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日漢協 ニューズレター 81号

(第27巻 第3号)2011年1月

業態別会議


医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 上田 賢示(株式会社ツムラ)

医療用漢方製剤委員会
平成22年9月3日の日本製薬団体連合会(以下、日薬連)保険薬価研究委員会(以下、薬価研)常任運営委員会において、医療上不可欠な医薬品の薬価について業界内で取りまとめた素案を発表した。薬価研のメンバーから、取り立てての反論意見も出ず、今後は薬価研の中でより詳細な討議が行われる予定である。対外活動として引き続きあらたに就任された中央社会保険医療協議会委員に対して、現在医療の場での漢方医学の普及の現状、EBM研究の進展状況、原料生薬の調達や薬価に係る問題点等を説明し、理解いただけるよう面談を行った。

第5回 日薬連流通適正化部会報告
座長が禰宜寛治氏(武田薬品工業)から加茂谷佳明氏(塩野義製薬)に交代した件、および「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の周知・普及・定着活動に対する反応、および第16回医療用医薬品の流通に関する懇談会に関し報告した。
公取協関連報告
前回に引き続き、接待関連行為の「飲食・娯楽」に係る運営委員会実務委員会などの状況を紹介した。
製薬協プロモーションコード実務部会報告
11月実施のコード理解促進月間は、2001年より毎年実施し、今年で10年目になる。当初は経営トップの理解促進に取り組み、2005年から支店営業責任者の理解促進、2007年からは中間管理指導者層に焦点を絞って展開してきた経緯を紹介した。本年のテーマは「適切な情報提供」で中間管理指導者層の方々にアクションを起こしていただくことを目的にした。

教育研修部会
薬用植物園見学について
10月14日からの九州大学薬学部見学に関して、クラシエ薬品の白井雅史委員、ジェーピーエス製薬の平雅代委員から準備状況等報告を受けた。10月14日は、日漢協会議室にて部会を行い、その後移動し、翌日に九州大学薬学部を見学した。窓口は、九州大学大学院薬学研究院薬用資源制御学分野の田中宏幸准教授であった。
勉強会
安全対策に関する最近の話題とトピックスについて、安全性委員会杉山泰哲氏に講義を頂いた。薬害再発防止のための医薬品行政などの見直しにあたり、「薬害教育」のために各社研修部門でGVP教育を行うべきとの提案があった。また、企業が医療機関に提供する適正使用情報の実態を確認する調査内容から、各企業による情報伝達能力の格差、情報提供の頻度、提供時期、内容のばらつき等、種々の問題点があることを紹介いただいた。
MR教本Uの改訂について
各社で分担した改訂箇所の進捗度、修正・改変期限の確認をした。MR研修テキストVへの大幅な改訂に向け、1月14日の部会で校正を終了し製本する予定で調整した。各社の担当箇所の内容を、参加委員全員で確認した。
教育研修部会
@「MR教本U」の改訂に伴う各社の問題点の共有
各社で分担した箇所の中で、用語の統一を検討した。その一例として「日本医薬品医療機器総合機構」という記載を各章で「総合機構(pmda)と略す」事を確認した。また、処方せん薬の定義や医療用漢方製剤の歴史について、一部資料によって記載が異なるケースがある点も確認し是正する事とした。次回の部会においては、スクリーンに映し参加委員全員でもう一度チェックするスタイルに加え、後日新たな確認ができるよう文書出力し更なる正確さを担保する事で意見が一致した。
A外部講師による勉強会講師選定
漢方医学に精通し、導入研修を長きに渡り担当されてきた秋田大学医学部大武 光非常勤講師に講演を依頼する事に決定した。

有用性研究部会
@医療用漢方製剤 2010(仮称)の作成
入力項目とその内容に関する検討を実施した。
A東洋医学会EBM特別委員会協力作業
2011年6月公開予定の「漢方治療エビデンスレポート 2011」「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン 2011」への協力作業のスケジュールをたてた。

保険薬価研究部会
@データ整理、「薬価制度における漢方薬の歴史(仮称)」の作成について
前回に引き続き、漢方製剤の承認日・収載日等について検討を実施した。特に、承継品目の漢方処方を中心に、再確認を実施した。また、25年前のマル漢収載時の取扱方法や今後のスケジュール等に関しても再検討した。
A漢方に関する意識調査について
次回の街頭アンケートにつき、調査項目や評価方法に関して検討した。
日漢協市民公開セミナーにおける、アンケート調査を実施した。(セミナー参加者333名、回答数250枚)


生薬会議
生薬委員会 委員長 浅間 宏志(株式会社ウチダ和漢薬)

「日本薬局方外生薬規格」(以下、局外生規)について、厚生労働省医薬食品局審査管理課長より“継続”する旨の方針提示があり、更には国立医薬品食品衛生研究所生薬部 合田 幸広 部長から局外生規の見直しについて関係団体に伝えられた。日漢協ではこれを受け、関係委員会(技術委員会・一般用漢方製剤委員会・生薬製剤委員会・原薬エキス委員会)にて“局外生規の新規収載候補として最大限考えられる品目(案)”をとりまとめ、これをもとに局外生規の新規収載等に関する意見募集を平成22年11月29日で会員会社に発信した。およせいただいた意見は局外生規検討のための研究班等に反映させていく予定である。

平成23年度に実施を予定している使用農薬調査第2弾では、調査品目に「タイソウ」を候補として検討している。「タイソウ」は使用量調査では上位5位の取扱であり、技術委員会でのアンケート調査では注意を要する品目となっている。また産地が河北、河南、山東、山西に絞り込めることなどが選択理由である。平成23年度に実地調査を行い、平成24年度に調査結果にもとづく試験検査および論文化を図ることとなる。

