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日漢協 ニューズレター 82号

(第28巻 第1号)2011年5月

生薬学教室を訪ねて[52]


長崎国際大学薬学部薬品資源学研究室

天然薬物に対するモノクローナル抗体の
作製と応用研究

正山征洋教授

茶道文化をバックボーンに
茶室でお手前を受講
いつも、人から。そして、心から。…をモットーとする長崎国際大学は、平成12(2000)年、(学)九州文化学園を母体に長崎県と佐世保市、そして地元経済界の支援による公私協力方式により誕生しました。

キャンパスは、滞在型リゾート施設として人気のハウステンボスにほど近い風光明媚な地にあり、人間社会学部、健康管理学部、薬学部の三学部で構成されています。

建学の基本理念である人間尊重を基に、人間社会学部では観光と福祉をテーマに、世界の文化と人々の生活の在り方を、健康管理学部は食を通して健康の創造を、薬学部は薬から命を見つめることを探求。いずれの学部も命・健康・暮らしを共通項としています。

この建学の精神のバックボーンに据えているのがユニークこのうえない「茶道文化」です。旧平戸藩主松浦鎮信により創設された武家茶道・鎮信流の教えである、「ともに同じ目線で向き合い、互いに敬いながら支え合う」“もてなしの心”が人間理解の一つとして取り入れられ、カリキュラムに活かされています。

イースタンブロッティングの開発
研究室の皆さん
平成18年に創設され、本年で6年目を迎える薬学部は、「良き薬剤師である前に、心豊かなヒトらしいヒトであること」をテーマとしています。その一端として全学生が茶道文化を受講、お手前を茶室で学び、ホスピタリティの意味を体得すると共に茶が中国から薬として伝来したことを理解する場ともなっています。

茶道文化を学ぶかたわら、早期体験学習として1年次生全員が製薬会社、環境関連研究所、病院薬剤部を見学するコースも設けられ、幅広い知識の習得に力を入れています。

薬品資源学研究室は、九州大学から赴任された正山征洋教授、森永紀講師、宇都拓洋助手、ベトナムからのポスドク、中国北京からの院生、ホーム研究員2名、研究補助員2名と学生14名がメンバーとなっています。

研究テーマとして取り組んでいるのは、@天然薬物に対するモノクローナル抗体の作製と応用研究とA生薬の活性成分に関する研究です。

モノクローナル(単クロン)抗体を武器にした研究では、数々の成果を挙げ、広く海外に発信しています。

その一つがイースタンブロッティングの開発、ノーザン、サザン、ウエスタンブロッティングに次ぐ新しい染色方法で、薬用人参、甘草、柴胡、大黄、センナの有効成分を染色し、その品質評価をビジュアルに行えるようになっています。

この他にもノックアウトエキスの作製、ミサイルタイプ分子育種を確立、新しい育種法として漢方配合生薬へ応用すべく研究に勤しんでいます。

地域貢献、国際貢献にも余念がなく、佐賀県玄海町でスタートした「薬草栽培プロジェクト」へ参画、甘草に焦点を当て、育種、栽培研究を行っており、その成果が期待されています。