚せい剤の乱用や大麻の不正栽培・所持等の事件が相次いでいることから、「第三次薬物乱用防止五か年戦略」及びその加速化を図るために策定した「薬物乱用防止加速化プラン」に基づき各種の予防啓発活動や取締りを徹底してまいります。

血液事業につきましては、急速に減少している若年層の献血者数を増やすため、男性に限り十七歳から四百ミリリットル全血採血を可能とするとともに、普及啓発活動を強化するなど、引き続き献血推進に取り組んでまいります。

また、全国民分の新型インフルエンザワクチンを国内において約半年で生産可能とする取組については、昨年七月に第一次の交付金交付対象事業を採択したところであり、今後とも着実に進めてまいります。

このように、医薬行政は多くの課題を抱えておりますが、これらの課題の一つ一つに全力で取り組む決意でございます。

本年も、医薬行政に対する皆様の一層の御支援、御協力を御願いいたしますとともに、皆様方のますますの御発展と御多幸をお祈りいたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。