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日漢協 ニューズレター 83号

(第28巻 第2号)2011年9月

生薬学教室を訪ねて[52]


奥羽大学薬学部生薬・漢方薬分野

生薬・漢方薬の成分と効能および
新規薬理作用に関する研究

藤井祐一教授

歯学部と薬学部の医療系大学として
正門から望む薬学実習棟と薬学部棟(奥)
「人間性豊かな人材を育成する」を理念に、昭和47年影山四郎氏により創設された奥羽大学は、39年前の開学当時は東北歯科大学と称していました。

その後、平成元年、折からの国際化時代に対応する人材育成を目的として文学部を新設、校名も奥羽大学に変更しています。そして、平成17年、高齢社会の到来による老人保健医療福祉のニーズ増大と地域の要請に応え、歯学部との連携によって社会保健福祉に貢献すべく薬学部が設置されました。

文学部は平成19年に廃止され、以来、歯学部と薬学部の医療系大学としての歩みが始まり、地域に根ざした人間性豊かな医療人の養成を目指しています。

キャンパスは、福島県郡山市の中心部からバスで10分ほどの近さにもかかわらず、自然豊かな恵まれた環境にあり、東京ドーム4個分の広さがあります。構内には地球環境に配慮した施設が随所にあり、記念講堂や薬学実習棟などの屋上にはソーラーパネルが設置され、一日あたり180kWの太陽光発電を行っており、環境対策にも余念がありません。

生物多様性についての研究
学生の憩いの場ともなっている薬用植物園
一昨年の平成21年に4年制の卒業生を送り出し、来年は6年制の卒業生が羽ばたく薬学部(薬学科)は、福島県で最初の薬学部としてスタートしています。

現在、26の研究室があり、大講座制が採られています。5年次に各研究室に配属になり、潟cムラから赴任された藤井祐一教授率いる生薬・漢方薬分野は、6年生5名、5年生3名で構成されています。因みにツムラ時代の藤井教授は日本漢方生薬製剤協会の技術委員会の委員長を歴任されていました。

研究テーマとしては、@漢方処方中の生薬配合理由の研究A生物多様性と生薬B漢方処方、生薬を中心とし、メタボリック症候群に有効成分の検索研究C生薬と催奇形性、特にin vitroでの評価等に取り組んでいます。

この他にも、中国の広州中医薬大学と共同で酵素誘導を起こす成分の探索研究にも着手しています。漢方や生薬がセントジョーンズワートのように肝臓の代謝酵素の誘導が起こる生薬や漢方処方を見出してもいます。

研究室学生の研究テーマは、研究コースと調査研究コースがあり、前者は研究室のテーマから選択し、研究テーマを決定します。後者は生薬や健康食品(植物)の効能、安全性などを中心にした文献調査を行い、いずれのコースも本人の希望する研究テーマが考慮されています。

教員という立場ではなく、仲間という意識で学生に接する藤井教授は、地域の人々との交流にも注力され、大学公開講座、薬用植物園見学会、高校での一日大学、オープンキャンパス、中高生のための科学実験講座などにも精力的に取り組んでいます。