PIC/Sギャップ分析において、植物薬に関して生薬の原産国や収穫時期など出発物質の規格について記載があるため、生薬栽培部会から技術委員会に委員を派遣し分析協力を行った。

9月17日には長野県駒ケ根市で「関東東海北陸農業試験研究推進会議関東東海・水田作畑作部会平成22年度特産作物研究会」(主催: 関東東海・水田作畑作部会)が開催され、漢方生薬原料をめぐる現状と課題について、生薬栽培部会の石塚康弘氏が講演を行った。

日本製薬団体連合会ワシントン条約関係連絡会では7月4〜9日に中国吉林省・黒竜江省を訪問し、飼育クマとそこから得られる「ユウタン」の現地視察調査を行い、同10日には北京の国家林業局を訪問し、中国での「ユウタン」生産状況等について意見交換を行っている。


一般用漢方製剤会議
一般用漢方製剤委員会 委員長 大窪 敏樹(クラシエ薬品株式会社)

くすり相談部会
3つのWGで活動を行っている。
@新210処方WG:Q&A集の新210処方効能・効果への対応
A事例・苦情相談G:事例・苦情への回答
BトピックスG:トピックスの収集と共有化

処方部会
一般用漢方210処方の整備
1)加減方23処方関連(平成22年4月1日付け審 査課長通知で承認基準に追加)
@「改訂 一般用漢方処方の手引き」(じほう社)の23処方の追補版が8月30日に発刊された。
A11月29日の薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会においてリスク区分について審議され、既存の漢方処方と同様に第二類医薬品に指定することが了承された。今後、告示される予定である。
2)新規追加候補27処方関連
@8月23日の薬事・食品衛生審議会 一般用医薬品部会で了承された。今後、パブリックコメントを経て新基準が通知される見込みである。
A処方部会において参考文献の内容確認を行っている。
3)追加処方に関連して、“使用上の注意”の作成、新規生薬の規格作成等について、関係委員会に協力いただき進めている。

適正使用推進部会
日本OTC医薬品協会の広告審査会レポートから漢方関連の指摘状況について情報の共有化を行っている。

【防風通聖散AUR進捗状況】
エントリー数は目標症例数200症例に達し、順調に進捗している。


生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 浮田 謙二(第一三共ヘルスケア株式会社)

生薬製剤委員会では、4つの活動項目を掲げて新たな生薬製剤の開発をめざしている。
1点目は生薬製剤の存在意義、開発意義の明確化であり、周辺情報となる生薬の規格や単味生薬の効能・効果に関する検討状況等について情報収集を行っている。
2点目は既存の承認基準の拡大に向けたアプローチであり、現状確認のために生薬製剤データベースを作成した。また、既承認の生薬製剤の効能・効果を読み替えることによって、より魅力的なものにできないか検討中である。
3点目は生薬製剤の有効性を評価する手段の確認であり、これまで集積した101報の文献リストを活用して、必要性を判断の上、原著取り寄せと内容確認を行う予定である。
4点目は他団体、有識者との連携であり、日本OTC医薬品協会等と連携して生薬製剤等のリスク区分見直しに関わる調整等を行った。

制度研究部会
新たな生薬製剤の承認取得に向けた環境作りを行っている。既存の生薬製剤の効能・効果の読み替えによる一定のルール化と魅力的な効能・効果の創出が可能か否か検討することを目的として、女性用薬を事例とした検証を開始した。

製剤開発部会
魅力的な効能を訴求できる生薬の組み合わせの探索を行っている。現在は、当委員会で作成した生薬製剤データベースの内容確認および活用方法の検討と、関連文献の収集・確認を行っている。


原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)

1.漢方エキスの新規収載候補等
第16改正日本薬局方第一追補(平成24年10月施行)以降の新規収載候補漢方エキスとして、乙字湯、葛根湯加川芎辛夷、加味帰脾湯、五苓散、大柴胡湯、桃核承気湯、半夏瀉心湯、防已黄耆湯、防風通聖散、麻黄湯および抑肝散の11処方が決まった。原薬エキス委員会でこれらについて軟エキスの有無を調査したところ、すべての処方に軟エキスが存在することが判明し、関係委員会に連絡した。
第17改正日本薬局方(平成28年4月施行)で、既収載および16局収載予定の漢方エキスに重金属の個別基準が設定される見込みである。それに先立ち厚生労働科学研究の一環として、国立医薬品食品衛生研究所(以下、国立衛研)のICP-MSを用いて重金属個別試験を行うことになった。原薬エキス会議からは2社が参加し、昨年11月に第1グループの八味地黄丸、小青竜湯、加味逍遙散、葛根湯および黄連解毒湯の計5処方を対象とした試験を終了した。試験は処方を変えてさらに継続される。

2.日本薬局方外生薬規格
厚生労働省審査管理課から「日本薬局方外生薬規格」(以下、局外生規)を継続するとの方針提示があり、また国立衛研生薬部合田幸広部長から関係業界で至急収載要望生薬をまとめて欲しい旨依頼があった。現在、新210処方(追加処方を含む)の配合生薬を中心に関係委員会で収載要望生薬が検討されている。
一方、新薬関係が中心の「日本薬局方外医薬品規格」があり、これには10数種の動植物由来エキスが収載されている。これら動植物エキスも局外生規に収載できないか提案したところ、エキスそのものの収載は無理だが、エキスに使用される原料生薬ならば収載可能であるとのことであった。原薬エキス委員会で収載要望品目を調査し、セイヨウトチノミ種子エキスなどの原料生薬4種を提案した。

3.原薬エキスの基礎データ
これまでに当会議メンバー会社が有するチンキ剤、流エキス剤および単味生薬エキスについて基礎データをまとめたが、現在漢方処方エキスについて調査中である。