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日漢協 ニューズレター 83号

(第28巻 第2号)2011年9月

トピックス


第62回日本東洋医学会学術総会市民公開講座
漢方と食
札幌コンベンションセンターで6月10日〜12日の3日間にわたって開催された第62回日本東洋医学会学術総会の市民公開講座が、総会最終日の6月12日(日)14時より行われた。12回目を迎える市民公開講座が札幌で開かれるのは2001年以来2度目となり、「漢方と食」をテーマに、北の料理人として知られる貫田桂一ヌキタ・ロフィスド代表と本間行彦北海道漢方医学センター附属北大前クリニック、北海道大学名誉教授が講演、身近なテーマとあって、聴衆は熱心に耳を傾けていた。



貫田代表
貫田代表は、「漢方でいきいきと健康に生きる」を演題に、シェフの目から見た健康について、身近な例を上げて論じた。

喘息を漢方療法で治した体験のある氏は、冒頭「漢方と料理には自然や植物を愛するという共通点がある」と述べ、食で健康になるには@よい食品を選ぶ(新鮮なもの、季節のもの、体質に合ったもの)Aよく噛むB感謝して食べる(生き物の命に感謝する)と三要素を紹介。裏ワザ健康法についても触れ、@塩は怖くないAだ液の効果B体の声を聞く(体が何を欲しているか、何を食べたいか)と主張した。




本間名誉教授
縄文時代の食生活に漢方の原点
本間名誉教授の演題は、「漢方と医食同源−なにを食べればよいか」。縄文時代の人々の食生活の中に今の漢方の原点があり、生薬を薬としてではなく、食材として食べていた。縄文人はグルメだった。古代人は10万種を食材として利用していたと論じた後、1日30種が目安とされている現代人の食生活の貧しさに警鐘を鳴らし、食生活の基本として以下を提示した。

@毒物を避ける・保存料(防腐剤)・農薬・便秘を避ける(くさいおなら、便器にへばりつく便)A地産地消・新鮮・旬B可能な限り多種類・少量・不足栄養素の補給(含92種類の元素・漢方薬)・栄養過多時代への対処

続いて、具体的対策について言及し、@基本は洋食から和食へA肉・乳製品を可能な限り少なく・蛋白は豆主体・魚はさっぱりした白魚B塩にお金をかける・NaCl(精製食塩)を採らない・ごみの混ざった塩(海水そのもの、岩塩)C毎食違う食材が理想(30種類では少なすぎる)D食材はできる限り手を加えないもの・玄米・果物は皮ごと、などと力説。最後に、なにを食べればよいか(結論)として次のように結んだ。@なんでも食べる(できるだけ多種類)A毎日違うものB口から食品としてとる(補助食品は無用)C漢方薬は食べ物(=医食同源)、老化の防止、病気の予防に効く。

かねてより科学としての漢方医学を提言し、今総会でも「漢方の有する科学性について」を演題に特別講演を行った本間先生ならではの理づめな講演に、会場の皆さんはしきりにうなずいていた。