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日漢協 ニューズレター 81号

(第27巻 第3号)2011年1月

日漢協の動き


第13回市民公開漢方セミナー
健康を守る運動・漢方・笑い



浜離宮朝日ホールで
第13回市民公開漢方セミナーが、10月14日(木)都内中央区の浜離宮朝日ホールで開催された。
13回目を迎えた今回は、元日本東洋医学会会長の松田夫先生が、健康を守る運動・漢方・笑いをテーマに講演した。

講演に先立ち井順一会長(ツムラ社長)が開会の挨拶に立ち、漢方の歴史、漢方と中医学の違いを紹介した後、昨年11月、財務省から提起され、行政刷新会議ワーキンググループにおける事業仕分けで起こった市販類似薬を保険適用外とする問題について、約二週間で92万余の反対署名が集まり、保険給付が継続ができたこと、二大政党の民主党、自民党がマニフェストでも漢方の普及確立をうたっていることに触れ、「二度と漢方薬の薬価外しの議論は起きないでしよう。これもここにご参加の皆様のお力添えあればこそです」と丁重に感謝の意を表し、今後、漢方の役割はますます高まるだろうと力説した。




松田夫先生


中高年の姿が目立った会場
●松田夫元日本東洋医学会会長が講演

80歳になるという松田先生の講演は、大御所ならではのオーソドックスな内容だった。

漢方の歴史に続いて、一般医師における漢方エキス製剤の使用理由として、@西洋薬だけでは限界があるA科学的データが報告されてきたB患者のQOLを高め全人医療ができるC患者からの強い要望が出るようになった、と指摘。その後、漢方の基礎等を概説の後、本題に移り、健康を守る三要素としての運動、漢方、笑いについて判りやすく解説された。

運動については、ウォーキング、ジョギング、水泳、水中歩行など有酸素運動は、インスリン抵抗性を改善する効果がある。体力に応じて、楽しみながら継続して行うことが大切と述べた。

笑いの効果については、NK細胞の活性化を上昇させ、免疫力を高める働きがある、漢方薬では補中益気湯にその効果があると紹介。好きなことをして愉快に過ごせば、「笑う門に福来る」と結んだ。

ターゲットを若い女性に絞った前年までと違い、演題が幅広かったためか、会場には中高年の姿が目立ち、「分かりやすく、説得力のある講演だった」「早速、実行したい」との声が多々聞かれた。


生物多様性条約対応ワーキンググループ

生物多様性条約の締約国会議COP10が名古屋で10月18日〜29日に開催されました。「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分」(以下、ABS)については、提供国と利用国の対立が顕著でしたが、最終段階で日本から議長提案としてABS議定書案が出され、10月30日未明に「名古屋議定書」が採択されました。議定書で派生物は「遺伝資源の利用」という文言に置き換えられ、遡及適用や出所開示などには触れられていません。伝統的知識はABSの対象となることが改めて議定書に記載されましたが、定義が不明確なため今後の検討を待つことになると思われます。また遺伝資源としての生薬の位置づけについては、議定書の用語の法律的解釈や相手国の国内法の整備状況なども含め現在確認を進めています。必要な情報は引き続き日漢協会員専用ホームページの生物多様性条約の画面にアップしていくので、参考にしていただければ幸いです。