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日漢協 ニューズレター 82号

(第28巻 第1号)2011年5月

巻頭言  東日本巨大地震の発生と医薬品

参議院議員
  
藤井 基之

3月11日(金)午後2時46分、私は国会議事堂の決算委員会議場におりました。突然の縦揺れ、続いてこれまで経験したことのない大きく、長い横揺れが続き、委員会室天井のシャンデリアは今にも落下しそうなほど、大きく揺れていました。直ちに委員会は中断され、議事堂内で待機することになりましたが、その後も大きな余震が続くなど、大災害となることが予測されました。都内にある九段会館の天井が落下したとか、お台場のビルから火災が発生したなどの近隣の状況がテレビなどで伝えられ、都心における被害を心配していました。

ところが、震源地は東北地方の太平洋沖であり、宮城、福島などの震度は6強以上との報道に驚きました。テレビを通じて東北地方の被害の状況が明らかになりましたが、三陸地域に押し寄せた大津波の映像や気仙沼の大規模火災の様子などに言葉を失いました。マグニチュードは9. 0と国内観測史上最大で、エネルギーは阪神淡路大震災の数百倍であったとのことでした。死者も1万人を超え、行方不明者を加えると3万人に近いことが予想されています。阪神淡路大震災の死者数は6,434人でしたので、まさに未曽有の大災害となりました。亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈りしたいと思います。

今回の大地震では、大津波による想像を絶する被害に加えて、福島第一原子力発電所の崩壊という、わが国において経験したことのない大災害となってしまいました。原発周辺の居住者には避難勧告が出され、近県のみならず、東京などへの避難も進められています。国内の原子力事故としては最悪の深刻度であるとの原子力安全・保安院の評価が出されており、これ以上危険度が増さないことを祈るばかりです。

一方、国会は3月1日未明に衆議院本会議において平成23年度政府予算案が与党賛成多数により可決され、3月29日参議院では否決されましたが、衆議院優越により同日成立しました。しかし、歳入を保証することを目的とした赤字国債の発行のために必要な「特例公債法案」などの予算関連法案が予算案と切り離され、未だ成立の目途が立っていないなど、異例の展開となっています。

参議院厚生労働委員会は3月10日に動き始めましたが、11日の巨大地震の発生により休止状態となり、15日に予定されていた厚生労働大臣の所信に対する質疑も24日に延期されました。24日には私がトップバッターとして50分の持ち時間で質問を行いました。東日本巨大地震関係についての質問の中で、医薬品工場が大きな被害を受けたため、ある種の医薬品の供給に支障が出ていること、被災地ではないが計画停電の影響で供給に悪影響が出る医薬品も存在することから、安定供給への配慮を強く求めさせていただきました。漢方薬の供給にも影響が生じたのではないでしょうか。

30万人を超える被災者が、多数の避難所に身を寄せておられ、加えて原発周辺の住民の皆さんも県外に避難され、避難の長期化に備えた支援が必要となっています。岩手、宮城、福島3県における医療機関や薬局への医薬品供給は、当初ガソリン不足のため支障を来していましたが、卸の皆さんの並々ならぬご努力により徐々に安定化してきているとのことです。また、製薬企業のご協力により避難所への医薬品の援助も手当てされており、救護所の設置など被災者が安心して医療を受けることができる体制が早期に整うことを祈るとともに、未曽有の大災害を、国民一丸となって乗り越えられることを期待したいと思います。