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日漢協 ニューズレター 83号

(第28巻 第2号)2011年9月

業態別会議


医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 豊川 峻輔(株式会社ツムラ)

平成23年6月22日に、東日本大震災の影響で3ヵ月延期されていた中央社会保険医療協議会(以下、中医協)薬価専門部会が開催された。「保険医療上必要性が高い医薬品の薬価改定方式について」に関して、禰宜寛治専門委員(日本製薬団体連合会保険薬価研委員長)から、提案の背景、具体的な内容等が説明され、本件に関する議論が開始された。
薬価専門部会は7月27日にも開催され、想定する対象品目の具体的イメージや供給している企業や業態の実態に関し、吉田易範薬剤管理官と禰宜専門委員から具体的な実例をあげ説明され、今後も継続して議論していくことになった。
次回の中医協薬価専門部会は8月下旬に開催され、製薬業界からの意見陳述がなされる予定である。
2008年に実施した「漢方薬使用実態調査(定量)」について、医療用漢方製剤委員会において議論した結果、漢方薬の保険医療上の必要性が強く認められるデータが得られており、継続した最新データを得るべきとの結論に達した。再度の調査を実施することが理事会で承認され、8月下旬を目処に実施する予定である。

保険薬価プロジェクト、保険薬価研究部会(生薬委員会と共に活動)
8月末実施予定の中医協における製薬業界からの意見陳述に向けて、漢方製剤・生薬についての薬価制度改革に関する日漢協としての意見をまとめ、6月15日に日本製薬団体連合会(以下、日薬連)会長宛に提出した。
生薬の最低薬価ルール導入に向けて、日漢協としての意見をまとめて、日薬連保険薬価研究委員会に対して、6月14日に提案した。今後、来年度の薬価改定に向け、日薬連内で詳細検討がなされる予定。
漢方薬に対する一般国民意識調査として、5月20日〜22日、街頭アンケート調査を実施し、312件の回答を回収した。また、6月12日、日本東洋医学会・日漢協主催市民公開セミナー参加者に対して、アンケート調査を実施し、295件の回答を回収した。
両アンケートについては、現在、回収したアンケート票の入力作業、分析を実施中。

流通適正化部会
日本製薬工業協会から検討を依頼されている「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」に関して、6月21日に日薬連により説明会が開催され、日漢協からも参加した。
日漢協としての対応の方向性について、日本OTC医薬品協会の動向も踏まえ再度検討した結果、医療用/一般用各々を取り扱う会社を対象とした2種類のガイドラインを検討することとなり、7月15日開催の理事会へ報告した。
また、理事会当日に説明会を開催し、理事会参加者への理解促進を図った。
現在、日漢協としての対応方針について検討中。

教育研修部会
MR漢方教本U改訂第4版が完成し、会員各社に配布した。
MR漢方教本について、学校など教育施設より依頼があった場合は原則無償提供することを決定した。

有用性研究部会
日本東洋医学会EBM特別委員会との協力作業に関して、『漢方治療エビデンスレポート2011』および『漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン 2011』の 2011年追加分の作成は終了した。公開方法については現在検討中。


生薬会議
生薬委員会 委員長 浅間 宏志(株式会社ウチダ和漢薬)

日本薬局方既収載生薬の改正要望について技術委員会と連携し、試験法(精油)・基原・性状・英名とラテン名の11生薬13項目(第一次)を検討対象の候補とし、日本薬局方原案審議委員会生薬等B委員会への提案を依頼した。また予てより技術委員会、一般用漢方製剤委員会、生薬製剤委員会、原薬エキス委員会との連携で国立医薬品食品衛生研究所(以下、国立衛研)生薬部合田幸広部長と進めてきた日本薬局方外生薬規格(局外生規)を改正するための検討が、厚生労働省医薬食品局審査管理課の主催により6月22日に「第1回日本薬局方外生薬規格検討会」として開催された。今後さらに数回の検討会を経て来年度の改正に向けて対応が進む予定である。

小冊子化の準備を進めてきた原料生薬の使用量等調査の結果について、「原料生薬使用量等調査報告書―平成20年度の使用量―」として取りまとめることができた。小冊子は会員会社への配布とともに厚生労働省などの関係機関、学会など広く紹介していく予定である。

生薬学雑誌65巻(1)に掲載された中国産チンピの使用農薬実態調査について、その内容を広報委員会と連携し日漢協ホームページに掲載した。使用農薬を視点にした本報告は、その後の生薬の品質管理方法にとって貴重な情報となり得るものなので、是非とも皆様にご覧いただき生薬ならびに漢方生薬製剤の品質確保にご活用いただきたい。また使用農薬調査の次品目として「タイソウ」を予定しており、調査委託先と委託調査研究に関する取り決め書を交わした。調査地域は河南省、河北省、山東省、山西省および陝西省の5省で本年度内に調査報告を受ける予定である。

(独)農林水産消費安全技術センター(FAMIC)への協力として、適用作物別表の記載内容について、66生薬とその基原植物について意見を取りまとめFAMICへ回答した。今後、適用作物別表の見直しが行われるようである。


一般用漢方製剤会議
一般用漢方製剤委員会 委員長 大窪 敏樹(クラシエ薬品株式会社)

4月11日に一般用漢方製剤会議を開催し、平成23年度の活動方針について審議し、了承された。

【一般用漢方製剤会議活動方針】

T.一般用漢方製剤の普及、振興に関する活動
U.一般用漢方製剤の情報提供のあり方に関する検討
V.一般用医薬品を巡る状況変動に応じた活動

くすり相談部会
2つのWGで活動を行っている。
@事例・苦情相談G:事例・苦情への回答
AトピックスG:トピックスの収集と共有化
お客様相談業務に関するアンケート調査に参画 することとし、WG会議での検討が始まった。

処方部会
一般用漢方210処方の整備
・新規追加27処方について平成23年2月15日から 3月16日まで意見募集が行われた後、4月15日付け審査管理課長通知により承認基準に追加された。
・第三次の新規追加候補処方36処方について参考文献の内容確認を行い、その結果を国立衛研合田幸広部長、袴塚志室長に提示した。今後、薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会に上程するために医薬専門家による検討会に諮られる予定である。
・厚生労働省において、生薬製剤のリスク区分の見直しに引き続き、漢方製剤の見直しが行われる予定である。関係委員会と共同して意見を取りまとめる予定である。

適正使用推進部会
・210処方の効能のしばりにある虚実の概念を反映した5段階の体力分類について外箱に表記することを想定し、「わかり易い表示方法」について検討を進めている。
・防風通聖散AUR進捗状況については、6月30日に研究班会議が開催され、詳細データについて検討が行われた。


生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 和田 篤敬(小林製薬株式会社)

浮田謙二委員長の後任となります和田篤敬でございます。今後ともよろしくお願いいたします。
生薬製剤委員会では、新たな生薬製剤の開発を目標に活動を行っている。生薬製剤の存在意義、開発意義の明確化を念頭に、2つの部会によるアプローチ、すなわち薬事制度と製剤開発の2つの側面から生薬製剤の承認基準化、ならびに既存生薬製剤の範囲拡大を達成したいと考えている。

制度研究部会
新たな生薬製剤の承認取得に向けた環境作りを行っている。まずは、女性特有の効能・効果を有する生薬製剤の前例を取りまとめたデータベースを構築し、承認前例の全体像を把握した。現在、承認基準案作成の基礎的データとするために、このデータベースを配合生薬別や薬効群別などの切り口で解析中である。
また、幅広い関係者と意見交換し、許認可対応上の行動計画を検討している。
さらに、生薬製剤の効能・効果の読み替えによる魅力的な効能・効果の創出が可能か否かも検討している。

製剤開発部会
魅力的な効能を訴求できる生薬の組み合わせの検討を行っている。まずは女性特有の症状に有効と思われる生薬の文献収集を行い、生薬研究者からのレポートと合わせて、我が国での使用経験・実績を調査することで生薬製剤の処方設計におけるエビデンス構築を目指している。今後、公定書や海外での臨床試験、海外の局方などについて調査する予定である。
さらに、有識者にアプローチし、意見収集、情報交換を行いエビデンス構築における基礎にしたいと考えている。



原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)

6月24日に本年度第2回原薬エキス委員会を開催した。委員会には、富塚技術委員長と片桐技術品質部会長に臨時参加してもらい、漢方エキスの重金属試験、残留溶媒等について説明して頂いた。

1.日本薬局方収載漢方エキス等
第17改正日本薬局方で漢方エキスに重金属の個別基準が設定される見込みである。昨年秋に国立医薬品食品衛生研究所(以下、国立衛研)のICP-MSを用いて予備試験を行ったが、原薬エキス委員会からは2社が参加した。富塚委員長から、本年度実施される本試験には、上記2社以外の原薬エキス会議参加会社にも参加して欲しい旨要請があった。なお試験対象エキスは、黄連解毒湯、葛根湯、加味逍遙散、柴朴湯、小青竜湯、八味地黄丸および半夏厚朴湯の各エキス、測定元素はPb、Cd、AsおよびHgの4元素である。
また、残留溶媒に関して日局通則に新たな規定を設けるべく、現在日本薬局方原案審議委員会で検討中である。富塚委員長と片桐部会長から、医薬品の残留溶媒ガイドライン、残留溶媒規制への対応策骨子、また原薬エキス製造中に生成する残留溶媒様物質に関する調査などについて、詳細な説明があった。

2.日本薬局方外生薬規格の改正
6月22日に、厚生労働省審査管理課が事務局となり「第1回日本薬局方外生薬規格(局外生規)検討会」(座長:国立衛研合田幸広生薬部長)が開催された。新規収載のジンギョウ、ジンコウ、ビャッキョウサン、コウジン末、ゴオウ末およびバイモ末については、収載原案に若干の修正が加えられたが基本的に了承された。また既収載のチクジョ、カロニン、ドベッコウなどの改正案が了承された。第2回検討会は12月21日に開催される。
また7月6日に国立衛研にて、第4回局外生規検討WGが開催され、局外生規生薬の英名、新規収載候補のケイシ、ホップなどの検討手法、また既収載のヨウバイヒ、サンシュユ末などの改正案が検討された。